随分と沢山書かれたこの「タイタニック」についてのコメントを読んでいると、ケイト演じるローズの、ものすごい叩かれようにビックリしました。

ワガママで高慢で少女趣味で生への執着心が並大抵ではなくて…。

そうか。そうなのか。そうだったのか…。

？？？

それは。ち、違うんではないの？

そうですね。愛する男性を板にも乗せず、自分だけちゃっかり乗っちゃって。アンタはそこまでして助かりたいのか？

けれども私はローズの取った選択は間違ってはいないと思うのです。「生」への執着。それはいけない事なのでしょうか？愛する人が「生きろ」と言う。その事をしっかり守り、逞しく生きていく。ローズとは強い女なのです。弱い私には到底真似出来ませんけど。

ローズに違和感を覚えるのは、そのような強い女性が今、少ないからだと思います。

男を踏み台にしてまで生き残った女。男性から見ればそりゃもう許せない存在でしょう。けれども。申し訳ないのですが、それはほんの少しばかり男尊女卑の傾向がないでしょうか？「女のくせに」という考えがないでしょうか？

あのような強い女が巷に溢れれば、男性としては面白くないのかな？などと少し勘繰ってみたりした訳です。そのような事を全く思わずにローズを非難していた方には大変申し訳ないのですが。

私なんかはローズは人間として何も間違った事はしていないように思えるんですよ。

もしもあの時、すでに息耐えたジャックを見て自分もポチャンと海に浸かり、共に沈んでいったとしたら…。私だったらふざけるな！と思います。あれだけ沢山の命が消えた惨事です。生きたくても生きられなかった人が沢山いるのです。それをアンタは助かる可能性があるのに、自ら死ぬのかよ！自殺かよ！と前の座席を蹴るくらいに勢いよく席を立ち、劇場を後にしたかも知れません。

また逆に、自分が海に浸かっていたとして、愛する人が板に乗っていたとしたら。私だったら何がなんでも愛する人に生き残ってもらいたいです。二人で共に死のうなんて、絶対思わないです。自分の命を踏み台にしてでも愛する人には生き残ってほしい。そうは思いませんか？

共に死ぬなんて言う方が「生」を馬鹿にしきった結末じゃないでしょうか。私はあの二人が取った行動は正しいと思う。他の乗客はどうなるんだ、なんて事はここでは問うべき問題ではないように思う。それぞれがそれぞれの「生」に必死になってしがみついている時に、隣の人に気を遣う余裕はあるのでしょうか。それこそお涙頂戴の夢物語じゃないでしょうか。私はこの映画、どこも間違った所はないと思うのです。