★2 | BLACKFOX(2019/日) | 忍者の伝統を受け継ぐ祖父(津田英三)の技を叩き込まれ、科学者の父(土田大)より不変の友となる動物型ドローン3体を受け取った娘・律花(七瀬彩夏)。戦士として最強の存在となるべく宿命づけられた彼女は、同時に家族より深い愛情をもって育てられたゆえに、単なる戦闘マシーンではない優しい娘として育ったのだった。しかし研究物を軍事目的に使うことを拒んだ父は、謎の武装組織によって抹殺され、彼を守ろうとした祖父も蜂の巣にされた。ひとりドローンたちに守られて逃げ延びた律花は、家族の復讐を誓い大都会に消えた。そして日々は流れ、探偵助手として働きつつ組織の動向を探る彼女は、孤独な少女ミア(戸松遥)と出会うのだった。〔89分〕 | [投票] |
★2 | アシク・ケリブ(1988/露) | 吟遊詩人アシク・ケリブ(ユーリー・ムゴヤン)は若く美しい領主の娘マグリ(ベロニカ・メトニッゼ)と心を通わせ合い、父たる領主に許しを授かるため彼の元に向かう。だが貧しい青年アシクを領主は忌み嫌い罵倒するのだった。マグリへの思いを断ち切れぬアシクは1000の夜の修行ののち、必ずマグリに相応しい詩人となり帰還することを誓い旅立つ。だが恋敵は策謀をめぐらし、川を渡るアシクの衣服を奪って彼は川で溺死したと吹聴、アシクの母を絶望の末失明に追いやるのだった。しかしアシクには彼を見守る聖人が近づき、アシクの善根を積む旅を先導してゆく。セルゲイ・パラジャーノフ監督の遺作であり、アンドレイ・タルコフスキーに捧げられた一作。〔74分〕 | [投票] |
★2 | Red(2020/日) | 塔子(夏帆)は主婦として、古風だが優しい夫・真(間宮祥太朗)や穏やかな義母(山本郁子)、愛らしい独り娘と温かな家庭を築いていた。だが、妻や母としての評価のみに満足しない塔子は、それだけで朽ち果ててゆく生活に我慢できなくなっていった。ある日夫の取引先のパーティーに足を運んだ彼女は、偶然そこで、かつてその助手となって建築デザインで協力していた男・鞍田(妻夫木聡)と再会する。男として、そして上司として過不足ない存在であった鞍田の会社に、夫の同意をやっと得て塔子は入社する。だが、それを境によき妻、よき母の虚像を脱し、独りの人間としての欲求に生きるようになった塔子に、真は明らかな非難を向けるようになるのだった。〔123分〕 | [投票] |
★2 | 劇場版パタリロ!(2019/日) | ロンドン。マリネラ国の皇太子パタリロ8世(加藤諒)が外遊でここに立ち寄った。英国情報部MI6のエージェント、バンコラン少佐(青木玄徳)がその護衛につくが、彼の目の前で次々に不穏な事態が巻き起こる。パタリロが基幹産業であるダイヤモンドの輸出を取り仕切る組織からの脱退を表明したためだ。犯罪シンジケートの側面も持つ組織はパタリロ暗殺を企むが、阻止しようと動くバンコランは、皇太子の人間離れしたタフさに驚かされるのだった。そして取材のため美少年記者マライヒ(佐奈宏紀)が彼に近づく。彼もまた組織の暗殺者であったが、その謎を「美少年キラー」バンコランには見透かされていた。大河ギャグ漫画の舞台化作品をフィルムに収めた一作。〔103分〕 | [投票] |
★2 | his(2020/日) | 迅(宮沢氷魚)はかつて地方で、自分がゲイだということを隠し生きていた。その平穏を破るように現れたのが、彼とおなじ高校生の渚(藤原季節)であった。彼らはお互いに思いを寄せ合うが、大学生活の終わりごろふたりの恋は破局する。そして十余年、突然に迅が迎えることになったのは幼い娘・空(外村紗玖良)を抱えた渚だった。彼は実情を隠して空とともに迅の家に住まわせてほしいと願い出、当初は当惑していた迅も3人での生活に馴染み始めた頃、渚がその妻・玲奈(松本若菜)と離婚しようと協議中だと聞かされる。そして彼らのもとに現われた玲奈は空を自動車で連れ去る。ついに迅は恋人の待つ裁判所に出廷せざるを得なくなった。〔127分 〕 | [投票] |
