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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★4救いの接吻(1989/仏)自分自身の映画の役をアネモーヌから取り返すブリジット・シイ。この初期設定がとてもいい。例えば小説ならこんなことはできない訳だ。 [review][投票]
★4ギターはもう聞こえない(1991/仏)愛だの記憶だのおフランスな男女の会話ばかりが延々繰り返されるだけの映画で極北感果てしなく、これより先はデレク・ジャーマンしか残っていないだろう、参ったとしか云いようがない。[投票]
★3黒蜥蜴(1962/日)冒頭のS女振りは時代的に『痴人の愛』以来の衝撃だっただろうし、男装のダンスはSKD時代を彷彿とさせる訳で、京マチ子の尖がった立ち位置を回顧させてくれる作品なんだろう。序盤の三島雅夫の馬鹿親父振りも強烈。他は地味。[投票]
★2征戦愛馬譜 暁に祈る(1940/日)この軍国歌謡は厭戦歌という評価もあるらしいが映画もそんなもので、忠孝が謳われる訳でもなくただお互い苦労しているなあという感慨が松竹らしく語られるとも取れるが、その語りはいかにもたどたどしい。 [review][投票]
★3シューマンズ バー ブック(2017/独)ブニュエルまで登場していろんな薀蓄が並べられ、それぞれ愉しいのだけど、幹となるべき主張は散漫。人間嫌いのバーテンダーというまとめで良いのだろうか。[投票]
★3ファジル(1928/米)かっちり撮られた悲劇だが、昔よくあるブルジョア趣味でアラブ世界を出鱈目に描いた感拭い難く、二人が惹かれ合うのはセックスの相性が良かったせいだろうという詰まらぬ感想しか出てこなかった。[投票]
★2僕は戦争花嫁(1949/米)ホークス喜劇の珍しい駄作。主演ふたりの掛け合いに終始してモノローグ的で、いつものポリフォニックな狂笑が見当たらない。宿屋の件などはまだいいのだが、タイトルネタをこねくり回すだけの後半は空振りの連発。 [review][投票]
★4次郎物語(1941/日)話は定番を出ないがキャメラがとてもいい。絵心に溢れときに意欲的でミゾグチを彷彿とさせる。 [review][投票]
★5特急二十世紀(1934/米)ホークス・チーム第1作から完成され切ったスクリューボールで箆棒なものだが、さらに凄いのが画期的と思われる物語話法。普通はホロッとさせるのは終盤だろうに、本作はこれを序盤に当てはめて全く無理がないのだ。 [review][投票]
★2キープ・クール(1997/中国)掴みのチアン・ウェンチュイ・インへの猪突猛進はとても面白いのに、リー・パオティエンとの掛け合いになる中盤以降は退屈。ギャグは古典的に過ぎるし、ひとつのシークエンスを幾ら何でも引っ張り過ぎだろう。 [review][投票]
★3天が許し給う全て(1955/米)らしい色彩感覚が堪能できるし、なかでもワンショットで落葉を示す樹木のショットはアニメーションなんだろう、見事に決まっている。ハーレクインな年の差の物語は、これを極端にすればカウリスマキだなあという感慨はある。 [review][投票]
★4をぢさん(1943/日)翼賛町内会で無私の精神を発揮する河村黎吉を小馬鹿にする処に池田忠雄の節操を感じる。喜劇としては弱い。 [review][投票]
★3猛獣使いの少女(1952/日)新憲法発布の年に撮られた日米境界線上に展開される象徴界の葛藤と見れば随分刺戟的なメロドラマ。猛獣とは岡譲司の日帝に他なるまい。 [review][投票]
★3愛國の花(1942/日)日本的な集団主義のなかでいかに戦争参加の主体は立ち上るかが、見合いの風習をトレースして語られている、と見ればとても興味深い美談版『赤い天使』 [review][投票]
★4ロビンソン漂流記(1952/米=メキシコ)ブニュエル史上突出して爽やかな作品。「人食い人種」や主人と奴隷をあけすけに描くにあたって彼ほどの適任者が他にいるはずもなく。哀れなワンコは本当に殺しているのではなかろうか。[投票]
★3神様のくれた赤ん坊(1979/日)こういうイモを偏愛するのが邦画ファンのあるべき姿と心得てはいるつもりだがこれではあんまりである。爺婆の慰みものに過ぎないのではないか。 [review][投票]
★1空軍(1943/米)本邦から眺めれば何かと文学的な真珠湾奇襲は、アメリカから見れば竹を割ったような非道であることよの感慨があり、スタンダードサイズと戦闘機の丸窓の組み合わせがとてもいいのだが、ラストはとんでもない蛇足で評価は地に落ちる。 [review][投票]
★4ヒット・パレード(1948/米)教授と美女』には及ばぬが本作も愉しい。ジャズ演奏がどれも辛口なのが大いなる美点であり、切り取った新聞記事を出鱈目に歌詞にするセッションが最高に可笑しい。 [review][投票]
★3秘話ノルマントン號事件 假面の舞踏(1943/日)不平等条約の悲憤慷慨は徳大寺伸の逆さ八の字眉毛とともに坊主難けりゃ式に仮面舞踏会襲撃に至る直情径行。「あの日を忍んで五十余年」とイギリス国旗踏みつぶすに至る国策映画っぷり。 [review][投票]
★2君と行く路(1936/日)おそろしく窮屈なメロドラマ。凡俗な登場人物のなか清川玉枝だけが悪役を嬉々として演じているが、彼女への非難集中は幾ら何でもバランスを欠いているだろう。[投票]