★4 | 開巻は朗らかに『秀子の車掌さん』(?)と思いきやほどなく予想外の人間性底辺競争に突入して堪らん。演者は皆よいが特に丸山修が最高。却って『流れる』的オールスターではこの味は出ない。場のムードを決定づける斎藤一郎の音楽はときに切ない系終末ホラーのようでやりすぎだが、これもまた面白い。 [review] (3819695) | [投票(3)] |
★5 | 逃げ出したくなる現実は、逃げてものっそりとぬめっとまとわりつく。目の綺麗なあの人は、山の綺麗な空気を素敵な人と吸えるのか?それとも素敵な人もぬめっとした現実に呑み込まれるのか?奇蹟の稲妻に頼りたくなる。 (動物園のクマ) | [投票(2)] |
★5 | 「すぎわいは草の種」とはよく言ったもので、どうしょうもない人間が、次々にどうしょうもない人間じゃない人を仲間に引きずり込むパターンの多さを視覚的にコミカルに描いていて好感度大。適度に配置されたヒーリング効果のある言葉が、どうしょうもない人間の価値を谷底に落とさない効果を果たす。これぞ成瀬マジック。 [review] (ジャイアント白田) | [投票(4)] |
★4 | これも成瀬巳喜男らしく広げたプロットを全て広げっぱなしで閉じてしまい、問題が何も解決されない映画なのだが不思議と幸福感がある。中盤からはずっとニヤケっぱなしで見てしまった。まず、高峰秀子がどのシーンもとても可愛いので嬉しくなるが、ただ、本作の肝は母親役の浦辺粂子だ。彼女があの奇跡的な稲妻のカットを導く。 [review] (ゑぎ) | [投票(8)] |
★5 | 右往左往する女たち。ネチネチまとわりつく男たち。この半分つながりの姉妹たちの生活空間には、母親(浦辺粂子)が撒いた負の磁場が存在するかのようだ。その証拠に、この母親は娘を引き寄せ、あるいはのこのこと何処にでも顔を出しさりげなく存在を主張する。 (ぽんしゅう) | [投票(1)] |
★2 | 余りにダメ人間ばかりが出てくるのでしんどい。どうでもいいような連中のどうでもいいような話をそれなりには撮っているが、その中にカメラは一片の煌めきでもいいから掴み取って欲しいのにフルショットの連続はそれさえも放棄したかのようだ。 (けにろん) | [投票(1)] |