[POV: a Point of View]
僕流偏愛邦画傑作選個人的に好きな邦画ベスト100(現時点85)
今まで見てきた邦画のなかで、個人的に特に好きな作品を集めてみました。作品を評価するというよりも、作品世界にいかに浸れたか、という見方なので、やっぱり「偏愛」という方が的を得ていると思います。これからも、邦画を応援していきたいし、良い作品とたくさん出会っていきたいと思います。A:盲目的偏愛。どっぷり浸って這い上がることができないくらい。B:大好き。何も言うことはありません。C:いいぞ! きらりと光るものがあり、一見の価値あり。
C | 異人たちとの夏(1988/日) | 暖かくて懐かしくて泣きたいくらいの郷愁。見ているこちらも、主人公と同化して、戻らないはずの日々にいつまでも浸っていたかった。揺らめきの夏。さまよった夏。癒され傷ついた夏。さようなら…。 [review] | 投票(7) | |
C | 青の炎(2003/日) | 全体が青の色調に統一された透明感ある映像は、少年の内面で渦巻く感情の荒々しさと、すべてを見通したような静謐な心根、が感じられた。二宮和也は、非常にいい演技を見せていたが、少年が曽根を殺す、という最後の手段にまで至った動機が弱い気がした。もっと、少年の内面心理をじっくり描きこめば、傑作になっただろう。松浦亜弥もしっかりした存在感を示し、特に最後の表情は複雑な感情が込められ、心打たれた。 | 投票(2) | |
C | 恋愛寫眞 Collage of our Life(2003/日) | うーん…。甘すぎる採点と思いつつ広末涼子なのでしょうがないか、と。前半の映像美、印象的な構図、感傷的なトーンに統一されていたら、おそらく5点をつけてたはず。アメリカなんかに追いかけていくなよ、と見終わって思った。皆さんのコメントを見ていたらこの監督は「破綻」が当たり前と…。初見だが、あの破綻はかなり居心地が悪く、途中逃げ出したくなった。けど4点。甘すぎるなあ。最後の着地で少し救われた気がした。 | 投票(4) | |
C | 回路(2001/日) | 浮かび上がってくる「孤独」「寂しさ」「恐怖」。ホラーには免疫がないので、何が起こっているのか分からない、けれども、じわじわと迫りくる恐怖には、ぞくぞくした。後半の展開は、一歩間違えば、リアリティの全くない、設定になってしまうところを、何とか踏みとどまったか。そこまで規模が広がっていくのか、というほど、予想をはるかに超えた展開。ここまでやってくれたら爽快。中途半端にまとめるよりずっといい。 | 投票 | |
C | きみのためにできること(1999/日) | 前半はドキュメンタリータッチで、島の生活をそのままなぞったようなゆったりペース。退屈に感じかけたが、我慢して見ていると、だんだん心地よい癒しの空間にはまり込んでいくような気がした。透明感のある美しい映像に、登場人物の心も少しずつ、揺れ動きながらも、定まっていく。 | 投票(1) | |
C | あしたはきっと…(2001/日) | 吹石一恵の演技は、硬くてぶっきらぼうなところが、あまりうまさを感じないのだが、この作品のように、ごく普通の女の子として見れば、それなりに見れるかなと感じた。女の子たちのはしゃぎようには、辟易しつつも、こういう無邪気さは、何となくリアル。恋と呼ぶには淡い感情のやりとり、小さな積み重ねの中に宿る幸せ、ほんのりとあたたかく心を潤してくれた。いいんじゃないでしょうか。 | 投票(2) | |
C | 狗神(2001/日) | 原作の濃密な雰囲気を、「映像」の力で、それなりにうまく表現できていると感じた。制作側はホラーを前面に出したいようだが、断じてホラーではない。上空から山肌を俯瞰する映像や、霧や雲のうねり、和紙を漉く場面、村の閉塞感など、随所に映像に見るべきところがあった。村人たちや狗神の血筋の者たちが、狂気に駆り立てられていく後半は、ハラハラして見ていた。予想以上に良かったのだが。ここではかなり評価低いなあ…。 | 投票 | |
C | 羅生門(1950/日) | 映像から、この時代の息吹、登場人物の荒々しい熱気が、直に伝わってくるような圧倒的なパワーがある。そしてそれぞれの視点から見えてくる違う真実。この手法は斬新で驚いた。これはミステリスピリットに満ちている。三船敏郎の直情系の男気と京マチ子の零れ出す妖しい魅力。ぞくぞくした。 | 投票(5) | |
C | ふたり(1991/日) | 原作のイメージとは大幅に違う作品世界となったが、独特の幻想味溢れる映像は、かなり気に入っている。物語が進むにつれて、この世界から抜け出したくないという気持ちになった。 | 投票(3) | |
