★4 | はたらく細胞(2024/日) | 妻を若くして失ったトラック運転手の茂(阿部サダヲ)は、ひとり娘の日胡(芦田愛菜)を誰よりも大事に思い、どこに出しても恥ずかしくない健やかな女子高校生に育て上げた。そして彼女のなかに息づく37兆個の細胞も、少々の病原菌に動じない健康な体を維持しているのだった…その一個、体内で酸素を運ぶ若き「赤血球」の個体(永野芽郁)も、新入りゆえのおっちょこちょいさを恥じながらも、日々奮闘を続けていた。彼女と同時期に一人前になった白血球の一個体(佐藤健 )も、体内に侵入する病原菌たちに果敢に挑み、母体の健康を維持するのだった。それに反し、自堕落な生活から脱しきれない茂の体内では、細胞たちが苛酷な環境を嘆いていた。(110分) | [投票] |
★3 | ボルテスV レガシー(2024/フィリピン) | 頭頂に角を頂く異星人、ボアザン星人がはるかな母星より来襲、プリンス・ザルドス(マーティン・デル・ロザリオ)の命令一下地球に総攻撃を開始した。突然の出来事に、それでも科学の粋を尽くした兵器で立ち向かう各国軍であったが、力及ばず殲滅の憂き目にあう。その時、この来襲を予見していた一部隊が颯爽と飛び立つ。スティーヴ(ミゲル・タンフェリックス)、ビッグバート(マット・ロザノ)、リトルジョン(ラファエル・ランディコ)の3兄弟と、マーク(ラドソン・フローレス)、ジェイミー(イザベル・オルテガ】)のふたりで戦闘機を操る「ボルテス・チーム」だ。彼らの戦闘機は合体変形して巨大ロボとなり、敵のマシーンを駆逐するのだ。(97分) | [投票] |
★5 | 天使が俺を追い駆ける(1961/日) | 六兵(三木のり平)は絶望の淵にあった。会社では成績最低であり、GFのユメ子(久迩恭子)には袖にされ、返せるあてもない借金まで背負い込む。この世に未練はないと自殺を図ろうとしたその時、いきなり見知らぬ男が六兵のアパートに乱入する。その男・ヌーベルの莫(八波むと志)が実は殺し屋組織の一員と知った彼は、どうか殺してくれと頼み込む。金にならない殺しはしない、と一度は断った莫だったが、ある計画を思いつく。六兵に生命保険をかけ、組織が彼を抹殺することで保険金を受け取ろうというのだ。計画実行は三日後。六兵が可愛いエレベータガール(吉永小百合)とデートを楽しみ、全財産をカジノで使い切ろうとした時、幸運の天使は舞い降りる。(68分) | [投票] |
★3 | 仮面ライダー555 20th パラダイス・リゲインド(2024/日) | 人類の後継者オルフェノクと人類の、絶望的な殲滅戦から20年。オルフェノクの牙城スマートブレイン社は北崎望(藤田玲)を社長とする人類側の組織として復活、オルフェノク残党狩りを繰り返していた。その頃、ライダー555・巧(半田健人 )とともに過激派オルフェノクと戦った真理(芳賀優里亜)は、生還したライダー913・雅人(村上幸平)や、直哉(唐橋充)ら穏健派オルフェノク残党とともに2種族の共存のため行動していたが、もっとも心強い味方、巧は姿を消していた。そして、スマートブレイン社の先兵として新進ライダーの玲菜(福田ルミカ )らが奇襲をかけてくる。真理が驚愕したのは、玲菜の補佐役として巧が現われたことだった。[65分〕 | [投票] |
★2 | 夢幻紳士 人形地獄(2018/日) | 高橋葉介の怪奇ロマン漫画の映画化。昭和初期。夢幻魔実也(皆木正純)は人の心を幻視することのできる名探偵だ。ある晩夏のこと、夢幻は田舎を彷徨い歩くうちに謎の声にひかれある村を訪れる。彼が出くわしたのは、運ばれていた大きな木箱に入った微動だにしない少女・那由子(横尾かな)だった。その那由子の声が、村の診療所から夢幻を呼んでいたのだ。彼女の母親(井上貴子)が語るには、那由子は奉公先で消息を絶ち、数か月後このような姿で発見されたという。ある女の意識に踏み入り、失敗して彼女を廃人にしたことのある夢幻は二の足を踏むが、家族の懇願により那由子の脳内に立ち入る。そこには奉公先の女・雛子(岡優美子)がいた。〔90分〕 | [投票] |
