寒山拾得さんのコメント: 投票数順
風前の灯(1957/日) | 佐田啓二と凸ちゃんの夫婦喧嘩の最中に、下宿人が合唱するおいら岬が隣室から聞こえてくる。満員盛況のオールドファンから怒涛の如き爆笑が起こり、まるでこの騒ぎにはぐらかされたかのように喧嘩は水入りとなった。 [review] | [投票] | |
ヘンリー五世(1945/英) | 面白いのはもっぱら原作の、シェークスピアらしいいつもの長広舌。「戦争で切られた手足や首が、審判の日に集まって王を呼び出すだろう」 [review] | [投票] | |
みかへりの塔(1941/日) | 「どっか行っちゃおうか」と山の池辺りを放浪していると塔の鐘の音が聞こえて施設へ帰ってきてしまう善ちゃんと信ちゃん。夢遊病みたいな子供の頃の記憶を甦らせてくれる。 [review] | [投票] | |
秋のソナタ(1978/スウェーデン) | 主演俳優の表現の巧拙は、いかに全体を通して起承転結をつけるかにかかっているのだと、名優ふたりに丁寧に教えてもらった。タイトルバックの美しさが主題を優しく包んでおり、これも印象に残る。 | [投票] | |
妻として女として(1961/日) | 風俗映画の体裁でギリシャ悲劇を観せられたような遣る瀬無さが残る。キメの場面で派手に陰影が強調されるが、主題に沿っているからこそ巧みと思わされる。あと、冒頭の飯田蝶子と凸ちゃんの謡がとてもよい。 [review] | [投票] | |
ブラザー・フロム・アナザー・プラネット(1984/米) | 沈黙と饒舌の組み合わせは沈黙だらけのジャームッシュほど刺激的でなく、移民局を騙る二人組も盛り上がりに欠ける。従前のハリウッドを超える作品じゃない。薄汚い頃のハーレムの描写と地下鉄のマジックは印象に残る。今から白人がいなくなります。 | [投票] | |
簪(1941/日) | 暇人のダラダラは時局に鑑みれば挑発的であるが、出来としては『按摩と女』から随分な後退。河原でのラジオ体操や寺の石段のショットなど秀逸だが、如何せん淡泊。冒頭の脱落している田中絹代の科白が重要だったのかも知れない。 | [投票] | |
ブラザー・サン シスター・ムーン(1972/伊) | ヒッピー・ムーブメント=米ニュー・シネマ系のひとつの達成だろう。お花畑と貧しい娘、裸一貫の男。あの時代にしか成立しない映画(本当?)だが、なんといい時代だったことか。 [review] | [投票] | |
太陽(2005/露=伊=仏=スイス) | この半可通は戦争への加担を個人的な感傷に矮小化する標本オタクとして昭和天皇を描くのだから恐れ入る。鶴など闖入させて気味が悪い。 | [投票] | |
肉体の門(1964/日) | センチな清順。意外にマジだった。棚田吾郎は「星の流れに」が主題歌だった『こんな女に誰がした』の脚本も書いている。宍戸錠の回想と共に歌われる「麦と兵隊」に泣かされる。友を背にして道なき道を、行けば戦野は夜の雨。 | [投票] | |
黒い画集 第二話 寒流(1961/日) | 堀川作品が素晴らしかったから、比較すると見劣りがする。仕方ないよ、同じ穴のムジナじゃないの、と思ってしまう。配役は素晴らしく、池部良が初めて名優に見えた。感情を表に出さないのが哀れを誘う。 [review] | [投票] | |
OK牧場の決斗(1957/米) | バート・ランカスターはただのむっつりスケベだし、野営の襲撃はただ起きていただけだし、ロンダ・フレミングの造形はこれ以上ないほど鬱陶しい。『荒野の決闘』と比べるレベルにない凡作。 | [投票] | |
山河あり(1962/日) | ともかく音楽が酷い。観客の感性を全く信用していないらしく、物語の補足に汲々として煩いといったらありゃしない。最悪である。冒頭のサトウキビ畑はじめ前半の日系ハワイ移民の描写は興味深く、後半はやり過ぎだが凸ちゃんのダンスの哀れさは怒気迫る。 | [投票] | |
鏡獅子(1935/日) | 首がもげるのではないかとヒヤヒヤした。門外漢には採点不能。 | [投票] | |
ローズマリーの赤ちゃん(1968/米) | いいんだがこの映画、誉められ過ぎ。黒魔術の薀蓄や的確な心理描写に富んだ無茶苦茶面白い原作のダイジェスト版に過ぎず、ミア・ファローを主演に置いた慧眼と、電話ボックスの件の巧みさ以外に、小説を超えるところがない。 | [投票] | |
月山(1979/日) | 山のひと冬の描写とともに、放浪者と寺男の出会いなどがしみじみ描かれるが、これだけなら本作を『月山』と呼ぶ意味があるのか疑問。 [review] | [投票] | |
或る夜の殿様(1946/日) | 快活でおきゃんな山田五十鈴を愉しむ映画。ネタは早々にバレるが、割とどうでもいい。時代が変わっても正義漢しか演じられない藤田進が道化に見え、可哀想な役者だと思う。 | [投票] | |
月夜の宝石(1958/米=仏) | 赤いオープンカーでの逃走をはじめ、ラストシーンに至るまで、ゴダールネタが散見されるのに驚く。これって有名な話なのだろうか。内容はまさにヌーヴェルヴァーグ以前、スペインの田舎の風物が美しいのはいい。 | [投票] | |
まわり道(1975/独) | 家来が増えていく道中記、桃太郎みたいだが鬼ヶ島を目指す訳でもなく。 [review] | [投票] | |
三百六十五夜(総集編)(1948/日) | 本筋はメロドラマだが、山根寿子が(いつものように)冴えず邪魔。悪役凸ちゃんメインの無国籍系バカ話で通せば、60年代日活を先取りした傑作になったろうに。 [review] | [投票] |