竹内公一の映画ファンのコメント
セールスマン(2016/イラン=仏) |
いつも厭なざわざわ不安感をあおるファルハディの映画。今回は多少ましだったかな。意外とシンプルで、分かりやすい作品でした。その分ちょっと彼らしき毒性が薄まった感もする。「セールスマンの死」との対比は作家風色付けが見え見えで少々鼻白むが、、。 [review] (セント) | [投票] | |
妻に疑念を抱いた夫は、疑念を生じさせた凶行者を暴くことで、平穏が回復できるはずだという、非論理的でありながら、いかにも正当であるかのような勘違いに、自ら進んで逃避する。この思考放棄の結末は、個人でも国家でも、たいてい分けのわからぬ混沌で終わる。 (ぽんしゅう) | [投票] | |
冒頭の倒壊騒動を機に遭遇する妻の事件だが彼女の煮え切らなさは夫の心理を抑圧して日常の不快や不穏や不信の連鎖交錯を誘発する。そういう理不尽の果てに行き着く終局の4竦みの愁嘆場のドラマトゥルギーこそ圧倒的で複層的。煙に巻かれた感はあるにしても。 (けにろん) | [投票(1)] |