★4 | 電信柱エレミの恋(2009/日) | 電信柱たちは雨の日も風の日も、忍耐と努力で道端にしっかりと立ちはだかっていた。まだ若く愛らしい電信柱・エレミ(奥村知子)は故障で悪夢にうなされていたが、電気工事夫のタカハシ(渡辺一志)の修理によってすっかり元気に戻った。さてタカハシのアパートに、見知らぬ娘からの電話がかかるようになったのはその後である。最初は正体不明の相手を訝っていたタカハシだったが、悪い気はせず次第に打ち解けていった。そして娘はタカハシに誕生祝いの財布を贈る。しかし、タカハシの知らぬところで電信柱たちは、その「犯人」をめぐり裁判を行なうのだった。大藤信郎賞ほか受賞のストップモーション・アニメ。〔45分/スタンダード〕 | [投票] |
★1 | たこ焼きの詩(2015/日) | 大阪の肝っ玉母さん、みほ(とみずみほ)はダンサーだったが、連れ合いのDJ澤田(澤田俊之)に先立たれてしまい、女手ひとつで娘の花梨(古和咲紀)を育ててきた。花梨は小さいながらに貧乏生活を強いられているものの、母親が自分のため奮闘してくれていることを知り、余計な口を挟まずにいたのだった。しかし、彼女が修学旅行の積み立て金のことを告げずにいたことを担任から聞いたみほは、その日から働いているたこ焼き屋での勤務時間を延ばしてもらう。結果、店のボス(サニー・フランシス)はたこ焼き屋がテレビで評判になったこともあり、みほに寸志を提供する。そして花梨も草野球試合で加勢したチームから礼金を貰い、母親に報いようとする。〔76分〕 | [投票] |
★3 | モキシー 〜私たちのムーブメント〜(2021/米) | 高校に新学期が訪れた。臆病でおとなしめの少女ヴィヴィアン(ハドリー・ロビンソン)は心に不満を抱えながらも、そのまま変化のない日々に戻ろうとしていた。そんなとき、転入生として権威に立ち向かう少女ルーシー(アリシア・パスクアル・ペーニャ)が現われる。授業ではテキストの意義を批判し、アメフト部の主将で何も恐れないミッチェル(パトリック・シュワルツネッガー)の揶揄を軽くはねつけるルーシーの気丈さに、ヴィヴィアンはすっかり惚れ込んでしまった。彼女は匿名で差別を批判するコピーマガジン「モキシー(勇気)」を発刊し、気の弱い同士の親友クラウディア(ローレン・サイ)らとともに学校の腐敗を暴こうとし始める。〔111分〕 | [投票] |
★3 | 何もかも狂ってやがる(1962/日) | 学歴が低く低賃金の父(大森義夫)と、内職で彼を助ける母(高野由美)をもつ高校生・淳(寺田誠 )のことを、担任教師矢口(宮崎準)は毛嫌いし学級のヴァチルス(ばい菌)と吐き捨てる。それほどに淳は挑戦的であり、反抗的な少年であるのだが、彼自身はすれ違うときにからかったОⅬ陽子(吉行和子)の話をしたにすぎないのであり、矢口のヒステリカルな口ぶりに彼は憎悪をかき立てられるのだった。テストの時間に秀才と呼ばれる少年に一問の解答を教え、逆にカンニングの汚名をかけられた淳は、憤懣を胸に友人・努(坂下文夫)と夜の街に出、チンピラたちが戯れにちらつかせた小遣いを受け取り、陽子をからかいに出るのだった。〔76分〕 | [投票] |
★3 | いちどは行きたい女風呂(1970/日) | 目下、医大めざして浪人中の正夫(浜田光夫)は、田舎の親に買わせたマンションで勉強に勤しむ毎日を偽り、悠々自適の毎日を送っていた。今朝もGFのさよ子(夏純子)が務めるカフェに寄り、彼女の兄で芸大に三浪中の順(前野霜一郎)と連れ立って予備校へとまっしぐら…と思いきや、欲望の赴くままにガールハントに出かけるのだった。だが今日はその途上、やくざの縄張りで自宅の風呂屋で盗撮したヌード写真を売りさばき、チンピラに痛めつけられる東雲(沖雅也)と出くわす。彼を加えたスケベぞろいの予備校トリオはダッシュで逃走、イケてる女をゲットすべく街へと繰り出すが、好事魔多しは世の習いだった。{80分} | [投票] |
