★4 | 櫻の園(2008/日) | バイオリンのオーディションで自己流奏法を披露し、教師の期待を棒に振った結城桃(福田沙紀)は、姉の先輩・坂野(菊川玲)が教師を勤める高校に編入することとなった。だが、反抗的な態度を見せる桃に、優等生の赤星(寺島咲)は叱責を加えずにはおられなかった。桃は授業をサボり、怪談が伝えられる閉鎖された旧校舎に潜入、そこでチェーホフの戯曲『櫻の園』の台本を見つける。友人の奈々美(はねゆり)や葵(杏)らに桜舞う校庭で台本を見せた桃に、彼女らは「演劇部を作って上演しよう」と乗り気になり、桃が坂野に許可を貰いにゆくことになる。しかし坂野は、なぜか演劇部の復活と『櫻の園』の上演に首を振るのだった。〔102分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★1 | 春よこい(2008/日) | 佐賀の漁港。修治(時任三郎)は女房の芳枝(工藤夕貴)、父の一平(犬塚弘)、そして腕白盛りの一人息子・ツヨシ(小清水一揮)を抱えて忙しくも平和な日々を送っていた。だが、漁船代の未払いで借金取りと喧嘩になり、修治は彼を撲殺してしまい、そのまま逃走してしまった…。そして4年後。ツヨシの担任教師・洋子(吹石一恵)は、父をいつまでも待ちわびるツヨシを心配し、兄の新聞記者・利夫(西島秀俊)に相談した。利夫は、修治が正当防衛を行なっただけなのに何故逃げるのかを追い、担当刑事の安藤(宇崎竜童)にも相談するが相手にされなかった。そんなある日、ツヨシが父の手配写真を見る写真を利夫は新聞に載せる。〔108分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | イタリア旅行(1953/伊=仏) | ナポリの別荘へ向かうアレックス(ジョージ・サンダース)とカトリーヌ(イングリッド・バーグマン)の夫妻。彼らは別荘を手放すと同時に、退屈な結婚生活に終止符を打とうとしていた。親戚の案内で辿り着いた別荘は、戦争の惨禍を逃れ美しいままに保たれていた。夫の高慢さを内心呪いながら、カトリーヌはナポリの博物館へ向かう。ある公爵の招きでパーティに参加した夜、夫婦はお互いの話し相手に嫉妬していた。カプリに渡り魅力的な女性と逢瀬を楽しむアレックスに、カトリーヌの嫌悪感は頂点に達していた。ポンペイ遺跡を抜け、激情に耐え切れぬカトリーヌは一刻も早い離婚を望む。だが、その夫婦を祭りの行列が引き裂いたとき…。〔83分/白黒/スタンダード〕 | [投票] |
★2 | 蛇にピアス(2008/日) | 渋谷の歓楽街。スプリット・タンのパンク青年アマ(高良健吾)に誘われたルイ(吉高由里子)は、彼に身を任せる。そして彼のように、自分も舌を二股にして刺青を入れて欲しいとねだる。アマの友人である刺青師のシバ(ARATA)は、人の身体を形作るのは神の特権だ、と嘯きながらルイの舌に針を入れる。そしてルイはアマと次第に惹かれあい、ともに夜をさすらう恋人同士となっていった。だがルイは、刺青の代償としてシバに一度ならず抱かれてゆく。ルイが生活に更なる刺激を求め始めた頃、アマは彼女に手を出そうとしたヤクザに容赦のない鉄拳を見舞い、殺してしまった…ルイはそれを隠そうと奔走する。〔125分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 四川のうた(2008/中国=日) | 50年の間、中国の護りの楯として存在し続けた軍事工場、「420工場」がその役割を終える。5万人の工員とその家族を切り捨てることによって…。そして、この機密工場そのものが大規模な四川の商業施設と代わってゆく事実を、ジャ・ジャンクーの瞳は追い続ける。工場のマドンナと囃されつつ、婚期を逃した中年女工(ジョアン・チェン)。過酷な労働からのひと時の逃避のうちに、我が子を見失った女工(リュイ・イーピン)。仕事のみの毎日の中に愛情を手にしかけた男性工員(チェン・ジェンビン)。そしてこの工場から飛び立ち、新たな未来を切り開く女性(チャオ・タオ)。彼らはそれぞれに、工場への思いを吐露してゆく。