A | ★4 | ブレア・ウィッチ・プロジェクト(1999/米) | 主観カメラ2台に限定する手法的制約を如何に切り抜けるかという幾何学的な興味。往々にして妥協と凡庸の陥穽に陥るところだが全く針はブレなかった。こういうのは、ノータリンか強固な意志を持つ者にしか成し得ないのだ。多分だが後者だろう。尊敬する。 | 投票(1) |
A | ★4 | ケイゾク/映画(2000/日) | 80年代アニメとの関連付けは誤読と思いつつ、危難待つ牙城に潜入する前半に『カリオストロ』、構造が崩壊する後半に『ビューティフルドリーマー』を感じた。斜に構えたキザも堂に入り原シリーズ未見でも楽しい。寧ろ背景を想像する余地が余韻を増幅させた。 | 投票(1) |
A | ★4 | コップランド(1997/米) | 警官だけが住む町という設定からして無意味に妙なのに、とことん冴えない男を主人公にしてカタルシス無く、だが何故かイタリア系の1枚看板役者が集結し神妙に演技合戦を展開するという10年に1度のカルト映画。特にスタローンの愚鈍さは涙ものの熱演。 | 投票(4) |
A | ★4 | スウィートホーム(1989/日) | 山城や古舘などのお茶の間タレントを持って来たキャスティングが逆説的にいい。それを伊丹が出てきてぶち壊したのもご愛嬌。海外の「お化け屋敷」ものを日本の風土に移植して曲がりなりにも成功してる。フレーミングのセンスが情緒を排するのだ。 | 投票(1) |
A | ★4 | チェーン・リアクション(1996/米) | 所を変えつつ品を変えの途中までのパノラミックで先が読めない逃避行の展開は佳品『逃亡者』の変奏バージョンでこの監督の真骨頂だろう。往年の『007』的試みを再構築したかのようでもある。序盤のド派手さに比してラストが小さくまとまりすぎたのが難点。 | 投票 |
A | ★3 | リング2(1999/日) | 中田絶頂期であっただけに、超弩級のショッカーは無いが足掻いてもどうしようもない絶望感を漲らせ、菜々子の登場あたりまでは撮影もムードも暗澹たる悲劇性を醸し出して秀逸だった、ただ、終盤がチャチすぎる。形象化されトリックスターは力を失う。 | 投票 |
A | ★3 | GODZILLA/ゴジラ(1998/米) | 遠くから響いてくる足音に胸が騒ぎ、ビルの谷間を行く時の尻尾が又素晴らしい。圧倒的なるものの表現に於いて図抜けている。だが、『インデペンデンス・デイ』丸出しの都市崩壊の繰り返しは許せるとしても、中盤の明らかなヒット作2本の剽窃で一気に冷める。 | 投票 |
A | ★3 | らせん(1998/日) | 喪失感と哀しみに満ちた主人公の設定が良いし、手堅い演出にも好感を持ったが、何分、同時上映された『リング』の恐怖の余韻をブチ壊す安易な「貞子」の解釈で、それが必要以上に本作を不人気にした点は不幸であった。 | 投票(2) |
A | ★3 | ファイナルファンタジー(2001/日=米) | リアルをトレースしただけのCGとしても見入ってしまうこの技術とかけたであろう金と人力は認めるが、借り物ばかりのキャラや設定が所詮ゲームメイカーの馬脚を現す。オリジナルな創造意欲が物語を起動する瞬間が皆無で世界に向けて発信するには恥ずかしい。 | 投票 |
A | ★3 | デビル(1997/米) | 『推定無罪』の惨敗に懲りぬパクラ&ウィリスの斜陽コンビ。相変わらず半端な出来なのだが生鮮ピットの注入が一応の活性化をもたらす。スターというものの潜在力を如実に感じ取れた。フォードも嫌味の無さをこの人ならではで演じ相対する。 | 投票(2) |
A | ★3 | ロボコップ3(1993/米) | 圧政とゲリラ化した地下組織という定番未来図にロボコップ新機能が空飛ぶと来れば有り勝ち過ぎでゲンナリだが、オムニを買収したのが東洋系企業カネミツと言うのが新基軸で面白く黒幕マコ岩松も力演。悪玉東洋人サイボーグブルース・ロックが又良い。 | 投票 |
A | ★3 | ロボコップ2(1990/米) | 前作以上の世紀末的ムードが魅力と言えば魅力だし特撮も上々なのだが、えげつないキャラがオンパレードで余りに遣りきれない気分にさせられる。それが加速され突き抜ければカルティックな評価にも至ろうが御用監督と化したカーシュナーでは限界があった。 | 投票 |
A | ★3 | パラサイト・イヴ(1997/日) | プロットの正誤や手法の選択は置いといてそれなりに気合いが入った前半の演出なのだが、シラけまくる後半の展開への全き無自覚ぶりが相殺。特に情に流される余りに80年代的チープジャパネスクなクライマックスは失笑もの。ただラストは再びしんみり良い。 | 投票 |
A | ★3 | ライジング・サン(1993/米) | オリエンタルとジャパネスクが融合された「変さ」には驚かないが、それだけでは片づけられない底の掴みきれないムード。それは米国経済を席捲していた日本への脅威と一抹の畏敬が根っこにあるからだろう。そういう面では満喫できるがミステリーとしては底浅。 | 投票 |
A | ★3 | マッドマックス サンダードーム(1985/豪) | かの『SW』シリーズが第3作にしてイォークを出して大衆に迎合したような腑抜けぶりが本作にも感じられる。悪も善も知らぬ存ぜずのミーイズムこそがマックスの本懐であるはずなのに、凡ヒーローに成り下がった哀しさ。付け足しの如きチェイスも又哀し。 | 投票(3) |
A | ★3 | ディスクロージャー(1994/米) | セクハラという「売り」を除いたときに浮かび上がる、ギミック無い真っ当な企業内サスペンスを平凡とは思わなかった。クライトンが『ライジング・サン』と連発したこれは面白くは出来てるが、レビンソンの演出があんまり「変」じゃ無い分つまらない。 | 投票 |
A | ★3 | 失楽園(1997/日) | 割り切ってポルノにすべきだったのを下手におしゃれに細工したのがつまらない。表層的とまでは言わないが社会や家族との関係性を絶ち行き場を失った男女の刹那的愛慾地獄は感じられなかった。ただ黒木瞳のところどころ地が出るような台詞廻しは妙に唆る。 | 投票 |
A | ★3 | デモリションマン(1993/米) | 新味の無い未来世界観に新味の無いスタローンで敵役スナイプスにも「悪」のオーラが無く企画段階から大したものにならないと思われるのにハリウッドが金をそこそこかければそこそこ面白くもなる。しかし、それにしても冷凍懲役って懲役になるのか? | 投票 |
A | ★3 | RED SHADOW 赤影(2001/日) | 『サムライ・フィクション』を承前する開巻は最大級の期待を抱かせるのだが、類型な作劇の連続に落胆が募る。そういうパターンをこそ崩壊させてほしかった。ギャグに抗するシリアス、おちゃらけに比する非情が温く均衡が崩れる。役者とスタントの繋ぎは巧い。 | 投票 |
B | ★3 | ギャラクシー・クエスト(1999/米) | お真面目なリックマンやウィーバーに意外性があるという程度の50年代コメディの無毒性再生利用。以上でも以下でもないから幾何級数的な無限逸脱の破綻スパイラルを望むべくもない。これでは閉じた世界で自足する準オタッキー御用達の汎用品だぜ。 | 投票(1) |