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水那岐さんのあらすじ: 更新順

★3ガザの美容室(2015/パレスチナ=仏=カタール)真夏のパレスチナ。不穏な気配をはらむ外界の空気を締め出すかのように、ロシア出身のクリスティン(ヴィクトリア・バリツカ)が経営する美容室は今日も女たちの熱気に溢れていた。離婚騒動の渦中にあるエフィティカール(ヒアム・アッバス)、臨月を迎える妊婦ファティマ(サミラ・アル・アシール)、敬虔なムスリムとしてヒジャブの下を決して世間に晒さないゼイナブ(ミルナ・サクラ)…それは社会の縮図のさまを呈していた。だが、アシスタントのウィダド(マイサ・アブドゥ・エルハディ)の恋人が属するマフィアとハマスとの戦闘が、美容室のある街を停電させ女たちの闊達な会話を奪う。戦闘は激化し、店にも苛立ちの匂いが漂い始めた。〔84分〕[投票]
★2大きな古時計(2005/日)旅行客(藤村ちか)は沖縄のホテルを訪れ、そこで11時5分で止まった柱時計を目にする。元オーナーの爺さん…コウイチは、それが自分の分身のような時計だと語る。若き日のコウイチ(松田悟志)はシェフになる夢を、弟のマサヤ(藤沢大悟)は画家になる夢を抱いていたが、突然の両親の事故死でホテルを継がざるを得なくなる。しかし客は来ず、ふたりが退屈を持て余していた時、闖入してきた初めての客がアヤカ(松本まりか)だった。柱時計は彼女を歓迎するように鳴り、アヤカをはさんで兄弟は夢のような季節を過ごした…。だが彼女はある日去り、画業が思い通りにゆかないマサヤは、東京で絵を学ぶために時計を売り払ってしまった。〔80分/カラー/スタンダード〕[投票]
★4ハローグッバイ(2016/日)高2のはづき(萩原みのり)は仲良しグループと行動をともにしながら、友人の彼氏と肉体関係をもっていることを秘密にしていた。そんな彼女が厄介ごとを押し付ける相手が、控えめな「委員長」葵(久保田紗友)だった。ある日葵が道に迷ったらしい老婆・悦子(もたいまさこ)の相手をしているのに出くわしたはづきは、謝礼目当てで仲間に加わる。どうやら悦子は恋文を手渡す相手を探しているようだった。結局娘の早紀(渡辺真起子)に迎えられた悦子から謝礼をもらい忘れたはづきは、このことに関心を失う。だが、葵は十万円を払うから悦子の行動に手を貸してほしいと詰め寄る。十万円とは、はづきが秘密にしていたある行為の代金の額だった。〔80分〕[投票]
★3わさび(2016/日)寿司屋「やま乃」は主人(杉本凌士)の鬱症状によりずっと休業状態だった。家に閉じこもる彼を見かね、一人娘の葵(芳根京子)は父の生活をフォローしながら高校生活を続けていた。担任教師のみならず、いまは離婚して別の男と暮らしている母(富田靖子)もきわめて安直に、大学進学組に鞍替えし母と暮らす道を選べとさとす。だが、父の稼業を継ごうとする娘は首をタテに振ることはなかった。ある日、葵は少し前まで野球部で腕をふるっていた習慣から、バッティングセンターで憂さを晴らす。そんなとき、彼女のコーチをしていた従業員(下條アトム)に再会する彼女。葵はかつて打てなかったコーチの投球を見せてほしい、と頼み込んだ。〔29分〕[投票]
★3虹色★ロケット(2007/日)転入生のユカ(松永祐佳)は、クラスに問題視されている「芸術的銀河科」を選んだ。たった6人の生徒で構成されるクラスを…。同級生には、日がな一日眠っているシュンタ(伊藤峻太)がおり、彼女の秘密にしている「病気」のことも一瞬のうちに見抜かれてしまうのだったが、焦りながらもその日は帰宅したユカだった。翌日、音楽科から来たというコウヘイ(宮川広平)に、どうして移ってきたかを聞くユカは、音楽科が一時期ドラッグの巣窟であったことを知る。そして、ユカは次第に皆の「命」について抱えた悩みに気づいていく。現役高校生の手になるフィルムながら、その完成度に商業公開された一作。〔74分/カラー/ヴィスタ〕[投票]
