★3 | オーケストラ・リハーサル(1978/独=伊) | 13世紀に建築され、法王3人と司教7人の墓が安置される古びた寺院の礼拝堂で写譜師ズアネッリ老人(ウンベルト・ズアネッリ)がオーケストラの譜面を並べ終えた。今日のリハーサルにはTV局の取材が入っていて、次々到着する演奏者達へのインタビューが開始される。やがて、指揮者(ボールドウィン・バース)が登場してリハーサルが開始されるが、皆勝手放題で、遂に指揮者の癇癪が破裂して彼は譜面を投げ散らかせた。気を取り直して「ダ・カーポ」の掛け声で再開されたリハーサルだが、礼拝堂の壁が時折不気味に揺れていることには誰も気付かない…。RAI(イタリア国営放送)の依頼で制作されたフェリーニの第19作だがニーノ・ロータの遺作になってしまった。 | [投票] |
★3 | ブレージングサドル(1974/米) | 法も秩序も失われた大西部のとある町。腹黒いウィリアム知事(メル・ブルックス)は縛り首寸前の黒人奴隷バート(クリーボン・リトル)を町の保安官になることを条件に助ける。ウィリアム知事の思惑は黒人を保安官にして町の秩序を更に攪乱し住民の立ち退きを促進させ鉄道会社に町を売って一儲けしようという魂胆なのである。しかし、バートは監獄の常連ジム(ジーン・ワイルダー)と意気投合すると助け合って知事の送り込んだ無法者タガート(スリム・ピケンズ)一味に立ち向かうのだ。そして、住民達も次第に2人を信頼し始め協力するようになっていく…。メル・ブルックスの監督第3作。 | [投票] |
★3 | カンゾー先生(1998/日) | 昭和20年の岡山県日比。父の代からの開業医、赤城風雨(柄本明)は何でもかんでも肝臓病と見立てるので「肝臓先生」と揶揄される一方、病人と聞けば走って駆けつけて無償でも診療してくれるので人望もある。そんな或る日、父に死なれた淫売娘のソノ子(麻生久美子)を押しつけられ看護婦として働かせることになる。ソノ子はよく働き漁師の娘だけあって魚を捕るのも巧く、捕った魚を赤城の旧友の料亭「紫雲閣」の女将トミ子(松坂慶子)に届けに行くと芸者になるよう頼まれる。一方、赤城はブドウ糖注射の使いすぎで召還された医師会でモルヒネ中毒の医師、鳥海(世良公則)に会う…。今村昌平の第18作。 | [投票] |
★3 | 男はつらいよ 拝啓車寅次郎様(1994/日) | とある地方都市のしけた商店街で歌う売れない演歌歌手(小林幸子)を寅次郎(渥美清)が慰めていた頃、満男(吉岡秀隆)は就職半年目を迎え仕事に意欲が持てず悩んでいた。滋賀県、長浜で家業を継いだ大学時代の先輩、川井(山田雅人)から相談があるとの連絡を受けた満男は気分転換のつもりで出向いて行くが、川井の妹の奈穂(牧瀬里穂)に観光案内をしてもらううちに、惚れてしまうのであった。一方、寅も何故か長浜に来ていて、琵琶湖畔で趣味の写真撮影に没頭する典子(かたせ梨乃)と出会い親しくなる。そして、鬼山祭りもたけなわの晩、川井は満男に奈穂を嫁にもらってくれないかと切り出した…。シリーズ第47作。 | [投票] |
★3 | 顔(1999/日) | 1995年1月。35歳の正子(藤山直美)は、母常子(渡辺美佐子)の営むクリーニング店の2階でひっそり暮らしていたが、母親が急死し、通夜の晩に妹由香里(牧瀬里穂)を積年の恨みから絞殺すると香典袋を鷲掴んで逃走の途についたのだ。折しもの阪神大震災勃発の混乱に乗じて逃げおおせた正子は、大阪で父俊郎(中村勘九郎)と再会するが強姦される。花田(岸部一徳)という男の経営するラブホテルで仕事を得るが警察の手が迫り、流れて別府に到着。律子(大楠道代)という女性に拾われ彼女が経営するスナックでホステスとして働き始めるが…。2000年毎日映画コンクール日本映画大賞・監督賞、ブルーリボン賞監督賞他受賞。 | [投票] |
