★5 | 大部分が失われているのがとにかく惜しまれるが、原作に恥じることなく描写が細かいので、明治期の農村に生きる人々の苦しさがよく伝わってくる。そして、機械を使うことのない米作りや、今ではほぼ失われた農村の行事や前時代の因習も精緻に描かれている。こうした先人の辛苦の上に、現在の私達があることを思い知った。 (タモリ) | [投票] |
★4 | 畦道を逃走する男の背中を追うキャメラ。逆光の土手を行く提灯灯した荷車。すでに吐夢の重厚な詩情が完成している。 [review] (寒山拾得) | [投票] |
★4 | 邦画史におけるリアリズム映画の典型ですが、当時の総力戦体制において一種の重農主義政策が取られていた点を鑑みれば、国策映画の1つとしても捉えることが可能です。日本の国策映画の中に、リアリズム的志向を伴った佳作が少なからず見受けられることは、『土と兵隊』などを見れば歴然です。 (TM大好き) | [投票] |
★4 | 最初と最後のシーンが欠落したプリントを観たおかげで、ドラマというより「当時の一農村における四季の暮らし」を扱ったドキュメンタリーのように見えた。[フィルムセンター/ドイツ語字幕・短縮版] [review] (Yasu) | [投票] |
★4 | 前半は比較的淡々と進んで行くが、後半になって異様な盛り上がりを見せる。いいところでフィルムが終わってしまうのが残念。 (熱田海之) | [投票] |
★4 | 戦災で、完全版が失われてしまっているのが残念でならない。ものすごく印象に残る映画。内田吐夢の最高傑作。それにしても主人公のオヤジサン、ハナ肇に似ている。 (ハミルトン) | [投票] |
★3 | 最初と最後に、欠落部分の説明書きが日本語で入るバージョンを見た。エンディングの欠落は、多分、タイトル『土』の、画面へのさらなる実装と、とりわけ小杉勇の晴れやかな表情の欠落でもあるのだろう。この欠落は、至極残念。 [review] (ゑぎ) | [投票] |