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★5仁義なき戦い 代理戦争(1973/日)脅し・スカし・泣きを入れ…日本的擬似家族制度の下、ある時は情愛深く、ある時は敵より卑劣に「親父」は子を翻弄する。ドタバタ喜劇の後味は黒く苦い。小林旭はさすがの存在感。[投票(1)]
★5仁義なき戦い(1973/日)戦争という巨大な暴力を体感的に再現し得たのは『ゴジラ』とこの映画だけ。そして暴力の吹き荒れた跡には悲惨だけではなく、平等と連帯があった。それが一時の徒花だったとしても。[投票(1)]
★5華麗なるギャツビー(1974/米)緑の芝生、白い邸宅、黄色いスポーツカー、色とりどりのシャツ、暗い海峡に点滅する光。「バブル」の風景を描いた映画としては、フェリーニの『甘い生活』と並ぶ出来。音楽も良い― [review][投票(1)]
★5東京オリンピック(1965/日)新幹線のデザインなどにも通じるモダンで端正な映像。祝祭らしい華やかさが、次第に、「坂の上」へ到達してしまった悲哀へと変わってゆく美しさ。戦後の日本で最も格好いい映画はこれ。[投票(1)]
★5妻は告白する(1961/日)運命に屈服するか?それとも、人を殺してでもエゴを貫くか?増村作品らしい突き詰めた難問がヒロインを宙吊りに…。彼女が求めたものは所詮この世では手に入らないものだった、とも思う。[投票(1)]
★5黒薔薇昇天(1975/日)色気とマヌケさを併せもつ谷ナオミのおかげでコメディとしても成功した。顔が仏様っぽいのもいい。いかがわしさと敬虔さが入り混じった女性崇拝映画。しかも、とてもハッピーな映画だ。[投票(1)]
★5大菩薩峠・完結編(1959/日)ファム・ファタールに導かれ、物語は異次元の領域へ。麗らかな田園は冥界に暗転し、笛吹川は異形の姿に。そして、巨大な円環は閉じられる…。昔の人は面白い映画を観ていたものだと感心。[投票(1)]
★5大菩薩峠(1957/日)ゴシック・ホラー時代劇というべきか。遠近法のずれたセットや千恵蔵の無茶な演技やキッチュな脇役陣が、竜之助の狂った世界をむしろ巧みに表している。ティム・バートンが観たら喜びそうだ。[投票(1)]
★5けんかえれじい(1966/日)戦前バンカラ浪漫。バカ共を満載して走るオート三輪の勇姿。散る桜はやがて激しい雪へ変わる。叙情的にして時に怪奇、平気で異界へスライドしてしまう描写も青春映画にふさわしい。[投票(1)]
★5ガルシアの首(1974/米)男らしさを極北まで突き詰めた結果、ニヒリズムとしか言いようのない地点に到達してしまった。ペキンパーにとって、男であることは決して善いことではない。それは禍々しい宿命なのだ。[投票(1)]
★5人情紙風船(1937/日)人気のない真昼の江戸の町をゆく金魚売りはキリコの絵のようにシュールだ。戻りたくとも戻れないその場所にあった平安。山中の厭世はひそやかに通り過ぎる。紙風船に吹く風のように。[投票(1)]
★5ミュンヘン(2005/米)「父であること」と「戦うこと」は切り離せない。しかし一体何と戦うのか?9.11以降、それはもはや明瞭ではない。現実に決然と「否」を突きつけスピルバーグは孤独な戦いを挑む。 [review][投票(1)]
★5洲崎パラダイス 赤信号(1956/日)背の高いビルのないこの頃、東京の空は広かった。そこへ、どうしようもない二人の焦燥・ヤケクソ・欲望の昂ぶりを余すところなく表した音楽が流れる。放浪と無所有への憧れに満ちて甘美。[投票(1)]
★5シャドー(1982/伊)「愛はすべてを癒す魔法の薬」などというお伽話を嘲笑うかのように、愛欲に狂った人々による地獄絵図が展開される。愛とは地獄。しかし、この世にはそれ以上の地獄もある― [review][投票(1)]
★5細雪(1983/日)未婚の娘が従順の名の下に君臨する「甘えの帝国」。外ではもう一つの帝国(日本)が進撃を続ける。来たるべき崩壊は描かれず、この映画は「美しき倒錯による統治」として完結した。[投票]
★5吸血鬼ノスフェラトゥ(1922/独)ムルナウの紡ぐ幻覚にひたひたと浸されるこの快感…。そこには冷たく懐かしい手触りがある。人の心に棲む暗いもの―災いの記憶・超自然との繋がり―それこそは不死のものだろう。[投票]
★5戦国奇譚 気まぐれ冠者(1935/日)伊丹の歪曲の才に驚嘆!時代劇をナンセンスの曠野へ放って自由自在に駆けさせる。冒険と淡い恋。機転と愛嬌。炭酸入りの清涼感。あの髯!着物の柄!愛さずにはいられない![投票]
★5お茶漬の味(1952/日)食べ方が嫌でお箸をバシン!ちょっとやり過ぎ?とびくびく。責められてする子供口調の反論。喧嘩の、夫婦が二人ですることの機微を描く巧みさ。夜のお茶漬けの濃厚さには参った![投票]
★5双頭の鷲(1948/仏)襞飾りと金モールと凝った結髪と浮彫り細工によって飾られるべきもの―君主制とメロドラマ。絵空事に命を懸ける高貴さの他に、淋しい私達の慰めに相応しいものがあるだろうか。[投票]
★5リリー・マルレーン(1981/独)黄昏色の光の溢れる中に、不思議な美しさと痛みがある。メロドラマの甘美。醒めた後の無残。愚か者は常に敗北する―気怠い旋律がそう囁いている。私たちはいつもそうなのだと。[投票]