★3 | 悲しみよこんにちは(1957/米=英) | 17歳のセシル(ジーン・セバーグ)は、今年も事業家の父レイモン(デビッド・ニブン)と、その愛人で女優のエルザ(ミレーヌ・ドモンジョ)と南仏セントトラペッツにバカンスにやって来た。セシルが、海でフィリップ(ジョフリー・ホーン)という若者と知り合った日、亡き母の友人でデザイナーのアンヌ(デボラ・カー)がやって来た。優雅で洗練され成熟した大人の女の出現に何故かセシルは心穏やかではいられなかったが、父レイモンは、そんなアンヌにぞっこんとなり、結婚することをセシルにうち明ける。ヤケになったセシルはフィリップに激しく抱かれるのだったが、それを見ていたアンヌに厳しく窘められる…。ジーン・セバーグの主演デビュー作。 | [投票] |
★3 | 悪魔の美しさ(1949/仏=伊) | 19世紀の初頭。大学教授のファウスト博士(ミシェル・シモン)は書物を読むことに人生を捧げて来たが老人になった今、自分の人生について悔恨の念が湧き起こっていた。そんな博士の前に現れたのが三下悪魔のメフィスト(ミシェル・シモン)。嫌がる博士を若きアンリ(ジェラール・フィリップ)の姿に変えてしまう。いざ、若い肉体を手に入れてみれば、その心地よさに博士の気持ちも激変し街に飛び出して行くのであった。そして、知り合ったジプシー娘のマルグリット(ニコル・ベナール)と恋に落ちる。メフィストは更に錬金術を与えてアンリを大金持ちにして社交界にデビューさせる…。ルネ・クレールの第22作。 | [投票] |
★3 | アントニオ・ダス・モルテス(1969/仏=ブラジル) | ブラジル東北部の町ピラニャス。聖女(ローザ・マリア・ベンナ)の元で激しく踊り狂う信徒達の中に義賊の首領コイラーナ(ロリバル・バリス)も居た。警察署長マトス(ウーゴ・カルバナ)は事態を憂慮し死神アントニオ(マウリシオ・ド・バッレ)を呼び、アントニオはコイラーナに重傷を負わせるが、大地主オラシオ大佐(ジョフレ・ソアレス)の命令でも止まらない信徒達の狂熱に次第に自分の行いに懐疑の念を持つ。オラシオの妻ラウラ(オデーテ・ラーラ)はマトスと情を通じ、マトスはアントニオにオラシオ殺害を依頼。一方、オラシオに雇われた殺し屋マタ・バカ(ビニチウス・サルバトーレ)が乗り込んで来た…。グラウベル・ローシャの長編第4作。 | [投票] |
★3 | PiCNiC(1995/日) | ココ(CHARA)は両親に無理矢理に療養所に連れて来られた。しかし、そこは心の傷を癒すには程遠いところであった。そんな或る日、ツムジ(浅野忠信)とサトル(橋爪浩一)と言う青年と知り合い、彼らが「探検」と称する遊びに参加したが、それは施設の塀の上を歩いて渡るだけであった。そして、ココはいきなり施設に隣接する民家の塀に飛び移ったのだ。戸惑うサトルを置いてツムジも続く。歩き続ける2人は教会に行き着き賛美歌に耳をすませていると、牧師が来て1冊の聖書を渡した。黙示録を読んだツムジは地球滅亡を確信するのだが…。岩井俊二6番目の劇場公開作だが制作は94年。 | [投票] |
★3 | スペース・サタン(1980/英) | 土星3番目の惑星サタン3に建設された宇宙ステーションで、科学者のアダム(カーク・ダグラス)が恋人で、これ又科学者のアレックス(ファラ・フォーセット)と食糧問題解決のための研究に勤しんでいたが、宇宙空母で危険人物として手配中のジェームズ(ハーベイ・カイテル)がステーション行きのシャトルに替え玉になって乗り込んだのだ。ステーションに乗り込んだジェームズは2人の科学者の行為を時代遅れの研究と馬鹿にし生体脳の情報をインプッットしたバイオノイドロボットのヘクターを作る。ヘクターは意志を持ち始めアレックスに関心を持ち出し男達に嫉妬し始めた。そして、遂にジェームズを取り込んで合体してしまったのだ…。スタンリー・ドーネンの第26作。 | [投票] |
