★5 | キリング・フィールド(1984/英=米) | スクリーンいっぱいに映ったハインSニョールに、こんなに存在感のあるすばらしい顔が欧米のフィルムにアップになったのは、初めてなんじゃないの(歴史的にはしらないが)と、感動したっけ。死臭がし、ヒルが食いつきそうな沼地のシーンも、一生忘れない。 | [投票(2)] |
★5 | ディア・ハンター(1978/米) | デトロイトだかの工業の街の曇天で寒々しいフィルムと、ベトナムの湿気の多い泥にようなフィルムの対比(片方が映っていると、つねにもう片方が頭に浮かんでしまうような構造)が。すばらしいと思った。 | [投票(2)] |
★5 | 恋する惑星(1994/香港) | 香港の裏路地の喧噪、熱気、喧嘩、孤独、失恋、投げやり、秘めた思い、偶然、挑戦、無関心、洗濯物、屋台、そして曇天。でも、日本で観ても、どうしてこんなに共感できるんだろう。こういう街に住みたいとさえ、思わせる瞬間がある。主人公は街かも。 | [投票(2)] |
★5 | マグノリア(1999/米) | 4回観た。ディールでも遊んでるから、なんどでも楽しめる。傷ついて育った男とその男に育てられた娘たちのトラウマ劇。一方で、映画ではどこまでの偶然が可能か、という物語への自己批判の物語かでもある。ラストは最高!こんなアホな人間どもには、こんな天罰がぴったりかも。 | [投票(2)] |
★5 | ベティ・ブルー/愛と激情の日々(1986/仏) | 愛するということは、相手になにが起ころうと、そばにいることなのかも、と、強く胸を打たれた。あるいは、どこまで愛せるか、という試練の映画でもある。ベアトリス・ダルは最高。サックスの音が悲しい。ベネックスは、ここでもコーヒーへの蘊蓄の台詞を入れている。 | [投票(2)] |
★5 | ディーバ(1981/仏) | すべての登場人物が、すばらしい。どれも許しちゃうって感じ。パリの街の色彩が孤独で美しい。歌声の哀愁を増幅させる的確な演出がいい。物語と関係ない「バターは室温でやわらかくしておくんだ」って、ベネックスって必ず食べ物の台詞を混ぜるよね。 | [投票(2)] |
★5 | 8 1/2(1963/伊) | 人は、自分の過去=記憶を、自分に都合良く、あるいは、自分を責めるために、いつも編集しなおしている気がします。その映画は、そういう自分で編集した自分の過去と、いまの自分のものがたりなのかなあ、と感じました。しかし意味より、映像そのものが、面白い。 | [投票(2)] |
★5 | 世にも怪奇な物語(1967/仏=伊) | テレンス・スタンプの表情、空港でのシュールな群衆、テレビのアナウンサー、工事中の道路、光があふれるパーティ、そしてドライブ。さらにニーノ・ロータの音楽。小さい時に観て、取り憑かれた。あとアランドロンの「ウイリアム・ウイルソン」の解剖室もかなり好き。 | [投票(2)] |
★5 | 東京物語(1953/日) | そこだけポスターにしても、じーっとしばらく眺めてしまいそうなシーンだけで出来てる感じ。それが、また、絶妙なタイミングで切り替わってゆくんだから、気持ちいいはず。超モダン。成熟した愛情とはこういうものだ、と見せられた感じ。年老いるのもいいかなあ、って思える。 | [投票(2)] |
★5 | 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964/英) | 手持ち16ミリカメラのドキュメンタリーのような「軽い」「刹那的」な撮り方がすばらしい。銃撃シーンの手持ちのブレとか、秘書といちゃついた後の将軍の鏡の部屋とか、臨場感がすごい。カサベテスの『フェイシズ』とソダーバーグの『トラフィック』をつなぐもの? | [投票(2)] |
★5 | 時計じかけのオレンジ(1971/英) | ゴミの散らかるアパートの入り口、ミルクバー、川沿いのトンネル、作家の書斎、女主人の部屋のペニスの置物、杖、オープンカー、べートーベンなどなど。もう忘れられないものでいっぱい。ところで、なぜか『プリズナーNo.6』とイメージがリンクしちゃうのは、私だけ? | [投票(2)] |