★3イカリエ-XB1(1963/チェコスロバキア)αケンタウリへ向かう宇宙船、イカリエXB1。40人余の乗組員を擁し、異星生命体の存在をさぐるこの船では、退屈をきわめた人々がダンスや飽食、ジムでの肉体維持などに没入する毎日を過ごしていた。苛立ちを抑えきれないマクドナルド副長(ラドヴァン・ルカフスキー)は妻の同行を許されなかったことから、航海のなかで子供を身籠った者たちが出たことに眉をひそめる。険悪な空気に包まれた船が遭遇したのは、20世紀に地球を旅立つも内紛で自滅した難破船だった。難破船は核爆発を起こし、イカリエの人々に放射線が降り注ぐ。そして乗組員ミハル(オットー・ラツコヴィチ)は錯乱し、皆が謎の睡魔に襲われるなか破壊衝動に身を委ねるのだった。〔88分〕[投票]
★2モダンライフ・イズ・ラビッシュ 〜ロンドンの泣き虫ギタリスト〜(2017/英)バンド「ヘッドクリーナー」のギタリストとして売り出し中のリアム(ジョシュ・ホワイトハウス)は、レコード屋でアルバムを物色していたナタリー(フレイア・メイヴァー)にアドバイスしたことから、ロックの結んだ恋仲となった。如何せんアマチュアに毛の生えた程度の知名度しかない「ヘッドクリーナー」のため、ナタリーは自分の夢を捨て会社員となり、リアムを支え続ける。だが、リアムはただのロック馬鹿として成長を見せず、苛立ちを抑えきれないナタリーは別離を決意する。行動の余韻に動き出せない彼女を同僚のエイドリアン(トム・ライリー)は包み込むが、そんなふたりから目をそらし、リアムはブレイクの時を待たず作曲に没入するのだった。〔104分〕[投票]
★5ヴィオレット ある作家の肖像(2013/仏)第二次大戦を通して、方便として偽りの夫モーリス(オリビエ・ピイ)と隠棲を余儀なくされていたヴィオレット(エマニュエル・ドゥヴォス)は、夫からは小説を書けとの勧め以外はもたらされることなく燻ぶっていた。彼の元を離れたヴィオレットは半ば運命的に、成功した女性作家ボーヴォワール(サンドリーヌ・キベルラン)の小説に出会う。彼女は自伝的作品『窒息』を上梓し、ボーヴォワールにそれを読んでもらうべく彼女の部屋のドアを叩いた。果たしてボーヴォワールはこれを絶賛、ヴィオレットは作家ジュネ(ジャック・ボナフェ )、信奉者ゲラン(オリヴィエ・グルメ)の知己を得て出版を約束されるが、その欲求は満たされぬままであった。〔139分〕[投票]
★3あの日の声を探して(2014/仏=グルジア)1999年。ロシア軍侵攻に揺れるチェチェン。ロシア兵の戯れの銃撃で両親を失った少年ハジ(アブドゥル・カリム・マムツィエフ)は、衝撃に言葉を奪われながらも乳飲み子の弟を連れて長い旅に出る。そしてEU人権委員会のキャロル(ベレニス・ブジョ)に拾われ、赤十字のヘレン(アネット・ベニング)の助言から養育されるに至った。そんな時、チェチェンからハジの姉ライッサ(ズクラ・ドゥイシュヴィリ)がヘレンのもとに流れてくるのだった。一方ロシア領内では、青年コーリャ(マキシム・エメリヤノフ)が軍に投入されてチェチェンに向かっていた…フレッド・ジンネマン監督作『山河遥かなり』の換骨奪胎作。〔135分〕[投票]
★3アリー/スター誕生(2018/米)ドラァグクイーン・バーで歌声を披露する機会を与えられた歌姫、アリー(レディー・ガガ)のパフォーマンスを、ファンの攻勢を逃れてここにやってきた有名シンガー、ジャクソン(ブラッドリー・クーパー)は聴き、その秘められた実力に息を呑む。酒やドラッグで体を蝕まれ、もはや往年の活躍に等しい舞台は望めないジャクソンゆえ、希望のよすがとして業界にアリーの紹介を本格的に行なう。だがアリーがスターダムをのし上がりゆくこととは逆に、ジャクソンは破滅への坂を転げ落ちるのだった。1937年、1954年、1976年に続きバックステージものの古典としてリメイクされてゆく物語のリニューアル版。〔136分〕[投票]