★2 | テリー・ギリアムのドン・キホーテ(2018/英=スペイン=ベルギー=仏=ポルトガル) | かつて処女長編映画『ドン・キホーテを殺した男』で名声を得たが、今はCM監督を生業としているトビー(アダム・ドライヴァー)は、久々にスペインを舞台にCMを撮っていたが、行き詰まり煩悶していた。スポンサーであるボス(ステラン・スカルスゴール)の妻ジャッキ(オルガ・キュリレンコ)に誘惑され、何もせぬうちに浮気を疑ったボスより逃げることとなったトビー。彼は、気分替えに処女作の現場の村を訪れ、主役を演じさせた靴職人のハビエル(ジョナサン・プライス)が、老いぼれて自分はドン・キホーテだとの妄想に生きていることを知る。だが、彼の従者サンチョとして旅に出ることになる運命を、まだトビーは知らなかった。〔133分〕 | [投票] |
★2 | アルモニ(2014/日) | 何の変哲もない高校のひととき。影男(松岡禎丞 )はいつもの気のあったヲタク友達と、昨日のアニメのイカしていたポイントについて感想を分かち合うディスカッションに没頭している。彼が思いを寄せる美少女・樹里(上田麗奈)のほうに会話中気がゆくこともままあるが、影男にとっては世界の違う連中のひとりでしかない、というのが偽らざる現実だ。だが、ある日ちょっとした事件が起きる。樹里が不用意に置いていったスマホに登録された鼻歌を試験中に悪友が流し、それをめぐってひと悶着起きたのだ。そして、影男にとってその鼻歌はあるリアルな映像を呼ぶカギだったのだ。歌をめぐり、近づくこともなかった影男と樹里が急接近を始めるまで時間はかからなかった。〔25分〕 | [投票] |
★2 | 劇場版マクロスΔ(デルタ) 激情のワルキューレ(2018/日) | 外宇宙移民団の出発から数十年後。異星人との戦闘の切り札として「歌」のフォールド波がものを言う事実に気づいた地球人は、音楽ユニットを異星人との衝突に備えて育成していた。そんな中、辺境惑星の娘フレイア(鈴木みのり)は、戦術音楽ユニット「ワルキューレ」の新メンバー募集を聞きつけて異星に飛んだ。ワルキューレの歌は、辺境惑星にはびこる人間の獣性を呼び覚ますヴァ―ル症候群の抑制に有効なのだ。少女歌姫たちを護衛する戦闘機部隊の一員ハヤテ(内田雄馬)は、ある時戦場でワルキューレを追い奔走するフレイアの影を見る。ヴァ―ルとなって襲い掛かる兵士たちの錯乱を、彼女は歌声で鎮める。彼女はワルキューレのメンバーに相応しい少女だった。〔120分〕 | [投票] |
★2 | カツベン!(2019/日) | サイレント映画華やかなりし時代。作品に命を吹き込む「活動弁士」はまぎれもないスターとして映画界に君臨し、人々の賞讃を一身に集めていた。そんな「カツベン」に憧れる俊太郎(成田凌)はフトコロ具合から映画鑑賞もままならぬ中、花形弁士の物真似に血道を上げ、その腕を磨いて初恋の梅子(黒島結菜)を喜ばすのだった。時は流れ、才能を磨いた俊太郎は、老舗の映画館・青木館に就職しようとする。主力の弁士山岡(永瀬正敏)は酒に溺れ、スター弁士の茂木(高良健吾)は対抗相手のタチバナ館に寝返ることを画策し、館主夫婦(竹中直人/渡辺えり)は途方に暮れていたのだ。そして俊太郎の才能が試される瞬間がやってくる。〔126分〕 | [投票] |
★2 | 純平、考え直せ(2018/日) | 新宿・歌舞伎町。ここでチンピラの純平(野村周平)は兄貴分のような立派な「漢」になることを夢に見、あがき続けている。そして親分に対立する組の幹部を撃つ「鉄砲玉」になって出頭しろ、と命じられた彼は、否も応もなく頷く。そんな彼にあるきっかけで会社に踏み込まれたOL加奈(柳ゆり菜)は、彼のカッコ良さに魂を奪われて呆気なく会社を辞め、彼のあとをついてゆくのだった。行動の前の3日間だけ許された美食、愛の遊戯、思いっきりの金の無駄遣い。浮かれた加奈はネットに恋人のことを知らせる。相手にしなかったネット民たちも、次第にこの時代錯誤な恋に夢中になってゆく。だが、その間にも純平の自由に娑婆を味わう日々にも終わりが近づくのだった。〔95分〕 | [投票] |
