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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★1息子の青春(1952/日)「教育」を語る方法において林房雄とケンちゃんシリーズの類縁性が生温く浮上するトンデモ映画。石浜朗は家族の毒が回って狂っているとしか見えない。こんな空々しいもの、撮っていて恥ずかしくなかったのだろうか。[投票]
★3愛妻物語(1951/日)直球勝負なメロドラマ。他の演出は特になくただもう乙羽信子を表情豊かに撮ることだけに専心されており、はっとするような陰翳に幾度か出会う。心情が滲んでいるのが美しい。 [review][投票]
★1長崎の鐘(1950/日)永井博士の偉業を何にも伝えていないし、原爆投下時の字幕には呆れる。米軍の検閲がいかに無惨だったかを示す第一級資料。新藤にとって『原爆の子』は本作のリベンジでもあったはず。 [review][投票]
★3異邦人(1968/仏=伊=アルジェリア)原作の思索が当然省かれる代わりに映画として何を加えるのか、この課題に本作は何も応えられておらず、ただ物語の骨組みが剥き出しになっているだけ。 [review][投票]
★3現代人(1952/日)「異邦人」ブームの副産物だろうし、当時評価が高かったのも、何やら意味不明な「異邦人」の判りやすい解説に見えたからなのだろう。N'est-ce pas? [review][投票]
★3陸軍中野学校(1966/日)加東大介のアナーキーな理想は右旋回前の産経の体質を記録しており、特定秘密法絡みでも誠に興味深いの切り口なのだが、映画は増村の活劇好みが災いして大仰な法螺話めいている。リアリズムで観たかった。 [review][投票]
★4男はつらいよ 奮闘篇(1971/日)知的障がい者登場率トップの山田作品、ここでも奇をてらわず榊原るみの来歴を丁寧に記録、一方「あのふたりじゃやっていけない」と並置される寅さんはホテルでハーポ・マルクス級のパフォーマンス。民衆・芸能史相手に映画撮っている器の大きさを感じる。[投票]
★3地獄でなぜ悪い(2013/日)長谷川博己の神憑りな映画愛にはある種の感銘を覚えるものの、その向かう先が原菜乃華への少女愛ではどうにも貧しいし、今更やくざ出入りを地獄と云われてもそれがどうしたとしか思われず、深作のブラック・ユーモアの足元にも及ばない。[投票]
★3続・男はつらいよ(1969/日)ラブホテルにおける下世話と哀切の入り混じった件が本作の白眉。シリーズが巨大になるとこういう艶笑譚は自粛されたのだろう、惜しいことである。「浴槽の中へネオンがつきますさかいどうぞ」 [review][投票]
★3ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう(1972/米)笑えるしブラックで面白いのだけれど突き抜けない。「ソドミーって何?」や「女装の歓び」などはさらに膨らませればブニュエルのような重喜劇にできたはずで、苦いが軽いユダヤジョークで済ませるには惜しい題材と思う。[投票]
★3パーマネント野ばら(2010/日)漁港の風景描写がとても優れており、デフォルメされた風俗も楽しいが後半地味。『お引越し』を超える世界を奥寺佐渡子は描けなかったなあという空回り感が残る。三度ある車のアクションも地味。[投票]
★2砂糖菓子が壊れるとき(1967/日)埋め合わせの企画でしかないのが丸判りのお仕事モード作品。夜景の美術など酷いものだ。今井・曽野という凄いミスマッチに期待したがそのレベルになかった。 [review][投票]
★1永すぎた春(1957/日)三島由紀夫の特権階級意識が露骨に出た愚作。貧乏人が金持ちをやっつける話ばかりなのを憂いてその正反対を描いてみた、と云った処だろうが、それならも少し上手にやってもらわないと。 [review][投票]
★4越前竹人形(1963/日)竹藪に降るこの見事な雪、信じ難いことにセットらしい。余りに純朴な山下洵一郎の造形が心に残る。 [review][投票]
★3十代の性典(1953/日)総花的な少女漫画。格差の並列が残酷だが続編ありきでどこまで本気か惑わされるし、なによりクリスチャンの造形が生半可でいけない。撮影はさすが50年代、若尾文子の尻餅や津村悠子の影を追う急ぎ足など見事に決まっており、城下町の描写が丁寧でいい。[投票]
★4君と別れて(1933/日)これはもう、水久保澄子を愛でる映画。定跡通りな話は平凡だが、平凡に恵まれた磯野秋雄はなんて羨ましい奴だろう。 [review][投票]
★3獣の戯れ(1964/日)いかような背徳もそれが神話の図式にすっぽり収まるときは美しいが外れると醜い、という判りやすいゲームのような三島美学。 [review][投票]
★3好色一代男(1961/日)風刺の笑いはハードルが高く面白くないとヒステリーと間違われる。本作、武士道批判は好調だがまったりしたギャグと相性がイマイチで損しているし、男色・差別ネタは今や顰蹙もので損しているし、雷蔵は『ぼんち』、鴈治郎は『大阪物語』と被って損している。[投票]
★3新釈 四谷怪談(1949/日)伊右衛門とともに罪悪感に狂うのが四谷怪談の見処だろう、新釈は動機を生温くしただけではないか。撮影はまだ40年代とは信じられないほど素晴らしい。 [review][投票]
★5ウディ・アレンのバナナ(1971/米)ギャグが息切れせずむしろ終盤に向け加速度を増し折り重なるのに圧倒される。この密度はパイソンには絶対つくれなかったし、アレン自身も再現できなかったと思う。ミス・アメリカが素晴らしい。[投票]