★2Kiss me or kill me 届かなくても愛してる(2005/日)カメラウーマンのユリ(亜紗美)は気の合わない男・ケンジ(畠山寛)のところから友人・環(若瀬千夏)のところへ逃げてきた。早速ユリはイベント会社の社長・大畑(前田耕陽)を見初め、彼のマンションを訪れる。彼はケンジと違い、自分で料理もこなす出来た男だったが、セックスの時の激しい責めには、ユリはカメラで行為の相手を撮るいつもの習慣をも忘れてしまうのだった。そしてその余韻も冷めないうちに、ユリは環とともに二人組の男のナンパに乗り、自室にひとりを誘う。だが一部始終を隠しカメラと録音テープがとらえていた。それは復縁を迫るケンジの仕業だった。〔70分/カラー/ヴィスタ〕[投票]
★5ローマの教室で 〜我らの佳き日々〜(2012/伊)ローマにある高校。現実主義者の女性校長ジュリアーナ(マルゲリータ・ブイ)の取り纏めるこの学校に、青年教師ジョヴァンニ(リッカルド・スカマルチョ)が赴任してきた。彼は一癖もふた癖もある生徒たちを前にして、彼らをよく知り教え導くことを目標に奮戦するが、そんなジョヴァンニを老練な教師フィオリート(ロベルト・ヘルリッカ)はシラケた目で見つめ、己の職務として誰も評価しない授業をこなしてゆくのだった。それをよそにジョヴァンニは、素行不良の女生徒アンジェラ(シルヴィア・ダミーコ)のやる気を起こそうとする。そしてジュリアーナは、母に見捨てられた男生徒エンリコ(ダヴィデ・ジョルダーノ)の不遇に目をとめる。〔101分/スコープ〕[投票]
★4イヴの時間 劇場版(2009/日)アンドロイドが各家庭に普及し、珍しくもなくなった未来世界。少年リクオ(福山潤)はメイドロボットのサミィ(田中理恵)がときどき様子をみてどこかに外出しているのを不審に感じていた。リクオはロボット嫌いの親友マサキ(野島健児)と話し合い、サミィのあとを付けてみる。たどり着いた古いビルの地下室にあったのは、こじんまりとした喫茶店「イヴの時間」。マスターのナギ(佐藤利奈)が迎えるその店は、人間とアンドロイドを区別しない、というルールの店であり、中にいる客たちも誰が人間か見分けがつかなかった。気に入って店に通ううちに、リクオはアンドロイドたちと会話を交わし、彼らの思いを理解し始める。〔106分〕[投票]
★2春なれや(2016/日)ソメイヨシノの木には、60年たてば花咲くことはないという。それでも若いふたりは苗を植えた。永遠というものを信じたくなって…。そして60年。老人ホームを抜け出した老婆(吉行和子)は、あの日苗を植えた母校のある街に来ていた。警察官に職務質問を受けるなか彼をふっきり、老婆は自転車に乗った青年(村上虹郎)に、ソメイヨシノを植えた校庭に連れていってくれと訴えた。あるいはしらけ切った青年を叱咤するかのように、あるいは待つかもしれぬ恐怖に屈しそうになりながら、彼女は校庭を目指す。その期待は満たされるのか。不安に満ちた想いをのせて自転車は坂道を昇る。〔20分〕[投票]
★4陽なたのアオシグレ(2013/日)臆病でおっちょこちょいなヒナタ君(伊波杏樹)は、優しくて可愛い同級生のシグレちゃん(早見沙織)が大好き。でも、シグレちゃんには何も言えず妄想を膨らませるばかり。ある日、鳥たちのお世話をするシグレちゃんの前で、ヒナタ君は絵の上手さを褒められた。舞い上がるのも束の間、シグレちゃんが東京に引っ越しすると知らされる。まだ気持ちを伝えてもいないヒナタ君は、一念発起してシグレちゃんの乗った車を追う。ヒナタ君の健闘は実を結ぶか。作画監督は新井陽次郎。〔18分〕[投票]