★2 | 台風家族(2019/日) | 父(藤竜也)が銀行強盗で大金を稼ぎ母(榊原るみ)と失踪してから10年。事件時効につき罰されることはないが世間に迫害を受け続けた鈴木一家が実家に集結した。長男・小鉄(草なぎ剛)が両親の死亡を認め、兄弟たちと財産分与を行なう時が来たのだ。当時の夫と別れ、新たな恋人と蜜月関係にある長女・麗奈(MEGUMI)、小鉄とはウマが合わないエリート社員の次兄・京介(新井浩文)…家族たちは到着し、三男・千尋(中村倫也)の遅れを前に、遺体すらない両親の見せかけの葬儀は始まる。無欲を装いながら金銭欲を隠し遂せられない家族は、それぞれに醜い対立を演じてゆく。そんな中、両親失踪の謎が明らかになり、鈴木家に嵐が巻き起こる。〔108分〕 | [投票] |
★2 | 馬の骨(2018/日) | 平成初期。空前のバンドブームのなか、バンド「馬の骨」は伝説の番組「イカすバンド天国」にて審査員特別賞をもらった。30年後、かつて注目の的となった「馬の骨」のヴォーカル熊田(桐生コウジ)は凋落し、道路警備員となっていた。だがつまらぬ喧嘩で熊田は職を失い、とりあえず安い住処を探してあるシェアハウスに移住することになる。その家で、熊田は地下アイドルのユカ(小島藤子)に出会う。アイドルを卒業しソロシンガーを目指すユカは、ミュージシャンだと偽った熊田に音楽を教えてもらおうとするが、彼女を独占したいヲタク青年垣内(深澤大河)によって熊田は正体を暴かれる。だが、ユカの熱意は熊田の意欲に火をつけた。〔91分〕 | [投票] |
★2 | なぜ生きる 蓮如上人と吉崎炎上(2016/日) | 親鸞が浄土真宗をひらき、苦海のようなこの世からの救済の道を説いてしばらくの年月が流れた。戦国時代のただなかにあって、貧困に負けず生き抜いてきた男・了顕(小西克幸)は、この世を呪い人を疎んじながら生きる気力を求めていた。だが、希望を託した我が子を孕み、一身に尽くしてくれた妻(藤村歩)を事故で失った彼はどん底に突き落とされる。抜け殻のようだった彼に、もう一度人生の意味を考える機会を与えたのが、妻にも教えを説いた親鸞の思想を伝える僧侶・蓮如(里見浩太朗)の法話だった。人は流れに翻弄され、溺死を待つだけだというのになぜ生きるのか。了顕はその意味を聞き生きるために、蓮如の教団に身を投じるのだった。〔84分〕
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★2 | ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ(2018/伊=仏=独) | アドルフ・ヒトラーのナチスは、その方向性を文化面においても徐々に明確なものにしていった。その代表的な政策のひとつが、「大ドイツ芸術展」に代表されるアーリア民族の健康的な生活を賛美する芸術の奨励であり、その一方で堕落した東方諸民族の主導する(といわれる)「退廃芸術」の排斥と追放である。ユダヤ人創作家であるマルク・シャガールら異民族、狂気に裏打ちされた抽象芸術家ヴァシリー・カンディンスキーや黒人芸術を理想化するパブロ・ピカソらがやり玉に挙げられ、かれらの作品群は所蔵家らより巻き上げられ、「退廃芸術展」に展示されたのち消息を絶った。数十万点に及ぶこれら作品群はどこに消えたのか。カメラは消失した幻の名作を追う。〔97分〕 | [投票] |
★2 | 風のある道(1959/日) | 竹島家。長女恵子(北原三枝)は祝福のなか花嫁となり、ひとりの男のものになった。そんな中、次女の直子(芦川いづみ)は式場に向かう車にあって野良犬をはね、病院に搬送して式に遅刻することで母(山根寿子)を嘆かせた。直子が悩むのは、生け花矢田流の後継者である光介(小高雄二)との結婚だ。自信過剰で彼女には愛せないキャラクターである彼よりも、直子は偶然空港で出会った男・小林(葉山良二)という児童施設の素朴な教員に心を動かされるのだった。それを知る三女でフレキシブルな精神をもつ千加子(清水まゆみ)が、姉に求婚しようとする彼を応援するなか、小林はその行動で児童の父兄に睨まれる。〔88分〕 | [投票] |
