[コメント] カールじいさんの空飛ぶ家(2009/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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「悪役は要らなかった!!」
冒頭の出会いのシーン。二人が結婚して人生を歩んでいくシーン。別れのシーン。もちろん最高だった。
そして主人公が現在置かれている状況を描くシーン。これも実に巧い。個人的にお気に入りなのは、朝起きて2階から1階に下りるシーン。じいさんが「カルメン」にのって右上から左下にゆっくり(1回止まって)下って行くのがこんなにも気持ち良いなんて!
この前半部分に感動できるのって間違いなく大人だと思う。ラッセルの可愛さを理解できたり、「どっちが長く黙っていられるかゲーム、ママとよくやる!」に笑ったり・・・も大人だと思う。
だからこそ、今回に関しては「悪役は要らなかった!!」
大人になると、正直あのようなわかりやすい対決図式には飽きてしまっているし、安易だな、とさえ思ってしまう。ただピクサーとしては子供を楽しませるため、物語に起伏を持たせるため、悪役との決闘は必要だったんだろう。
でもなあ。今回は悪役がいなくても成立した話だと思うんだよなあ。
特にこれまで何度も素晴らしい脚本を書き、巧みな演出で我々を楽しませたピクサーなんだから、悪役抜きでも楽しい冒険劇に出来たはずだ!と、どうしても思ってしまう。カールじいさんとラッセル、こんな愛すべきキャラがいるんだし(主要登場人物は彼らだけでも良いぐらいだ)。
ちなみに私がジブリ作品で一番好きなのは『となりのトトロ』である。理由は、誰も悪い人がいないのに、あんなにも面白い冒険劇だから。
だからこそ、ピクサーにもきっとできる、いつかやってくれる、と期待したい。
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