★4ごっこ(2017/日)刑務所から娑婆に出、40代にして父親の年金をたよりに生きる男、城宮(千原ジュニア)。寂れた帽子屋の外に出ることなく、彼はフィギュア製作に没頭していた。そんなある日、彼は商店街のある店の二階に、虐待されているとおぼしきひとりの少女を見出す。彼女が城宮を「パパやん」と呼んだことで、城宮はその娘をおのれの子供・ヨヨ子(平尾菜々花)と見なし、自ら引き取って暮らすことにする。その日から城宮はヨヨ子を散歩に連れ出し、彼女の望む娯楽を日々与え続けるが、城宮の幼馴染みの婦警・マチ(優香)はその出自を疑い、胡乱な目を向ける。だが、記憶を失ったヨヨ子に深い愛情を注ぐ彼の姿を見つめ、マチは職務を執行できない悩みを抱えるのだった。〔114分〕[投票]
★2嘘つきは恋の始まり(2008/米)孤独な少年時代を送ってきたエヴァン(ウェス・ベントリー)は、自殺者の依頼で遺言を代筆する日々を過ごしていた。ある日、依頼者マシュウの葬式を遠くから見守っていたエヴァンの姿を、マシュウの妹シャーロット(ウィノナ・ライダー)は認め、深い興味を抱く。度外れたモーションをかけてきたシャーロットに辟易するエヴァンではあったが、次第に彼女のペースにはまり、積極的に逢うようになった。仕事を隠し、兄の同窓生であると偽って…。だが、今なお作曲家のアベル(レイ・ロマーノ)からの依頼を請け負っていたエヴァンは、シャーロットに対し脚本家である自分を演じ続けるのだった。〔93分〕[投票]
★2或る終焉(2015/メキシコ=仏)終末期の重病患者を看取る看護師、デヴィッド(ティム・ロス)。彼はジムに通いながら精力的な看護活動を行ない、その合間に投稿サイトに発表された娘ナディア(サラ・サザーランド)の姿を眺める毎日だった。末期エイズ患者だったサラ(レイチェル・ピックアップ)の最期に立ち会ったデヴィッドは、彼女の体を綺麗に拭きあげると、彼なりの踏ん切りをつけて次の患者に取り掛かるのだった。建築家ジョン(マイケル・クリストファー)の担当となった彼は、半身不随のジョンに代わり建築の写真集などの本を買って持参し、信頼を得る。だがその性本能の処理にすら積極的だったデヴィッドは、嫌悪され解雇される。帰郷した彼の脳裏に、苦い思い出がよぎった。〔94分〕[投票]
★2あさってDANCE(2005/日)スエキチ(松田洋昌)は焦っていた。アパートの自室で見ず知らずの女・日比野(黒沢愛)に「ケダモノじみた」行為に及んだというのだ。そして恐るべきことに、祖父より4億5千万円を相続したと聞かされる。全ては昨日の酒で記憶からカッポリ抜け落ちていた。スエキチはその後もアパートに出現する日比野でバッコンバッコンするのだったが、祖父の遺産を預かる立見(緋田康人)には、相続には立派な社会人になる条件つきと釘を刺される。しかし、心では演劇座長の下村(川村亜紀)を思いつつも、ついつい日比野を便利に弄ぶスエキチは「サイテー」の言葉がピッタリと自ら思うのであった。1991年磯村一路作品のリメイク。〔75分/カラー/ヴィスタサイズ〕[投票]
★2サカサマのパテマ(2013/日)マスクと防護服の着用が義務付けられる地下世界。長の娘ではねっかえりのパテマ(藤井ゆきよ )は好奇心から呪われた異世界に侵入しようとし、いつも目付け役のジイ(ふくまつ進紗)を怒らせていた。そんなある日、冒険家のラゴス(加藤将之)についてゆきたい気持ちで下に潜ろうとしたパテマは、足を踏み外し落下してしまう。その頃、専制国家となっていた地上世界に辟易していた生徒エイジ(岡本信彦)は、鉄柵が張り巡らされた危険地帯に少女が掴まり、助けを求める場面に出くわす。そこは少女…パテマにとっては逆さまに重力が働く場所だったのだ。パテマを救ったエイジに、教師たちや君主イザムラ(土師孝也)は危険思想を嗅ぎつけるのだった。〔99分〕[投票]