★3 | フラッシュ・ゴードン(1980/米) | 近未来のアメリカ。朝になっても日が射さない異常事態に元NASAの科学者ザーコフ博士(トポル)は、特殊な放射線で月の軌道がずれてきている事を発見。しかも、このままでは10日以内に地球に激突するのだ。放射線は惑星モンゴから放射されてることをつきとめた博士はフットボールのヒーローのフラッシュ・ゴードン(サム・ジョーンズ)を、その恋人デイル(メロディ・アンダーソン)と共に自作ロケットに乗せてモンゴに向かう。到着した彼等を迎えるのは鷹人間や蜥蜴人間たち。そして、遂にモンゴの悪の軍団の支配者、皇帝ミン(マックス・フォン・シドー)と姫オーラ(オルネラ・ムーティ)と相まみえる…。ラウレンティス86本目のプロデュース作。 | [投票] |
★3 | 暗殺の森(1970/伊=仏=独) | 13歳の時、ホモ青年リーノ(ピエール・クレマンティ)に犯されそうになったマルチェロ(ジャン・ルイ・トランティニャン)は彼を射殺し、その後、哲学講師になったもののトラウマから逃避する為に体制順応主義者として生きている。時あたかもファシズムの勃興期、プチプル女ジュリア(ステファニア・サンドレッリ)と婚約。ファシスト党の友人のイタロ(ジョゼ・クアリオ)からは、パリに亡命中の恩師で抗ファシズムのリーダーのクアドリ教授(エンツォ・タラーショ)の調査を命じられジュリアとパリに赴く。そして指令がクアドリの暗殺に変更され、マルチェロとジュリアの前に教授の妻アンナ(ドミニク・サンダ)が現れる…。ベルトルッチの第7作。 | [投票] |
★3 | 小説吉田学校(1983/日) | 昭和23年。焼土と化した日本でGHQの統制下、産まれては消える政権の中で吉田茂(森繁久彌)第2次内閣は誕生した。吉田が官房長官に抜擢した佐藤栄作(竹脇無我)に問う。「この吉田が総理として何をやろうとしているか。」緊張の面持ちの佐藤に吉田が言い切る。「講和だ。日本の独立だ。それが出来るのはこの吉田しかいない。」昭和26年。朝鮮戦争が勃発し俄にGHQは講和に賛成の意志を示したが付帯条件として日本の再軍備を要求してきた。断腸の思いで警察予備隊の設置を飲んだ吉田であったが、一方で政敵、鳩山一郎(芦田伸介)の追放解除で情勢は風雲急を告げる。しかも鳩山の背後には謀將、三木武吉(若山富三郎)の影がちらつく…。森谷司郎の遺作。 | [投票] |
★3 | 天使のはらわた 赤い教室(1979/日) | ポルノ雑誌編集者の村木(蟹江敬三)は保養に来た温泉町でブルーフィルムを観て映っているレイプされる女に釘付けになる。東京に戻って女を捜してはみたが見つけられなかった。そんな或る日、たまたま撮影で行ったラブホテルで受付をしている女、名美(水原ゆう紀)に会う。雑誌のモデルになってくれと頼む村木。しかし、名美は拒否する。件のブルーフィルムは、名美が学生時代に実際にレイプされたところを撮られたものだったのだ。以来、彼女の人生は転落の一途だという。しかし、村木は必死に口説いて翌日に会うことを約束させた。だが翌日、警察に呼び出された村木は約束の時間に行けなかった。名美は消え、3年の月日が流れた…。シリーズ2作目。 | [投票] |
★3 | 続・新悪名(1962/日) | 敗戦の余韻冷めやらぬ大阪に戻ってきた八尾の朝吉(勝新太郎)は靴磨き少女ひろみ(赤城まり)を親方の横暴から救い、又とある縁で知った女剣劇一座の淳子(近藤美恵子)が小屋主の玉島(遠藤辰雄)から興行許可がもらえず困ってると知り交渉に出向くと用心棒をしている清次(田宮二郎)と再会、玉島も説き伏せる。興行は成功したが、実は大磯(杉田康)という男に前払いで金を渡していると言われる。一方、ひろみが歌が上手いのに目を付けた清次は、のど自慢大会に彼女を出場させるが、会場で大磯を見て彼が因島に行くことを知ったひろみは朝吉に知らせる。朝吉は大磯を因島まで追いかけるのだが…。シリーズ第4作。 | [投票] |