〔112分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | 60歳のラブレター(2009/日) | 会社重役まで登りつめた60歳の孝平(中村雅俊)は、愛のない妻・ちひろ(原田美枝子)との結婚に終止符を打とうと決めていた。退職の日、パーティを用意した妻や、孫を身ごもった娘マキ(星野真理)らの待つ自宅に、孝平はいつになっても帰らなかった。一方ちひろの親しい魚屋主人・正彦(イッセー尾形)は糖尿病ぎみだと言われ、妻・光江(綾戸智恵)にウォーキングの特訓を強いられていたが、主治医である静夫(井上順)は娘との寂しい二人暮しで夫婦を羨んでいた。そんな静夫に医療書の翻訳のアドバイスを受ける翻訳家・麗子(戸田恵子)もまた、独身生活が辛くなり始めていた。3組の男女の関係は成長を遂げてゆく。〔129分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | インスタント沼(2009/日) | カタブツの雑誌編集者・沈丁花ハナメ(麻生久美子)は、まさに泥沼状態の毎日を送っていた。母(松坂慶子)は池に河童探しに出かけて事故で昏睡状態になり、雑誌は不人気で廃刊、出版社を出てゆく破目になった。そんな時、ある古い手紙からハナメは実の父、ノブロウ(風間杜夫)の居場所を知る。ハナメが訪ねてゆくと、ノブロウはいかにも胡散臭い商品ばかりを売買する骨董屋であった。彼はそこにタムロするパンク青年ガス(加瀬亮)とともに、呆れるような人生を送っていた。しかし、次第に骨董の魅力にハマっていくハナメ。自ら骨董屋を開くもうまく行かない日々の中、ノブロウから人生の知恵を教わる。「水道の蛇口をひねれ!」とは?〔120分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | TOKYOレンダリング詞集(2009/日) | 東京という街。人々が息づき、織り成される一瞬のあえかな風景。街の人々を撮り続けた映画監督・市川準は、2008年初頭のこの街のあちこちに立ち、一瞬の連続をハンディカムで記録していった。そこに密やかに添えられた幾つもの言葉と旋律がひとつの映画として、市川自身の手で編集された。『buy a suit スーツを買う』とともに進行された作品であるこの映画もまた、市川の遺作のひとつである。〔25分/カラー/HD〕 | [投票] |
★5 | buy a suit スーツを買う(2008/日) | ユキ(砂原由起子)は、同僚とともに大阪から上京した。ある日突然、姿を眩ました兄ヒサシ(鯖吉)を探すためだ。ヒサシの学生時代の先輩である山口(山崎隆明)は、ユキとビル前のカフェで落ち合い、ヒサシからの手紙に書かれていた住所を転記してユキに渡した。それに従い、隅田川の河川敷に段ボールの小屋が並ぶ中に、ユキはヒサシを見い出す。再会を果たした二人は、ヒサシの前妻トモ子(三枝桃子)を訪ねてゆくことにする…市川準の遺作となった実験的小品であり、彼が映画撮影の合間に自ら撮影、編集した一作である。〔47分/カラー/HDcam〕 | [投票] |
★4 | ブタがいた教室(2008/日) | 都心のある小学校。六年の担任教師・星(妻夫木聡)は、ある日教室にブタを連れてくる。それは、生きるものを育て、そして食べるまでに至る過程を教えるための教材であった。ブタにPちゃんという名前をつけ、小屋を作って熱心に世話を焼く子ら。だが、あまりの溺愛ぶりに教頭(大杉漣)は事態を憂えるのだった。事実、他のクラスの栽培するトマトをブタは食べてしまう。汚物や食物の世話も含め、保護者達の苦情が相次ぐのだが、星や校長(原田美枝子)はあくまで静観を求め、結論は先送りにされる。だが、六年生の卒業が迫り、子供達にはブタを食肉とするか、後輩達にその命を託すかの選択が突きつけられる。〔109分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | ワン・フォはいかにして助けられたか(1987/仏) | 遙か昔の中国。玲(オリヴィエ・クリュヴェイエ)は師である画聖・王佛とともに馬車に乗せられて都へと向かっていた。王佛の描く絵は、不気味なほどに真に迫っていた。玲が、彼の妻をモデルに描かれた絵に心酔し、妻がその姿に絶望して自ら命を絶ってしまうほどに…。