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けにろんさんのコメント: 投票数順

★4ゲーム(1997/米)この監督ならラストはきっとこうなるという予見を完全にはぐらかされた。ピシッと膝打ちそうこなくっちゃと思う。後で考えてみりゃあこういう裏切り方以外にどう終わっても予定調和と感じただろう。裏の裏の衒いなさが通用するフィンチャーの現代御伽噺。[投票]
★3水の旅人 侍KIDS(1993/日)NHK教育の幼児向けドラマのようなチープな絵作りがそれなりに味わい深く、それを全篇全うすることで題材に見合う世界を表出し得てるとは思うが、『デンデケ』以後の大林マイブーム手持ちカメラのブレ映像のしつこさが世界の完成を阻害するのもご愛嬌。[投票]
★3シッピング・ニュース(2001/米)放蕩妻と先祖の各々奇矯な話は主人公の再生の物語と有機的に繋がってないので事象を羅列しただけの印象にしかなっていない。いずれにしてもこんな他力本願親爺では自己再生なんて程遠く、「癒し」という流行言葉の舐めたクソ本質が露呈される結果となった。[投票]
★4ケープ・フィアー(1991/米)鉄壁のスタッフを揃えてスコセッシがジャンル映画に於ける技巧の限りを愉しもうとした映画なんだと思う。さすればサイコものとしての緩さは許せるが、にしても後半の緻密さの崩壊は惜しい。デ・ニーロは予測範囲内だしノルティはミスキャストだ。[投票]
★2大怪獣バラン(1958/日)攻防戦に徹したと言えば聞こえが良いが、こうも安易な出来合いニュースフィルムを連チャン使用されるとシラけるだけだ。自衛隊のPR映画かと思うくらいで、それはそれで構わないのだが、そう思って観ても出来が良いものではない。大体バランの造形が凡庸。[投票]
★1夢みるように眠りたい(1986/日)映画を描いた映画は得てして陥る閉じた世界に細心の注意を払わねば鼻持ちならないものになる。土台それは自己愛に塗れたものだから。これは余りに陳腐な昭和初期への似非ノスタルジーだけがその術なので救われない。もっと己を曝け出してからもの言えと思う。[投票]
★41900年(1976/独=仏=伊)デ・ニーロドパルデューを立てても主人公2人の役回りが受け身過ぎランカスターヘイドンが舞台を去ってから構造の脆弱さが露呈する。ベルトルッチの本質はコミュニズム勃興の裏でファシズムの走狗となった個に否応なく感応するから。[投票]
★4スワロウテイル(1996/日)行き詰まりが顕現した時代の混沌と足掻きを捉える岩井の皮膚感覚は正しい。ごった煮アジアンテイストの器の中に、この架空の街をまがりなりにも創造した努力も買う。しかし後半は恐ろしく陳腐化して70年代東映アクションの薄っぺらさになってしまった。[投票]
★3007/ムーンレイカー(1979/英)半端に宇宙という要素を加味したのが虻蜂取らずの浅薄さで、敵ジョーズを執拗にフィーチャーし続けるに至りギャグ映画へと転換する。ギルバートの取り組みは前作と違わぬ真面目な大構えなのに伝統的「スパイ映画」というジャンルさえも逸脱してしまった。[投票]
★4Versus(2000/日)ショット内で催される茶番の持つエナジーと強度が唯一無二のアングル選択と奇跡的とも言える編集の冴えで増幅される。低予算「自主」を逆手に取った恥も外聞も無い何でもアリ世界で見栄と虚飾で塗り固めた力業の凝縮。北村龍平にとって最初で最後の傑作。[投票]
★3狂わせたいの(1997/日)リンダみちよの70年代歌謡に郷愁を感じたかったのだが刑務所の面会所での「他人の関係」だけが強烈に画面とフィットしただけで、あとはどうも何か違う感じだ。寺山の暗部とフェリーニの陰部を足し廉価に俗で割った挙句に内向している。[投票]
★3担え銃(1918/米)後の『独裁者』で巨視的・複層的な展開を見せる題材としての戦争だが、芸としてのギャグが豊富ではあるにしても手放しでは笑い切れない。傍観者的ポジションでのアプローチであって未だ怒りの萌芽は無いのだ。当然サディスティックでもなくペーソスも無い。[投票]
★5ラヂオの時間(1997/日)テキトーの屋上にいいかげんの屋を架す連鎖がこれ程までに米スクリューボールコメディのスパイラルテイストに迫り得た事に驚愕。情に棹さすかに見えて驚くほど乾いてもいる。豊富な小ネタの冴えもあるが匂いを纏う井上順布施明の仕込みが効いてる。[投票]
★3クローン(2001/米)それなりのビジュアルは見せるものの、こういう未来絵図は『ブレードランナー』以降正直言って食傷気味。主人公と妻や親友やスラムの人々達との関わりが全てもう1歩描き足りないので思うほど盛り上がらないしラストの感銘も弱い。もう少し浪花節でもいい。[投票]
★3グッバイガール(1977/米)メイスンカミングス母娘にまつわる話は素晴らしいし愛おしいとも思える。両者の演技はキュートそのものだ。だが一方でドレイファスの奇矯なキャラクターが何とも鬱陶しい。作り込みすぎだろう。もっとストレートに愛の歌を紡いで欲しかった。[投票]
★3ブロークン・アロー(1996/米)鈍重な役者たちと辟易するCGの汚濁にまみれて香港の鬼才はハリウッドの大量生産公式に飲み込まれてしまった。最早どこにでも転がってる凡百のアクションのひとつにしか過ぎない。それだけに申し訳程度に見せるジョン・ウーの印の片鱗がかえって侘しい。[投票]
★3モンスターズ・インク(2001/米)余りに単調で毒の無い40年代的ハートウォーミングコメディを2001年にそのまま出してきた時代錯誤な能天気に鼻白む。「ふさふさ」で「ぷよぷよ」した可愛いモンスターと言葉が覚束ない子供のキャラクターはマーケットを意識したマニュアル的うんざり感。[投票]
★2グリマーマン(1996/米)私はセガールは好きです。大阪十三に住んでたと聞いただけで親近感がわきます。どこにでも転がってる単なる女好きのおっさんなのに、何故か本人は世界で一番グレートと思い込んでるような勘違い振りが堪りません。でも、この映画は最低につまらないです。[投票]
★3トゥームレイダー(2001/米)このアクションは安全地帯に居て決めポーズだけ悦に入ってやってる感が拭えない。洒落臭いことこの上ない。もっと泥にまみれて地を這ってみろと言いたい。又、男勝りにクールで強いくせに乙女チックに親爺の命日に浸ったりするのが表層的でプロトタイプ過ぎ。[投票]
★4クライング・ゲーム(1992/英)表通りを歩けないから裏を歩いて片隅で生きる。そういう感じが巧く出てる。スティーブン・レイの情けなく冴えない風情がこれ又その状況を体現してどんぴしゃのニュアンス。そして唯一無二とも言えるジェイ・デビッドソンの存在が涅槃道に輪をかける。[投票]