★3 | 最も危険な遊戯(1978/日) | 業界最大手の東日電気の南条社長(入江正徳)が第5次防衛バッジシステム導入をめぐる疑獄事件にからんで誘拐された。小日向会長(内田朝雄)からの5000万円の報酬で救出依頼を受けた殺し屋の鳴海(松田優作)は敵の情婦の杏子(田坂圭子)を手なづけてアジトを探り潜入に成功するが南条は暗殺されたのだった。そして、警視庁特捜部の桂木(荒木一郎)は杏子を拉致して鳴海との対決に備える…。松田優作の遊戯シリーズ3部作の第1作で村川透の監督第4作。 | [投票] |
★3 | 人間の條件 第5部死の脱出・第6部曠野の彷徨(1961/日) | ソ連国境でソ連軍の攻撃を受けた梶(仲代達矢)の隊は梶と弘中伍長(諸角啓二郎)と寺田二等兵(川津祐介)を残して全滅し、3人は荒野を歩き出した。やがて一群の避難民たちと遭遇する。慰安婦の竜子(岸田今日子)と梅子(瞳麗子)や落伍兵の匹田一等兵(清村耕次)たちであった。梶の指揮のもと歩き出した彼等であったが飢えから倒れる者が続出。何とか出会った永田大尉(須賀不二男)の一個中隊からはののしられ食物を分けてもらえなかった。一軒の農家を見つけて豚を煮て休息するが民兵に囲まれて竜子は惨殺された…。シリーズ完結編。61年毎日映画コンクール日本映画賞・監督賞・撮影賞・男優主演賞受賞。 | [投票] |
★3 | 愛と死の間で(1991/米) | 1949年。新進作曲家のローマン(ケネス・ブラナー)は妻のマーガレット(エマ・トンプソン)を殺した罪で死刑を宣告される。今際の際にローマンは新聞記者のグレイ(アンディ・ガルシア)を呼んで妻への愛を告げるのであった。1989年。修道院に保護されてる記憶喪失の女性(エマ・トンプソン)がいた。修道院お抱えの私立探偵マイク(ケネス・ブラナー)が呼ばれて彼女を精神病院に連れて行くが、余りの悲惨さに気の毒になったマイクは彼女を自宅に連れ帰った。夜な夜なうなされて叫び声を上げる彼女に当惑のマイク。そんな或る日、マドソン(デレク・ジャコビ)という男が現れ彼女に催眠療法を施すと言う…。ケネス・ブラナーの監督第2作。 | [投票] |
★3 | Aサインデイズ(1989/日) | 1968年。ベトナム戦争たけなわの返還前の沖縄。定時制高校に通うハーフのエリ(中川安奈)はAサインバー(米軍許可の風俗店)で「バスターズ」というバンドを聴いてボーカルのサチオ(石橋凌)に惹かれる。サチオは米兵相手のライブで気分が荒んでおり、エリは犯され同棲し結婚するのであった。やがて「バスターズ」が新しい音楽を志向し始めるとサチオはついていけなく、代わりにエリがボーカルになってスターになって行く。音楽から足を洗ったサチオはトラックの運ちゃんになり浜辺で愛妻弁当を侘びしく食べるのであった…。崔洋一の監督第7作。 | [投票] |
★3 | 日本侠客伝 花と龍(1969/日) | 北九州、戸畑港ではパナマ船への荷積作業の利権を巡って修次(上田吉二郎)率いる永田組と春吉(水島道太郎)率いる大庭組の連合組合が新参の若松の仙吉(天津敏)率いる伊崎組の共同組合と衝突していた。一介の沖仲士の玉井金五郎(高倉健)は生来のきっぷの良さで人望を集め、鉄火肌の妻マン(星由里子)も金五郎にはホの字。しかし、彼の右腕の昇竜と菊の刺青は女刺青師の蝶々牡丹のお京(藤純子)が彫ったものでお京は金次郎を追い回す。そんな中、新旧の組織の衝突が激化、金五郎は伊崎の挑戦に立ち上がる…。シリーズ第9作だが実態は火野葦平原作の「花と龍」の3度目の映画化作。 | [投票] |