C | 洗濯機は俺にまかせろ(1999/日) | 飛び抜けたものがあるわけではないが、篠原哲雄監督の確かな演出力で、安心して見ていられる作品。筒井道隆は確かに朴訥とした青年をやらせたら右に出るものはいない。女性に振り回される役柄が合っているといえば合っているか…。しかし、富田靖子の心情は、もうひとつ共感できなかったというか、理解できなかった。だからこそ男は惹きつけられるのかもしれない。 | 投票 | |
C | つぐみ(1990/日) | 牧瀬里穂が、複雑な心理を内包するつぐみの人物像を見事に演じ切った。『ターン』といい、彼女の演技力を見直さないといけないな、これは。個人的には中嶋朋子の内気な少女ぶりもせつなくてよかった。そして、市川準監督が、つぐみを中心とした日常生活を、静かな眼差しで、「透明さ」を感じさせる作品世界に仕上げた。 | 投票(4) | |
C | blue(2001/日) | 市川実日子のごつごつした表情と堅い台詞回しに、少しいらいらした。地でやっているのか、ただ演技でそうしているのか、どっちなんだろう。逆に小西真奈美の柔らかい表情には、見惚れた。対照的な二人を配することで、作品全体がくっきりと際立つ。二人の会話は語彙が少なく、言葉足らずな感も。しかしそれだけに、思春期のあの何とも言えない繊細な感性が溢れている。 | 投票(1) | |
C | 東京夜曲(1997/日) | 日常の細やかな部分、何気ない感情の機微を言葉ではなく、映像でうまく表現していて、作品の雰囲気は悪くない。しかし、テーマが絞りきれてないためか、間延びした印象を受けてしまうのが残念。最も監督はそれも承知であるのかもしれない。都会に生きる人々の群像劇としてみれば、十分面白いと思うし、もう一回見たらより味わいも増すと思う。 | 投票 | |
C | D坂の殺人事件(1997/日) | 真田広之の鬼気迫る演技が見もの。 | 投票 | |
C | 人斬り銀次(2003/日) | 恥ずかしながら、つぐみが出てなければ、絶対に手に取らない作品だっただろう。だから期待してなかったが、夏八木勲と竹内力のダブルキャストが現在と過去の銀次を、好演。特に夏八木勲の過去を背負った存在感は抜群。「戦争」に対しての、メッセージ云々よりも、まずエンターテイメントとして、予想以上に味わうことが出来たという意味では、成功。つぐみも重要な役回りを演じていたので、個人的には満足。 | 投票 | |
C | はるか、ノスタルジィ(1993/日) | 叙情的でしっとりした作品だ。メロドラマ的な物語が、久石譲の音楽とあいまって、ゆったりと流れていく。『姉妹坂』での音楽の使われ方に、度肝を抜かれただけに、本作品は、ごくまっとうで抑制が効いていて、よかったと思う。勝野洋の過去がだんだんと明らかになるにつれて、見入ってしまった。過去の主人公が現在へと来るSF的設定が、 この監督らしい。尾美としのりは、相変わらず、意味不明なところがあるなあ。 | 投票(1) | |
C | キッチン(1989/日) | 静かで透明感ある映像、深みある闇に浮かぶ灯りの美しさ、主人公たちの囁くような整った会話、独特の世界観に包まれたこの空間は、確かに魅力的。しかし、原作を読んだだけに、「もどかしさ」や「違和感」も、それ以上に感じてしまった。結論としては、この作品、原作を読む前に、映画を見るべきだった!ということ。 [review] | 投票(2) | |
C | ディスタンス(2001/日) | 消化不良のまま終わった…。『幻の光』『ワンダフルライフ』の方が、映画を見ている「幸せ」があった。前半4人の現在が描写され、元信者と出会うところまでは、これからどうなるの?という興味があったが、山中での会話で、興趣が半減。それがリアルといえばリアルなのかもしれないけど。最後も、あんたは誰なの?という感じで、結局理解できずに、スッキリせず。かなり実験的作品で、そこは評価したいし、嫌いじゃないけれど。 | 投票 | |
C | 白い船(2002/日) | 伸びやかな風景と人々の生活が実に心地よく感じる癒し系の作品。かつてどこにでもあったであろう日常の情景、家族や周囲の人たちとの絆。それらが失われつつある現代から見ると、新鮮な感じだ。外部から赴任してきた女性教師の視点を中心に、物足りなさを感じるほど、淡々と優しく描かれている。 | 投票(1) | |
C | 絵の中のぼくの村(1996/日) | 日本の昔懐かしい良き時代を再現したような作品。愛すべき佳品といったところ。 | 投票 |
ベスト100としましたが、作品数はまだ100に達していません。順次加えていく予定ですので、ご了承ください。100に到達したら、それ以上は増やさずに、作品を入れ替えて、より密度の濃いものに出来たらと思っています。
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