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寒山拾得さんのコメント: 投票数順

★4破戒(1962/日)同和問題を正面から取り上げ、原作を批評した和田夏十の姿勢は評価されるべき。 [review][投票]
★4或る女(1942/日)悪い人といい人が交互に出てくる怒涛の昼メロを田中絹代の陰影が佳作にしている。イジケた斎藤達雄やハジケた河村黎吉に全体の流れを破綻させるほどの強度があるのが渋谷らしい。ラストは時局配慮風。[投票]
★5奥様に知らすべからず(1937/日)原作者はロイド物も書いているがロイドより数段面白い。本邦の大正以来のナンセンスのレベルの高さを示すものだろう。いつも優しい吉川満子の豹変ほか俳優がみな素晴らしくハマっている。「二時間やるんですよ」![投票]
★3十日間の人生(1941/日)まるで地獄行きのような口調で語られる「樺太行き」が異様な緊張感を醸し出しており、こればかりが印象に残る。時間切れで高田浩吉の造形が不足なのが残念。[投票]
★4五人の兄妹(1939/日)兄妹で歩く朝の湾曲した土手は美しく、焚書の火鉢の炎は禍々しい。画で語るスタンスが優れており、マッチの使い方はもうひとつだが、割れたボールを見送る大塚君代はとても美しい。 [review][投票]
★3突然炎のごとく(1962/仏)ハリウッド派トリュフォーはなぜ年増女優賛美という仏映画の伝統に従ったのだろう。機関車のお姉ちゃんの物語の方が面白そう。詰め込んだナレーションも性急なカット割りも好まない。撮影は抜群。[投票]
★3酔っぱらい天国(1962/日)序盤の破天荒な喜劇が抜群、この調子で最後まで続ければ傑作なのに、まあいらない展開を持ち込むものだ。脚本以外は俳優も撮影も最後まで極上。 [review][投票]
★3故郷(1937/日)夏川静江の抗弁の弱さが致命的(も少し云うことあるだろうに)だが白熱する愁嘆場はみせる。藤間房子のおっ母さんが立派だ。カット割りは流麗で巧みなもの。 [review][投票]
★3吾輩は猫である(1936/日)丸山定夫英百合子のオタンチン・パレオロガスの掛け合いや清川玉枝のおバカな扮装、寄宿生のドタバタなどに映画ならではの面白さがあり、猫の扱いも洒落ていて補足された収束もいい。これで徳川夢声がもっと面白ければ云うことないのだけど。[投票]
★3光陰的故事(1982/台湾)第1話の疑似サイレントが秀逸。主人公は殆ど喋らせて貰えないのだ。非情なギャグに輪をかけて陽気な音楽が煽り立てる。第2話は美しいが長編を切り刻んだ感否めず。第3話は学生映画並、第4話はベタなドタバタでこの2作はレベルが一気に落ちる。[投票]
★4獣人(1938/仏)ゾラの設定は今やナンセンスだが、これがありきたりのメロドラマを強引に転覆させており、唖然とさせられる点『フリークス』にすら似ている。昔は悪魔を描きやすかった。 [review][投票]
★4スノーマン(1982/英)飛行映画の粋を集めたような飛翔シーンが魅力的、現代のCG映画の教科書のよう。くすんだトーンも同じマフラー取り出すデヴィッド・ボウイも切ない。RIP。[投票]
★4そよかぜ(1945/日)庶民の希望の出発点として紹介されるには恥ずかしいようなレベルの物語だが、「りんごの唄」には圧倒される。過剰に意味づけされた、逃れられない、ある意味重い歌謡映画。GHQは古典的な女性像や三平加藤精一のキャラはOKだった訳ね。[投票]
★4黄金の馬車(1953/仏=伊)素晴らしく流麗。奥行きを重視したスタンダードサイズの完璧な活用。御噺は宝塚程度、年増女優がモテモテになるという仏映画の悪い癖は我慢すべし。 [review][投票]
★3全身小説家(1994/日)全身で煙に巻いた小説家という感想。 [review][投票]
★4兄いもうと(1936/日)庭から望まれる土手の上の地蔵さんがいい。みんな見ているよ、という。 [review][投票]
★3小島の春(1940/日)純粋な映画的感受性というやつはプロパガンダにコロッと騙される。そのよい実例。 [review][投票]
★4女経(1960/日)市川崑の第二編が秀逸。ナンセンスな導入も望遠多用の室内撮影もお気楽な収束もみな見事、彼のよい処ばかりが出た代表作だろう。 [review][投票]
★3宮本武蔵 完結篇 決闘巌流島(1956/日)村人に逃げろと告げる武蔵にはすでに何の魅力もない。八千草と岡田の対決などアホらしく、武蔵ってモテたんだなあというどうでもいい感想しかわかない。ただ決闘の件は美しく、ここだけは吐夢武蔵より凄い。[投票]
★3続宮本武蔵 一乗寺の決斗(1955/日)「人切り包丁は磨げぬ」と研師に断られ、怒りながら一町歩いて引き返し、研師に教えを乞う武蔵。この件が抜群にいい。ニヒルな鶴田浩二の珍しい饒舌がいい味出しているが、一乗寺の決戦の実況中継は馬鹿馬鹿しい。[投票]