★3 | わんぱく戦争(1961/仏) | 自動車の時代に馬やロバが闊歩する、フランスの平和な片田舎。だが、今まさにふたつの村、ロンジュヴェルヌとヴェルランの子供らは一触即発の事態に陥っていた。些細といえば些細な原因からふたつの村は戦争を始めたのだ。年長で背の高いルブラック(アンドレ・トルトン )はロンジュヴェルヌの大将、対するヴェルランの首魁はアズテック(ミシェル・イセラ)だ。協和と友愛を旗印に、ロンジュ軍は捕らえた敵兵の衣服のボタンを削ぎ落して解放、恥辱の罰を与えるのだった。しかし他ならぬルブラックも敵軍にその罰を与えられ、誰もおらぬ場で恥辱の涙を流す羽目に陥いる、そんな時浮かんだ妙案は、全ての兵がボタンなきすっぽんぽんで戦場に出る案だった。{94分} | [投票] |
★3 | カミーユ(2019/仏) | 中央アフリカ共和国、2014年。写真家カミーユ・ルパージュ(ニナ・ミュリス)はここで死んだ。トラックの荷台に積まれた、5人の死体のひとつとして街に帰ってきた彼女の、死までの軌跡を追うのがこの作品である。2010年代、キリスト教徒とイスラム教徒のあいだに険悪な空気が流れ、中央アフリカは揺れた。民兵組織「セレカ」は暴政を敷き、その非道さに立ち上がったもうひとつの組織「反バラカ」も他者への無慈悲さにおいては変わらず、内戦は激化した。カミーユはここで組織には組せず、第3の立場から写真を撮り発信した。だが、彼女の行動を評価する者もある一方、「誰のための撮影か」と批判する者も確実にいたのだった。〔90分〕 | [投票] |
★3 | RE:cycle of the PENGUINDRUM 劇場版 輪るピングドラム [後編] 僕は君を愛してる(2022/日) | 20世紀末。狂信的テロ組織「飢餓の会」は都内各所で爆破テロを頻発させた。その一連の行為は地下鉄大量爆破事件によって終止符を打たれたかに見えたが、この古今未曾有の犯罪によって多くの死者、負傷者が出、また心に癒えない傷を負った者も数限りなく出た。それはつつましく生きる三兄妹、冠葉(木村昴 )、晶馬(木村良平)、陽毬(荒川美穂)もまた例外ではなかった。彼らをめぐり、教師であったはずの青年・多蕗(石田彰)、その恋人・ゆり(能登麻美子)が次々と牙を剥く。かれらを絶望から救ったという少女・桃果(豊崎愛生)とは。そして冠葉を追う真砂子(堀江由衣)の正体とは。〔142分〕 | [投票] |
★3 | まるだせ金太狼(2020/日) | 小野寺学園の理事長にして生徒である美少年・真琴(斉藤壮馬)は、秘技を尽くし彼を「嫁」にして学園を簒奪すべく数多の性豪たちに狙われていたが、その野望は彼のボディガードにして恋人である男・金太狼(森川智之)という美丈夫の逆撃によってことごとく潰えていた。こうして母校より逆賊を一掃したかれらだったが、学園の川加護分校より差し向けられた性技の刺客たちが登場、真琴を篭絡して責め苛む。だが、学園に悪は栄えない。全身これ武器である金太狼が、かれらを鍛え上げられた股間で昇天させ、真琴を無事救出してしまうからだ。ここに至り、敵の首魁・桃太狼(寺島拓篤)は立ち上がり、自ら金太狼の前に立ち塞がった。〔10分〕 | [投票] |
★2 | 青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(2019/日) | 女優である恋人・麻衣(瀬戸麻沙美)との同居とともに、高校生・咲太(石川界人)の住む家は彼や麻衣の妹たちの横行する騒がしさに明け暮れるようになった。その混乱に、いつしか初恋の女性・翔子(水瀬いのり)が加わる。彼女は昔咲太を懊悩から救った女性であり、彼も邪険にはできなかった。だが、なぜか彼女とともに、世界には心臓病に苦しむ中学生の翔子が偏在していた。咲太は麻衣とともに彼女を見舞い、翔子の体は心臓移植が必要な危機的状況にあると聞く。そして、つねづね友人の双葉(種崎敦美)に指摘された咲太の「思春期症候群」に疼く胸の傷の理由が明らかになる。翔子の延命の恩人とは…。{90分}
