★2 | 重力ピエロ(2009/日) | 小日向文世がカツラをまとい、渡部篤郎がニヒルに笑えばそこは異世界。この大人たちがマンガであることを徹底するからこそ、加瀬亮と岡田将生の不毛なダイコン畑に色彩が添えられるのである。 [review] | [投票(2)] |
★2 | 監督・ばんざい!(2007/日) | プロットの配列を細かに乗り継ぐ奇妙に世俗的なバランス感覚が訴えるのは、壊れたことの自棄と愉悦よりも、何をやっても壊れない自負と哀しみ。 [review] | [投票(1)] |
★2 | 戦争と人間 第3部・完結編(1973/日) | 俺の伍代財閥は何処に行った!? 心のオアシス、滝沢修&加藤嘉をひたすら頼りにノモンハンを堪え忍ぶ三時間。芦田と三國が健在ならば敗戦どころか太陽の赤色巨星化も乗り切れると思うが、高橋悦史だけはどうにかしろよ、と切に願ってやまない。 | [投票(1)] |
★2 | ハロルドとモード 少年は虹を渡る(1971/米) | 貴種流離譚の性的ロールプレイがイメクラ的想像力の貧困ゆえに、俗世間への哄笑を俗世間そのものへ収斂するように思う。逆におかんやチャールズ・タイナー叔父らは、記号であり続けようとする実に人間らしい仕草によって、記号の軛から逸脱している。 | [投票] |
★2 | 星を追う子ども(2011/日) | 肥大化した無意識のナルシシズムが、一人称を避ける自然主義の自我に目覚める。丸裸にされた自意識は、心理の間隙を恐れるかのように、事件の羅列を早漏のような尺で切り取り続ける。 | [投票] |
★2 | ヤッターマン(2008/日) | 担保ある愛が観察に価しない。ドロンジョにはボヤッキーの、ボヤッキーにはトンズラーの好意がある。トンズラーは自分のことが大好きだ(たぶん)。したがってもっとも悲痛なのはドロンジョに執着するドクロベーなのだが、ここにはフォローがない。 [review] | [投票] |
★2 | 東京湾炎上(1975/日) | おたおたする丹波を放置して、対策本部でひげ剃りに興じる鈴木瑞穂の不気味な余裕に、おやぢ力の違いが見えるのである。DVD特典は「中野昭慶、爆発を語る」――最悪である。 | [投票] |