★5 | 大日本人(2007/日) | 鈍重な一本調子でさして笑えないが一途にコンセプトを貫き明晰でクリアであるとも思う。CGと自主映画なハンドメイド美術の折衷バランス。ためた上での板尾とのコラボは完璧。上辺の反米イズムは真意だろうが躊躇するエンドクレ。本気を垣間見た。 | [投票(4)] |
★3 | 松ヶ根乱射事件(2006/日) | 皆それなりに状況に埋没し閉塞が閉塞のまま終わるというのは、らしいしラストは正味笑った。だが、川越美和の張っ倒したくなる偏執キャラを始めとする世界の不均衡な歪みが断片的で互いに相関し合わず喰い足りない。コンセプトは買うが力量不足と思う。 | [投票(2)] |
★3 | 後妻業の女(2016/日) | 熱演天国とでもいうべき双璧の足下でパイオツ揉まれるあさみを尚凌駕する明日香の体当たりに感動するのであったが、所詮ピカレスクもどきと思えるのは軽佻に死を扱う作り手のスタンス。もっと地獄を見せてみろと言いたい。まみれずに逃げてまんねん。 | [投票] |
★3 | さや侍(2011/日) | 弛緩してるとは言え筒井風であるシュールレアリズムからお手盛りのギャグ博覧会(これも前2作の方が笑える)へ至るあたりは未だしもなのだが、終盤はアナーキズムが消失し一気に迎合世界に安住してしまった。それならヘタウマは通用しないし正気を疑う。 | [投票] |
★3 | 萌の朱雀(1997/日) | 既視感のある作風は侯考賢以前に作られたものならと思わされる。田村正毅の映像は狙った反ドラマチックなものを的確に収容するのだが、介入する非日常のシュールやドラマラスな恋慕を掬い切れない。抑えたトーンが何とはなしにあざとく思えるのだ。 | [投票(1)] |
★3 | 陰陽師0(2024/日) | 晴明絡みの謎や怪異は概ね凡庸であるが、博雅と姫をめぐる悲恋譚は心打つものがある。ノーブルに徹した染谷の後方から翻弄され悲嘆に暮れてそれでも前を向いて運命を受け入れていこうとする奈緒が前面に躍り出るあたり女性監督ならではの良さと思う。 | [投票(1)] |
★4 | 風音(2004/日) | 少年と母親と老婦人の互いにリンクしない一夏の物語が各々に決着をつけた後に風に舞う紙吹雪の下に結合されて閉じていく。その端正な折目正しさに久しく忘れていた心地良さを覚えた。それにしても東陽一の描く子供たちは本当に子供らしく愛しく懐かしい。 | [投票(1)] |
★3 | マッスルヒート(2002/日) | どうにも甘ったるいおぼっちゃん顔で損しまくりのケインだが、さすが体技は半端じゃないね。オリジナリティ皆無だが米近未来B級アクションをそれなりに日本に移植して悪くない。哀川・加藤・金子3人のキャラも良く立ち映画を締めている。 | [投票] |
★4 | しんぼる(2009/日) | 納得のリアクション芝居が延々と続く小ネタ博覧会の密室劇と、大ネタのメキシコレスラー親爺話を錯綜させる構成の冴え。正直天才的とさえ思う。しかし、実践篇の途上から惑うのだ俺は。確信的なシャレやろ?と。万が一マジなら紙一重と俯くしかないんやけど。 | [投票] |
★4 | R100(2013/日) | 生きる辛さに耐える密かな愉しみがマゾヒズムでは、趣向を取り揃えてみても所詮は凡庸なのだが、渡部の登場を契機に半ばから壊滅的に流れは崩壊する。70年代パープリンアナーキズムの復刻。「丸呑み」・「サクセス」・「CEO」等小ネタも冴えてる。 | [投票(1)] |