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★3 | 暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー(2023/日) | ゼンカイジャー世界。介人(駒木根葵汰)たちが並行世界の旅から戻った頃、ゼンカイトピアはカシワモチワルドと、それを利用するゾックスによって、柏餅中毒にされた人々をめぐる恐怖政治に晒されていた。ゼンカイジャーは異世界の柏餅を取り寄せ、ばら撒くことで暴政を揺るがす。一方、ドンブラザーズ世界。タロウ(樋口幸平)が去ったドンブラザーズはジロウ(石川雷蔵)の統制下におかれ、メンバーは一糸乱れぬ戦闘スタイルと高級待遇を与えられながら、少しずつ疲れをおぼえていた。記憶を取り戻し皆を訪ねるタロウに、彼らは脱退を告げる。敢えて彼らを止めることもせず、現れたヒトツ鬼にタロウは単身立ち向かってゆく。〔59分〕
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★4 | リベリアの白い血(2015/米) | アフリカ最貧国のリベリア。生真面目な男シスコ(ビショップ・ブレイ)は、ゴム園で馬車馬のごとく勤勉に働いていた。隣人のアブラハムは過酷すぎる労働条件に怒り、仲間たちもストライキに加わって不満の声をあげる。シスコも妻のジョイ(ゼノビア・テイラー)や子供たちのため代わる仕事を得たいとは思っていたが、踏ん切りがつかないまま日々は過ぎていった。そんな頃、アメリカで暮らしている従弟のマーヴィン(ロドニー・ロジャース・べックレー)が帰ってくる。彼はシスコに、希望のないリベリアを発ってアメリカで収入を得ないかと誘う。同意したシスコはニューヨークへと従弟に誘われるまま飛ぶが、そこにも希望は待っていなかった。〔87分〕 | [投票] |
★3 | ハニー・シガー 甘い香り(2020/仏=ベルギー=アルジェリア) | 1993年、フランス。ベルベル人系の裕福だが厳格な家庭に育まれた少女セルマ(ゾエ・アジャーニ)は、奔放な性愛を楽しむ周りの同世代に憧れ、男たちと遊戯に耽っては両親を嘆かせていた。それは名門校進学の解放感ゆえでもあったのだが、学問に没頭して産婦人科医の地位を得た母(アミラ・カサール)はセルマが高学歴を望むことに、なぜか批判的であった。そして愛情を深めるいとまもないうちに、セルマは少年ジュリアン(ルイ・ペレス)と肉体関係をもつ。これを知り、セルマの父(リエス・セーラム)は家父長権を振りかざして娘と少年の結婚を推し進める。その裏に民族の因習の深さがあった。(98分) | [投票] |
★3 | アリスの空(2020/仏) | スイス育ちのアリス(アルバ・ロルヴァケル)は、一念発起して陽光溢れるレバノンへ旅立ち、そこで職をみつけて明るく暮らそうと考え、実行に移す。そんな彼女がカフェで出会ったのが、ロケットによる宇宙雄飛を夢見る物理学者のジョセフ(ワジ・ムアワッド)。ふたりはたちまち恋に落ち、結婚してベイルートのアパルトマンにスィートホームを構える。ジョセフの妹ミミ(マリア・タヌリ―)にも祝福され、やがてひとり娘のモナ(イザベル・ジゴンディ)を授かった夫婦だったが、レバノンには暗雲が影を落とす。内乱が勢いを増し始めたのだ。街々に銃弾は飛び交い、仕事は中断され、平和な暮らしにもひびが入り始めた。〔90分〕 | [投票] |
★4 | その日、カレーライスができるまで(2021/日) | 夜の安アパートの一室。外は叩きつけるようなざんざ降りの豪雨のなか。男(リリー・フランキー)は厨房にひとり立っている。卓上に散乱するジャガ芋、ニンジン、玉葱、ロース肉のパック…男はカレーを煮込もうとしているのだ。男にとって、妻の誕生日には3日仕込みのカレーを用意し、ともに食べるのが習わしになっているのだった。ラジオでは、陽気な声のDJ(吉田照美)が「三日目のカレー」のメールを話題に取り上げている。男の初めてのメールだ。やがて激しい雨音とともに電気は切れ、部屋を無音と暗闇が支配する。それでもカレーを作り続ける男。彼の胸に、今はもういない息子への思いが去来する…。ほぼリリーによる一人芝居で成り立つ作品である。(52分) | [投票] |