やがて車は皇帝(ジャン・クロード・ドレフュス )の居城につく。平伏する二人に皇帝は口を開く。自分は幼い時より、王佛の絵に囲まれて暮らしてきた。だが、そこに描かれた風景は、自分の治める領地の何処よりも美しかった。これは帝国への侮辱であるがゆえに、王佛を処刑すると。理不尽な言葉に怒る玲であったが…。〔15分/カラー/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | ドレイ工場(1968/日) | 関東鉄鋼はその成長につれて非情な奴隷工場と化していた。工員谷山(前田吟)は憂さ晴らしに林(松田光弘)らを連れてバーへ繰り出すが、林の姉である光子(日色ともゑ)に非難される。その頃、会社の幹部達は工員が密かに労働組合を組織しつつあるという事実を危惧し、組合の副幹部である塚本(高島史旭)に大金を与え、組合の動きを止めよと命じた。そんなある日、林は慣れない作業で施設の天井から落下し、悲惨な死を遂げた。だが会社が林家に与えた見舞金はあまりに廉価であった。怒った谷山は労働組合へ参加し、ここに全金関東鉄鋼支部はベールを脱いだ。だが、塚本は裏切って会社公認の第二労働組合を組織し、全金は苦境に立たされる。〔144分/白黒/スコープ〕 | [投票] |
★2 | ミルク(2008/米) | 1972年。保険会社に務めるミルク(ショーン・ペン)は、夜の街でスコット(ジェームズ・フランコ)と知りあい、愛情を抱いてサンフランシスコでの同居を決める。社交的なミルクはヒッピーやゲイを知らぬうちに引き寄せ、彼の店はそれらの人たちのコミュニティとなっていった。その中でミルクは真の差別なき街のために政治参加を目論むようになり、同性愛者差別の条例「プロポジション6」撤廃と福祉の充実を掲げて市議選挙に打って出、ジミー・カーターやロナルド・レーガンらの賛成票を得て成功を勝ち取る。だが、同僚であるクリスチャンの市政執行委員、ホワイト(ジョシュ・ブローリン)は彼と衝突を繰り返すのだった。〔128分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | ライラにお手あげ(2007/米) | 元婚約者の結婚式の帰途、40代の独身男エディ(ベン・スティラー)は、引ったくりにあった女性を助けようとする。女性の名はライラ(マリン・アッカーマン)、環境調査員のボランティアをしている美女だった。翌日ライラはエディのスポーツ用品店を訪れ、エディに一目惚れしたことを告白する。勿論エディに否やのあろう筈がない。しかしライラはオランダへの転勤を命じられたという。既婚者は転勤の範囲外だと聞いたエディは、遂にライラとの結婚を強行する。しかし、ハネムーン先のメキシコで、ライラはとんでもない性癖の持ち主だとエディは知る。後の祭りかと嘆くエディの前に、魅力的な女性ミランダ(ミシェル・モナハン)が現われる。〔116分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 帝国オーケストラ(2007/独) | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は、そもそもどの組織の支配下にも置かれない自由な気風で知られた誇り高い音楽家集団であった。しかし大恐慌後、楽団の収入源は格段に矮小化し、ここにおいて首席指揮者ヴィルヘルム・フルトヴェングラーは、旭日の勢いで台頭してきたナチの指導者アドルフ・ヒトラー及び、その元で宣伝相を務めるヨーゼフ・パウル・ゲッベルスの要請を受け入れ、第三帝国に於ける国営オーケストラとしての地位を受け取るに至った。これにより楽団は興隆するものの、楽団内にナチ党員が数を増やし、リーダー的な扱いを受けてきたユダヤ系ソリストが海外に亡命せざるを得ない空気が立ち込める。〔97分/カラー&モノクロ/スタンダード〕 [more] | [投票] |
