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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★3明日は月給日(1952/日)川島喜劇と松竹ホームドラマの奇妙な混淆物。老け役の日守新一による詠嘆は決して悪くないけど、前年の『麦秋』と比べれば腰が浮いていて見劣りがする。当然だろう、川島喜劇は腰が浮いているのが特色なのだから。 [review][投票]
★0グラマ島の誘惑(1959/日)史実の過密着パロディなのだから、アナタハン島事件について何も知らないで点数をつけるのはフライングなのだろう。機会を設けて勉強したい。森繁を圧倒する宮城まり子の怪演が素晴らしい。[投票]
★3接吻泥棒(1960/日)好ましい喜劇で新珠三千代が冴えまくっているが、総じて型にはまっており、パクリを自白するかのように科白で引用される『グッドバイ』のほうがずっと面白い。[投票]
★3東京マダムと大阪夫人(1953/日)木造平屋建の二戸一住宅に連なる白ペンキの柵、転圧された道路の片隅で飼われるアヒル。オイルショック以前は、公園や学校でやたらとアヒルが飼われていた。あれは何だったのだろう。 [review][投票]
★5北朝鮮強制収容所に生まれて(2012/独=韓国)インタヴューとソウルの光景とアニメだけで鈍痛のような衝撃を観るものに与える、余りにも純文学的な傑作。 [review][投票]
★5人も歩けば(1960/日)笑いだけが残る煙のような喜劇。 [review][投票]
★3還って来た男(1944/日)冒頭の階段や子供とともに町屋を疾走するキャメラなど、川島印を追うだけで愉しいのだが、話は散漫。大風呂敷をまとめてしまう腕力は見られない。織田作への遠慮だろうか。 [review][投票]
★2まごころ(1939/日)水着姿で寝そべる小学生の背中を延々撮って、当時の観客も萌え萌えだったのだろうか。こういうのは生理的に駄目。大正浪漫全開の少女小説と日本刀マニアの出征に、ヤルセナキオもなすすべなしという感想。[投票]
★3濡れた欲情 特出し21人(1974/日)思いっ切り散漫にやろうという狙いは好ましいが決まらない。アングラ劇のパフォーマンスほか、ギャグが余り面白くないのがどうにもいけない。W主演が豪華。[投票]
★2土と兵隊(1939/日)本物の火器でバンバンと敵基地を破壊するモノホンの迫力たるやとんでもないものだ。 [review][投票]
★3男はつらいよ 寅次郎紙風船(1981/日)テキ屋の生態に介入するかと思いきや肩すかし。同窓会と二人のゲストと、三つの筋書を併置して2時間に纏めましたという手際だけが見えて深みがなく、いかにも喰い足りない。岸本加世子の馬鹿っぷりは見事、彼女に救われている。[投票]
★5歓呼の町(1944/日)「今の若者は、辛いことに耐えるぐらい平気だよ」 [review][投票]
★3眠狂四郎無頼剣(1966/日)藤村志保が魅力的だし、伊藤−三隅による大屋根の決闘が悪かろうはずもがないが、六十万江戸庶民のためなどという唐突な抽象を60年代に呟かせる辺り、大映のスタンスが垣間見え、控え目に云って興味深い。[投票]
★5ひとりで生きる(1992/仏=露)霧にむせぶ撮影の美しさが際立っている。男の尻をあれだけ撮って美しいとは、これは凄いことではないだろうか。物語の文法も画期的、これほど面白い続編があっただろうか。 [review][投票]
★3男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎(1981/日)浪花の恋の物語』に見向きもしないので肩すかしを喰らう。ふみの弟の件はしみじみとしていいのだが、これといつもの類型的な話が繋がらず脱線に見える。串カツブーム直前の新世界と、何も演技しない松鶴師匠が記録されているのが貴重。[投票]
★2ギプス(2000/日)可愛い頃の尾野真千子鑑賞用作品。掴みはよいがスッポ抜けの暴投のように展開が強引だし、そもそも構図に一片の才能も感じられない。私は凡庸な監督だと思いますよ。[投票]
★2天国の駅(1984/日)冒頭の「私、きれいですか」なる印象的な告解は、なんと最後まで顧みられることがないのだ。早坂某は本当に駄目。観光案内系の撮影にもゲンナリ。切符売場の件にかろうじて映画の閃きがあったので1点加点。[投票]
★2ちゃんと伝える(2009/日)ため息が出ちゃうほど平凡なお泪頂戴もの。毒を吐かない園子温とは魅力的な組み合わせに思えるが、結果は昼メロ以下。何も伝わらない。 [review][投票]
★4十九歳の地図(1979/日)閉塞感の突破先に右翼を提示した、70年代の終わりを象徴する歴史的作品。その後の「右翼」中上は本作のパロディに見えたものだ。『赤い教室』と並ぶ蟹江敬三の傑作でもあった。雨に流れる牛乳のエロスが侘しくも生々しい。[投票]
★2メメント(2000/米)毒が薄く、顛末が他人事にしか思えない。我が事のように戦慄させられる体験は得られず、よくできた謎々が解けた後はなあんだという感想に似ている。話の前提となっている、妻殺しには復讐するものだというアメリカの常識のほうがよほど毒々しい。[投票]