★5 | こわれゆく女(1975/米) | 破滅的に壊れている妻を、怒りながら受け入れる夫に、なんかピュアな倫理を感じて、感動。しかし、ジーナローランズの徐々に壊れてゆく演技は、すばらしい。ポランスキーの『反撥』を思い出した。親指をたてる癖と、ドヌーブの鼻を指ではじく癖。 | [投票(2)] |
★5 | フェイシズ(1968/米) | 羽目をはずしていても、人間はその場にいる人の顔色や目つきを、ちらちらと見ながら、自分のわがままを通したり、あきらめたりする。その繊細で重大な事実が、そのまま映画になった、って感じ。すげー。 | [投票(2)] |
★5 | ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密(2002/米) | これは凄い映画だった。自分へのこだわりの為に一風変わってる女性の人生への深い愛情と、そんな母親を恨みつつ自分を発見しようとする娘への優しい眼差し。『テルマ&ルイーズ』の脚本を書いた女性が監督なのね。台詞が死ぬほどいいし、カメラも控えめだけど的確でいいし。女優陣がひとり残らず素晴らしいかったです。 | [投票(1)] |
★5 | レジェンド・オブ・メキシコ デスペラード(2003/メキシコ=米) | 面白ければいい、というのが、確かな哲学であることを確実に認識させてくれる第2弾!ここで第一回との差異やつじつまなどをどうのこうの言うのは、野暮でしょう。教会の二階からすんなり飛び降りる当たりでもう次元を越えているんだし。それにしても、スラップスティックとカッコよさって共存できるんだ、という事実に打たれました。 | [投票(1)] |
★5 | デスペラード(1995/コロンビア) | ギターを持った殺し屋、といったら、小林旭だと思っていたが、バンデラスがその跡継ぎだったのでした。弾薬を詰め替える時の焦りといい、薬莢のダンスといい、あっさり殺されちゃうアメリカ俳優陣といい、弾丸エンターテイメントの極致です。しかも、ギターのフレーズがまた悲しくていいんだよなー。ご都合主義&勧善懲悪バンザイ! | [投票(1)] |
★5 | グッバイ、レーニン!(2003/独) | 素晴らしい映画でした。観念としてしか語られなかった社会主義を、ひとりの女の、母親の、妻の姿として主観的に描いてくれた初めての映画かも(じゃないかもしれないけど)と思いました。だよね、人間は主義では生きてなくて、そこには生活があるんだもんね。すっごくよく練られた脚本なんだろうなー、激しく感動しました。 | [投票(1)] |
★5 | キル・ビル Vol.2(2004/米) | No1からの続き物でTVシリーズ物の匂いも遊びつつきれいに終わった、って感じ。それにしても、ビルが話しながらサンドイッチをつくるシーンは素晴らしい!。手つきも美しいし、話しとのギャップも素晴らしい。それと、ダリル・ハンナがImmenselyだったかの単語に拘るところもかなり好き。。 | [投票(1)] |
★5 | 刺青(1966/日) | 物語と撮影と美術と役者とその演技が、見事にひとつに解け合った希有な作品。その美しい語り口から恐ろしい物語が次第に明かされてゆく手際の良さに、つい極悪な所業なのについ想いを寄せてしまうほど、この若尾文子の美しさにはちゃんと理由がある。身を滅ぼしても良いとさえ思う甘い毒って、こんな感じなんだろう、と思った。 | [投票(1)] |
★5 | 天井桟敷の人々(1945/仏) | 典型的なキャラなんて一人もいないのに、それぞれが一生忘れられないようなキャラとして確かに存在している奇跡のような映画。あるべきものが、そこにあり、起こるべき事がそこに起こる、その予定調和をあざ笑うようなストーリーは、ほとんど実人生のようだし。こんなに面白い映画つくれるなんて、想像もできなかった・・(笑)。 | [投票(1)] |