[コメント] もののけ姫(1997/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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正直言って200を超えるコメントに書き加える気はなかったのだが、『千と千尋の神隠し』のコメントを書くにあたって避けて通れぬ道となってしまったので、遅ればせながら。
2点しか付けていないが、なぜか劇場で2回テレビで1回(もっと観た方は大勢いようが)、何度観ても評価は上がりもしなければ下がりもしない。前作『紅の豚』から宮崎駿を特別視しなくなったのは事実だ。
「自然・人間・命」をテーマにすれば皆ありがたがってくれる、と言ったのは和田勉。(「地球・健康・家族」という惣菜屋があるが関係ない)
しかし決して宮崎駿は「自然を大切に」なんて陳腐なそこら辺のエコロジストみたいな事を訴えているわけではない(むしろそこら辺のエコロジストが嫌いなのでは?と思わせるくらいだ)。『ナウシカ』以来(『コナン』以来が正解か?)本作に至るまで、彼が描き続けてきたのは「自然と人間の共生はできるか?」という壮大なテーマであったと思う。そして、なんとまあ、本作で一つの結論を出してしまったのだ。
「自然と人間は共生できなかった」
その結果
「もはや本来の自然の姿は無い」
あの神々しくも猛々しい深い森は平穏で安穏とした日常と共存する草木に取って代わった。あのラストはそう物語っている。こりゃびっくり仰天。宮崎駿はこれまで培ってきた自分の全仕事を否定してしまったのだ。そしたらもう引退するしかないじゃないか。(それでも発表した次作が示す通り、当面は子供向けに専心するのかもしれない)
皆ナウシカを原作のように言ってるけど、この話に近いのは「シュナの旅」という絵本だと思う。「シュナの旅」を映画化すればよかったのに。
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