煽尼采さんのコメント: 点数順
THE焼肉MOVIE プルコギ(2007/日) | 『偶然にも最悪な少年』の些か偽悪的な小憎らしさから一転。だが依然として、ベタな人情話への照れがあるのか、終始淡白な演出。そのクールさを装った態度なりの何かを実現しているわけでもなく、単に焼き具合が足りていないだけの印象。「食」の扱いも半端。 [review] | [投票(1)] | |
ダイアナの選択(2007/米) | 情動をかき立てない「水」の反復や、先に想定された結論から雑に導かれたようなプロットなど、頭で考えた通りに撮っているだけの詰まらなさが目立つ。蜷川実花風の美麗な映像も、この映画が必要としていた筈の生の煌きを捉えるにはあまりに人工的。 [review] | [投票(1)] | |
ホノカアボーイ(2009/日) | からりとした明るい光の下、くっきりと浮かびあがる、静かで平和なホノカア天国。主人公・レオ(岡田将生)の無色透明な空疎さが、人物間のドラマさえも、流れゆく一風景として揮発させる。人物をキュートに撮る才能はあるのだが。 [review] | [投票(1)] | |
ファイヤーフォックス(1982/米) | エンドロールが流れた瞬間、吹いた。あのクリント・イーストウッドが極めて受動的な男を演じているのが新鮮だが、その分、高揚感には欠ける。後半は、味のある陰鬱さも後退し、モーリス・ジャールの通俗的な劇伴が更に追い討ちをかけるB級感。 [review] | [投票(1)] | |
ニセ札(2009/日) | 犯罪のワクワク感と、個々の役者のキャラクター性、人情に機微に訴える犯行動機、アナログな偽造の過程など、積極的には嫌いたくない雰囲気に充ちてはいるのだが。方言指導の不徹底。音楽のベタな挿入。実録物としての演出と解釈してもやはりしつこい字幕。 [review] | [投票(1)] | |
TOKYOレンダリング詞集(2009/日) | 普段の生活の中でも、どこかで聞いたような言葉の切れ端が、その文脈は思い出せないままふと脳裏に浮かぶことがあるが、そんなふうな言葉たちが、これまた普段目にするような街の風景に重ねられて浮かび上がる。 [review] | [投票(1)] | |
ミラーズ(2008/米) | 廃墟化した百貨店の荘厳な造形は素晴らしいのだが、鏡像を使ったアイデアには殆ど新鮮さがない。主人公が家族のために必死になるたびに、却って観客に違和感を与えてしまう脚本・演出のせいで感情移入が阻害され、結果、恐怖感も目減りする。 [review] | [投票(1)] | |
感染列島(2008/日) | 人物造形が多分に記号的。なのでそいつらが血ヘド吐いたり泣いたり叫んだり死んだりしても、大して胸を打たない。感傷的な音楽の挿入にもうんざり。今どきこんな芝居がかった台詞を吐かせる神経も理解不能。 [review] | [投票(1)] | |
ハリウッドランド(2006/米) | 国民的ヒーロー・スーパーマンである事の呪縛に苛まれるジョージ・リーブズの苦悩に映画の焦点が合わされておらず、死の真相を探る探偵の私生活に時間を割きすぎだ。探偵役エイドリアン・ブロディは魅力的だが。 [review] | [投票(1)] | |
皇帝円舞曲(1948/米) | 犬の使い方が一応は面白いが、擬人化過剰気味。どれだけ演技させても所詮は主役二人の恋愛の投映でしかない詰まらなさ。また主役二人が全く魅力的でない。ぶしつけなアメリカ人気質で階級社会に土足で踏み込む品の無さも嫌。 [review] | [投票(1)] | |
白夜(1957/伊=仏) | 幼稚な恋にもそれなりの美しさがあるが、マリア・シェルの俗な顔立ちには繊細さが欠け、世間知らずの小娘が些細な事で泣いたり笑ったりする様には魅力を感じない。彼女を夢中で追うマルチェロ・マストロヤンニの素朴さも、作品の幻惑性を殺ぐ。 [review] | [投票(1)] | |
ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ(2008/日) | 戦闘美少女と、彼女の後ろで怯えているだけなのになぜか必要とされるヘタレな男、という、一つの典型的な物語形式。関めぐみのツンデレぶりと、内在するテーマ性などは評価したいが、時にケレン味を見せる戦闘シーンもどこか日常に埋没気味。 [review] | [投票(1)] | |
ファウンテン 永遠につづく愛(2006/米) | 琥珀色の光による、色彩の統一感。蝋燭、電灯、星、火花、輝く雪、といった、光の粒が無数に散りばめられた画面構成。クッキリ眉の印象的なレイチェル・ワイズの美しさ。神秘的かつ官能的な画作りは非凡だが、内容空虚で劇映画としての強度が足りない。 [review] | [投票(1)] | |
とらばいゆ(2001/日) | 監督が撮りたいのは長回しによる会話劇であり、将棋は二の次だという印象。ヒロインの将棋に賭ける想いは、特に前半では、奥行きを欠いた瀬戸朝香のヒステリックな演技頼みなので却って、夫と言い争う彼女の孤独や焦りに説得力が希薄。 [review] | [投票(1)] | |
L change the WorLd(2008/日) | 原作のキャラクターへの愛も感じられるが、その愛の注ぎ方が原作からずれている面もある脚本。『DEATH NOTE』の魅力である知的興奮は皆無。ダークでクールなゴス的ムードも皆無。松山Lという映画独自のキャラ頼みの、デスノであってデスノでない作品。 [review] | [投票(1)] | |
ザ・シューター 極大射程(2007/米=カナダ) | 長距離射撃が題材なだけに、冒頭から、見晴らしの利く遠大なショットが多い。狙撃の対象を明確に視界に収める事即ち勝利、という公式から必然的に劇中の闘いは主観ショットの奪い合いの様相を呈し、それが物語の主題をも浮き彫りにする。が、ラストはカス! [review] | [投票(1)] | |
紀元前1万年(2008/米=ニュージーランド) | カミーラ・ベルの、鋭角的で濃い眉や、キャラメル色の肌の野性味と、清楚な顔立ち。彼女の美貌と、広大な自然の景観、手間の掛かったCG、これらを大画面で観る愉しさに集中したい。コスチュームプレイとして見れば、衣装や美術のデザイン自体は悪くない。 [review] | [投票(1)] | |
ひまわり(1970/伊) | 冒頭の、向日葵畑とテーマ曲で既に完成している感傷美以上の発展が無いので、殆ど感傷性にのみ奉仕する場面の連続に、後半以降は飽きてきた。反戦映画なんだろうけど映像的に魅力があるのは、空襲シーンで空に舞う火花や、はためく赤い旗に重なる戦場の光景。 [review] | [投票(1)] | |
ダイヤルMを廻せ!(1954/米) | この、数学的なまでの完成度は、激しい場面にすら静的な印象を植えつけるので、緊張感に欠けた俳優の顔の退屈さに災いされて睡魔に誘われる。それはともかく、この作品は、脚本が鍵→ [review] | [投票(1)] | |
秘密の花園(1993/米) | 霧に淡く霞んだ、柔らかな光。暗く閉鎖的な屋敷と対照的な、草花の美しさ。コローの風景画を思わせるロケーション。だが台詞回しやカッティングの忙しなさや、絶好の被写体をフィックス(固定撮影)で活かさず、不必要に動き回るカメラワークには嫌気がさす。 [review] | [投票(1)] |