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[コメント] 悪童日記(2013/独=ハンガリー)
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★5真正の『地獄でなぜ悪い』。好むと好まざるとにかかわらず地獄に叩き込まれた双生児は、パパとママのいい子である過去を脱ぎ捨てて冷徹で狡猾な大人のオーラを漂わせるに至る。「戦争のせい」などとは言わない。双生児の望んだことは地獄に順応することであり、その目的のためなら裏切りも制裁も厭うところではなかったのだ。 [review] (水那岐)[投票(4)]
★5子供たちが親からも親族からも実質的に見放され、過酷であれ、それでも生きていくという人間の絶対的な本質部分を黙々と淡々と、そしてロングショットを多用して客観的に描いてゆく。その荒れ野に放たれた野生の少年たちの生き様からは人間の根源を見る。 [review] (セント)[投票(3)]
★5感情移入も感動も拒否するように淡々と進む、いかにも東欧映画。それがとても心地よいし、何より実にアゴタ・クリストフ的であるのがすばらしい。原作ラヴかつ映像化不可能と思っていたので心配しながら観ましたが、大丈夫でした。それだけでも評価が高くなって良いと思います。 (月魚)[投票(2)]
★5原作ファンとして、この映画に、私は満足しました。双子の造形も、流れている雰囲気も。続編を期待します。 (もがみがわ)[投票]
★4過激な言葉が充満した、ゴダールの見え隠れする作品。どうせならテロップで画面を覆うぐらいのことをしてもいいのではなかったか。 [review] (寒山拾得)[投票(2)]
★4ナチ支配下の東欧で状況を見つめる双子の冷視線は否応なく『ブリキの太鼓』のトリックスター少年オスカルを連想させるが、言うほど弾ける訳でもない。真摯な作風は原作への遠慮の裏返しとも言え、それは映画としてどうなのかとも思う。毒のブローアップ不足。 (けにろん)[投票(2)]
★3原作がほとんど文体の戦略でもって成り立ったような小説だけに、小説はいかに映画化されるべきかという昔ながらの問題が一入に顕在的だ。要するに、人物や風景が実在感を伴って表象されるのは映画の主要な武器だが、創意工夫もなしに小説『悪童日記』にそれを適用するのは果たして賢明の策だったろうか。 [review] (3819695)[投票(4)]
★3原作は翻訳本発行時にすぐに読み、かなり魅了された。二作目、三作目とも同様に発売を楽しみにして追いかけたクチだ。しかし、それ以来、再読していはいないので、正直、細部は、ほとんど忘失してしまっているのだが、この映画は、第一感、綺麗過ぎる、と思った。 [review] (ゑぎ)[投票(2)]
★3架空の舞台を裏打ちするべく凝縮された美術が物語の背景として定着せず分離している。人々の動機となる生活の艱難が豊饒な画面からは実感できず、もっぱら困難は言葉で説明されている。 [review] (disjunctive)[投票(2)]
★3現実の浸食を拒む自衛心が、非情な意志に育つまでの話。これを歪んだ成長とは呼べまい。双子は置かれた環境のなか、忠実に母の「強くなれ」という教えを守っただけで、歪んでいるのは世界の方なのだ。少年の面構えと、乾いた陰影を映すC・ベルガーの撮影に戦慄。 (ぽんしゅう)[投票(2)]
★3悪童というより、愚童だね。殴り合ったり、絶食したり。子どもらしい愚かしさであるとは言えるが。 [review] (G31)[投票(1)]
★3またしても大人の都合で振り回されてしまった子供。「魔女」対「メス犬」によって強くならざるを得なかった双子を主役に据えてはいるものの、母娘の強さと弱さ、自立の物語。そして、男どものなんとザマの悪いことか。 (jollyjoker)[投票]