★2 | プロメア(2019/日) | 江戸の火消しに憧れ、マトイをもって摩天楼の火災鎮圧に奔走するガロ(松山ケンイチ)は、未来の消防隊バーニングレスキューの青年隊員だ。三十年前に現われた、炎を駆使して街に被害をもたらす突然変異体「バーニッシュ」の暗躍に立ち向かい、火災を治めるのがかれらの役目だった。司政官クレイ(堺雅人)の指揮のもと、バーニッシュのテロル組織を追い詰めたガロたちは、若きリーダーのリオ(早乙女太一)を逮捕するが、彼をはじめとする主要メンバーたちは警察隊長ヴァルカン(楠大典)に横取りされ、かれらの権限で護送されるに至った。その扱いに引っかかるものを感じたガロをよそに、リオは部下たちと脱獄を目論む。〔111分〕 | [投票] |
★2 | いつも月夜に米の飯(2018/日) | 独り身の母親・麗子(高橋由美子)に背を向けて、東京で高校生活を満喫していた千代里(山田愛奈)のもとに故郷・新潟より報せが届く。故郷で小料理屋を開いていた母が失踪したというのだ。矢も楯もたまらず帰郷した千代里がやっと店の戸をくぐると、待っていたのは口さがない隣人の勝手な言い分だった。ブチ切れた彼女は人々を締め出し、ひとり残った雇われ料理人のアサダ(和田聰宏)のことばに不服なりとも従って睡眠をとる。翌日にも帰京するつもりの千代里ではあったが、旨い朝食をつくり彼女を気遣ってくれるアサダに惹かれるものを感じ、いつしか今までの生活を捨て彼の手伝いに没頭してゆく。そんなとき、麗子が店に帰ってきた。〔104分〕 [more] | [投票] |
★2 | バースデー・ワンダーランド(2019/日) | いまいち周りに流されるばかりの少女・アカネ(松岡茉優 )は、毎日に飽きて学校をズル休みしたまま誕生日を迎えようとしていた。そんな彼女を叱責することもなく、母ミドリ(麻生久美子)は誕生日プレゼントを自宅で渡してやる、という叔母チィ(杏)のもとに送り出すのだった。いい加減な品揃えの叔母の店を訪ねるアカネだったが、その店にある地下室より彼女に語りかける声に驚く。声の主は異世界の錬金術師ヒポクラテス(市村正親)とその弟子ピポ(東山奈央)であり、迫りくる壊滅より自分たちの世界を守ってくれ、との「女神」アカネへの懇願であった。気が乗らぬ状態で異世界に旅立つ彼女に、破壊者ザン・グ(藤原啓治)が迫る。〔115分〕 | [投票] |
★2 | 真白き富士の嶺(1963/日) | 海岸よりの風も吹き寄せる逗子の邸宅。東京への転居の準備に忙しい梢(芦川いづみ)は主人のいない籐椅子を撫でながら、静かに妹・梓(吉永小百合)のことを回想し、昔に思いを馳せるのだった。梓は長い入院期間を終え、逗子海岸に向かっては思い切り波打ち際を疾走し、羽根を伸ばしていた。彼女の病はもはや治すすべもなく、温情をもって医師が自宅療養を奨めたことを知る父親・修平(宮口精二)や梢は、せめて梓によい思い出を作ってやろうと見守っていたのだ。庭で水まきに興じる梓は、表に通りかかった高校生・富田(浜田光夫)の躰を濡らしてしまった。それ以来ふたりは親密になってゆき、梓のもとに舞い込む大量の手紙に梢は驚くのだった。〔99分〕
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★2 | 愛を語れば変態ですか(2015/日) | あさこ(黒川芽以)と旦那(野間口徹)の夫婦は、仲睦まじく明日から開店するカレーショップの用意をしていた。手伝いをしている弱気なメタボ後輩(川合正悟)も当てられっぱなしだ。そこへバイト店員の応募者がやってくる。自信過剰のフリーター青年(今野浩喜)、妄想過多のあぶないストーカー男(栩原楽人)、そしてワイシャツを血に染めたコワモテの不動産屋(永島敏行)まで…。ここまできて事態の展開に驚く旦那を前に、あさこはそれぞれの男と明確に浮気していたことを匂わせ始めた。さっそく騒動が巻き起こる!演劇畑の福原允則が監督を務めるコメディ作品。〔73分〕 | [投票] |