★3 | 交響詩篇エウレカセブン ポケットが虹でいっぱい(2009/日) | 地球を「イマージュ」と呼ばれる異星生命体が蹂躙しはじめてしばらくの頃。ドミニク先生(山崎樹範)に連れられて雪空の下外出したレントン(三瓶由布子)とエウレカ(名塚佳織)、それにペットのニルヴァーシュ(玉川紗己子)は、雪の中にひっそりと咲く花を見つける。夢をかなえるその花の思い出を最後に、ドミニクは帰らぬ人となった…。そして幾年かが過ぎ、レントンは人民解放軍の戦闘母艦・月光号に乗り込むパイロットとなっていた。隊長のホランド(藤原啓治)にも腕は認められていたが、レントンの目的はイマージュに奪われたエウレカの救出以外になかった。独断専行でエウレカを救った彼を待ち受けていたのは、懲罰だった。〔115分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | ハーブ(2007/韓国) | サンウン(カン・ヘジョン)は二十歳のお年頃。でも、内面は7歳の子供に過ぎなかった。顔立ちは愛らしいのだが、全く花屋を務める母親・ヒョンスク(ペ・ジョンオク)の役には立たない。そんな彼女が、絵本で夢見た王子のように、若き警官・ジョンボム(チョン・ギョンホ)に恋をした。彼女の愛らしさとひとつの誤解ゆえに、ジョンボムもサンウンを喜んで迎える。ヒョンスクが彼を蛇蝎の如く嫌っていることも、親友のヨンラン(イ・ヨンユ)が彼を軽蔑していることも、サンウンの恋を邪魔できなかった。ある日、ジョンボムは彼女をデートに誘う。そこでふとした事からサンウンが落とした「福祉カード」に、ジョンボムは動揺するのだった。〔113分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★3 | 覆面ダルホ 〜演歌の花道〜(2007/韓国) | ダルホ(チャ・テヒョン)らのロックユニットは心ならずもトロット(演歌)歌手のバックに甘んじていた。そのダルホが、「大声企画」なるプロダクションのチョ室長(チョン・ソギョン)にスカウトされ、仲間達をおいてソウルにやってくることになる。ところが、「大声企画」とはトロット専門の芸能プロだったのだ!断って帰郷しようとするダルホだったが、美貌のトロット歌手ソヨン(イ・ソヨン)にその時逢って恋に堕ち、プロに置いてくれと頼み込んだ。ダサいだけの音楽と思ったトロットを、見事表現できる魂を持っているとチャン社長(イム・チェム)に見込まれたダルホはTVに出ることになった。しかし、故郷に顔向けできない彼は覆面を被る。〔114分/カラー〕 | [投票] |
★5 | ホームレス中学生(2008/日) | 中学生・裕(小池徹平)は、女子に映画に誘われて上機嫌で帰宅したその日、アパートの自室が差し押さえされているのに呆気にとられる。大学生の兄(西野亮廣)や高校生の姉(池脇千鶴)も戻ってきたところで、父(イッセー尾形)は借金の挙句こうなったと悪びれず説明し、家族解散を告げる。公園で一夜を過ごした裕は、さっそく食事や排泄に悩まされつつも滑り台での寝起きを始める。子供には馬鹿にされ、女生徒には振られ、ズタズタの心を引き摺る裕は、友人に飯を奢ってもらう。友人の両親(宇崎竜童&田中裕子)は事情を訊いて便宜をはかってくれ、兄弟で同居できる貸家を得られた裕だったが、その心には複雑なものがあった。〔116分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | 劇場版 STRAIT JACKET ストレイト・ジャケット International ver.(2008/日=米) | 魔法が迷信の中から文明社会へと解き放たれた時代。魔法管理局によって魔法犯罪は統括されていた。ある病院で、「魔族」化した医師による大量虐殺事件が起こり、監察官シモンズ(前田愛)が現場に向かうものの、肝心の魔族と戦いうるタクティカル・ソーサリストが出払っていた。そこへ、「モールド(魔法鎧)」を有する非合法ソーサリスト、レイオット(三木眞一郎)が現われ、魔族退治を請け負う。彼の戦闘中に合法ソーサリスト、アイザック(笹沼晃)が到着するも、レイオットは荒っぽいやり方で事件を解決させた。レイオットのやり方を忌み嫌うアイザックは、彼のまとうモールドが己の命の恩人のものであることに怒りを隠さなかった。〔75分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |