★2 | ソウル・キッチン(2009/独=仏=伊) | 庶民のためのレストラン、「ソウル・キッチン」。切り盛りする男ジノス(アダム・ボウスドウコス)は平穏なコック生活を続けていたが、突然その日々は崩れ去る。恋人ナディーン(フェリーネ・ロッガン)は一念発起して上海に移住し、税務署は貯まりに貯まった税金を取り立てに現われる。そしてジノス自身も冷蔵庫を移動する最中に腰をやられ、調理ができなくなってしまった。代わりとして、街の本格レストランで高級料理をくさされて客と喧嘩、失職した偏屈シェフ・シェイン(ビロル・ユネル)が招かれるが、その料理は賛否両論で客層は一気に分かれる。そんな折、兄のイリアス(モーリッツ・ブライブトロイ)が久しぶりに娑婆に戻ってくる。〔99分/カラー〕 | [投票] |
★2 | 俗物図鑑(1982/日) | それぞれ一ジャンルに秀でた評論家集団・梁山泊プロの代表を務める雷門(平岡正明)はじめ構成員たちは、根城たるアパートの一室で乱交パーティを装って嬌声を上げ、デバ亀・城(山本晋也)の来訪を待っていた。彼を出歯亀評論家として迎えるためだ。一方TV局では、万引評論家・峰子(栗林由美子)や反吐評論家・片桐(山城新伍)が出演、文芸評論家(四方田犬彦)や主婦連をやりこめていた。マスコミで名を売った彼らの仲間には、性病評論家・華子(朝比奈順子)や自殺評論家・九十九(大林宣彦)らが集まり、彼らは時代の寵児となる。だが彼らをマスコミがおとなしく飼っている訳もなかった。筒井康隆初期名作の映画化。〔89分/カラー〕 | [投票] |
★4 | 英国王のスピーチ(2010/英=豪) | 吃音症によって、属する英国王室の義務を苦痛としか思えないジョージ6世(コリン・ファース)は、父たるジョージ5世(マイケル・ガンボン)によるスピーチの強要により、己の恥を国民に晒し続ける地獄のような日々を送っていた。その妃たるエリザベス(ヘレナ・ボナム・カーター)は夫のために、最善の治療を施す言語聴覚士に依頼を重ねるが、誰も6世の悩みを解消することができなかった。そしてある日、夫妻はオーストラリア系の聴覚士・ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)のもとを訪れるが、その王族をも恐れぬ態度に6世は激怒する。だが、6世は王位を継がねばならぬ運命に晒され、やむなくライオネルの手を借りることとなる。〔118分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜(2011/日) | 銀河移民船団「マクロスフロンティア」を異星獣ヴァジュラの脅威から「歌う」ことで救ったランカ(中島愛)は、一躍「超時空シンデレラ」の異名をとるトップシンガーになっていたが、その一方で彼女の目標であるシェリル(遠藤綾)は余命幾許もないその体で、なんとか歌手としての存在価値を見失うまいとあがいていた。そんなシェリルの利用価値を見限り、ヴァジュラを歌によって手なづけ、フロンティア船団を支配する力をもつ人物とランカを評価するグレイス(井上喜久子)らは陰謀を巡らす。他方、ランカとともに休暇を過ごすアルト(中村悠一)は、ランカのいう「ヴァジュラも感情をもつ生物」との言葉を否定、彼女をあくまで守ることを誓う。〔119分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | ヴィニシウス 愛とボサノヴァの日々(2005/スペイン=ブラジル) | ボサノヴァの法皇と呼ばれたジョアン・ジルベルトや、アントニオ・カルロス・ジョビンなど新音楽の旗手たちに歌詞を提供し続けた男、ヴィニシウス・ヂ・モライス。その情熱的で愛嬌たっぷりな人柄は、ブラジル音楽に携わる多くのミュージシャンに愛された。居を構えたリオデジャネイロにおいて、彼と交流を持ったボサノヴァ・ミュージシャンがヴィニシウスを語り、その存在の大きさを賛美する。映画『黒いオルフェ』や、ボサノヴァの名曲「イパネマの娘」にてその文才を遺憾なく発揮したヴィニシウスの生涯を追って、ミゲル・ファリア監督は人々の証言をセレクトする。〔122分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国(2010/日) | ウルトラセブン(森次晃嗣)の息子ゼロ(宮野真守)が、悪に染まったウルトラ戦士ベリアル(宮迫博之)を葬ってしばらくの後、宇宙は平穏を取り戻したかに見えた。だが、ベリアルの肉体と邪悪な魂は滅び去ってはいなかった!彼は多くの部下たちを従えて一大帝国を築き、さまざまな宇宙に侵略と虐殺の魔手を伸ばしたのだ。惑星エスメラルダの王女エメラナ(土屋太鳳)は、母星の危機を救えなかった鏡の戦士ミラーナイト(緑川光)を悲しみつつも、最後の希望である「バラージの楯」を求めてベリアル艦隊から逃亡する。彼女が出会ったのは、アヌー星の若き戦士ラン(小柳友)だったが、彼は光の国から派遣されたゼロであった。〔100分/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | ノルウェイの森(2010/日) | 高校時代をワタナベ(松山ケンイチ)と共に過ごしたキズキ(高良健吾)はガス自殺でこの世を去り、後に恋人・直子(菊地凛子)を残した。ワタナベは心に深い傷を負った直子をいとおしみ、その体を抱くが、思いのほか心を病んだ彼女はレイコ(霧島れいか)とともに京都の療養所で若き日を過ごすこととなった。ワタナベは読書にふけることで孤独な心を癒そうとするが、そんな彼の前に自由奔放な女・緑(水原希子)が現われる。だが直子への断ち切れぬ思いゆえに、ワタナベの思いは乱れる。村上春樹の世界的ベストセラーをもとに各国の映画人によって再生された物語である。〔133分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★4 | 機動戦士ガンダムUC episode2 赤い彗星(2010/日) | バナージ(内山昂輝)に託された「ラプラスの箱」の鍵。それこそは脳波によって作動する究極のモビルスーツ、ユニコーンであった。彼はその機体のパワーで、ネオジオンの女士官マリーダ(甲斐田裕子)駆る重MSクシャトリヤを退けるも、精神力を使い果たし昏倒する。バナージが目覚めたのは連邦軍戦艦ネェルアーガマの艦内であり、そこには助けられた友人のミコット(戸松遙)とタクヤ(下野紘)、そしてコロニーで出会った少女オードリー(藤村歩)の姿もあった。だが彼女の正体が、ジオン公国王女ミネバであることをバナージは知る。そして「鍵」を追い、赤い彗星の異名を受け継ぐフル・フロンタル(池田秀一)が艦を襲う。〔88分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | 信さん 炭坑町のセレナーデ(2010/日) | 昭和38年。炭坑の島に、離婚して東京を去った美智代(小雪)が、息子の守(中村大地)とともに帰郷してきた。昔ながらに美貌の映える美智代を、島の口さがない連中は早速うわさの種にし始めた。一方、島の悪童どもにカツアゲされそうになった守を、島のガキ大将である信一(小林廉)が救い、たちまち守は信一に惚れ込んでしまった。そんな信一に息子のことで礼を言った美智代は、親愛の情をこめて彼を「信さん」と呼ぶ。その時、信一は恋を知った。信一は美智代に心づくしのプレゼントをするが、駄菓子屋の婆さん(中尾ミエ)や育ての親である叔父(光石研)は盗んだものとみて叱責する。そんな日々の中、炭坑は次第に滅びてゆく。〔108分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 七瀬ふたたび(2010/日) | テレパス火田七瀬(芦名星)は、自分の能力が社会にとって脅威であることを悟り、同じくテレパスである少年ノリオ(今井悠貴)、念動力者ヘンリー(ダンテ・カーヴァー)とともに地方の山奥に家をもち、彼女が時折カジノで稼ぐことで生活を続けていた。だが七瀬の指示により、ヘンリーが悪の透視能力者を抹殺した一件は警察で問題となり、老刑事山木(平泉成)は犯罪の匂いを嗅ぎつける。そして同席した謎の人物・狩谷(吉田栄作)は不気味な笑みを浮かべるのだった。そんな折、七瀬と海外のカジノで親しくなった瑠璃(前田愛)は同じ飛行機で帰国するが、彼女らを付け狙う男たちが暗躍する。筒井康隆執筆50周年記念作品。〔105分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★2 | 大奥(2010/日) | もう一つの江戸時代。日本に若い男だけを死に至らしめる謎の疫病が蔓延した。男子の人口は女子の1/4までに減少し、主だった仕事は全て女性が担当、男は子種を求める女たちに金を貰い、生き延びる道を選んだ。そんな中、貧乏旗本のせがれである水野祐之進(二宮和也)は幼馴染のお信(堀北真希)との愛情を育みながらも、家のために、江戸城の大奥に仕官することを決意する。大奥…それは「美男三千人」が一人の女将軍に仕える、女人禁制の場であった。そこに君臨する将軍として、新たな女丈夫・徳川吉宗(柴咲コウ)が紀州よりやって来た。だが、貧困に喘ぐ民衆を目の当たりにした彼女は、この日本を根底から覆す改革案を胸に抱いていた。[116分/カラー/ヴィスタ] | [投票] |
★1 | シスタースマイル ドミニクの歌(2009/仏=ベルギー) | ベルギーの平凡な商家に生まれたジャニーヌ(セシル・ドゥ・フランス)は平穏無事な主婦となることを拒み、修道院の門をくぐった。厳格な母・ガブリエル(ジョー・デスール)の実質上の絶縁宣言をものともせず、彼女は新たな居場所でも権威に楯突き、自らの信じる正義のみを貫き、修道院長(クリス・ロメ)らを心配させていた。そして、ジャニーヌはドメニコ修道会を作った聖ドミニクを歌った一曲『ドミニク』をマスコミに取り上げられ、一躍スターダムに上りつめる。だが、修道院長は彼女が顔や名前を世界に公表することを固く禁ずる。謎のシスターとして時代の寵児となった彼女は、修道会を出て自らの声のみで勝負することを誓う。〔124分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | オカンの嫁入り(2010/日) | 陽子(大竹しのぶ)とその娘・月子(宮崎あおい)は、とうの昔に大黒柱を失いながらも、親子ふたり仲むつまじく暮らしていた。だがある夜、真夜中に泥酔して帰ってきた陽子の連れてきた男に月子は仰天する。その金髪リーゼントの青年は研二(桐谷健太)といい、陽子は彼と結婚すると言い放つのだ。あまりのことに母に言い返す言葉もなく、大家のサク(絵沢萌子)の家に入り浸り、二人を無視しようとする月子。そうしているうちに、月子は会社の同僚(林泰文)の異常な求愛を受け、外出恐怖症になってしまう。そんな彼女に陽子の勤め先の医師・村上(國村隼】)は、かつて陽子に求婚し、断られた理由を語る。〔110分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | カラフル(2010/日) | 死者の世界の門で、死んだはずの少年は天使まがいの「プラプラ」(まいける)に転生のチャンスを告げられる。少年が適正テストを受け、合格すれば輪廻の輪に魂は再び組み込まれるというのだ。…そして彼は自殺した少年・小林真(冨澤風斗)として復活した。真は家族たちに驚愕と歓喜を持って迎えられるが、父(高橋克実)は優柔不断な極楽トンボ、兄(中尾明慶)は受験一辺倒のエゴイスト、そして母(麻生久美子)は真に事毎に世話を焼きはしたものの、実は真の自殺の原因を作ったある事件を引き起こした女であることで、すっかりこの家が嫌になってしまう。そして学校に行った真は、自分がどんな少年であったかを知るのだった。〔127分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | ビルマVJ 消された革命(2008/デンマーク) | 長期にわたるビルマ軍部の独裁に、民衆が反旗を翻し、民主化の機運が高まって久しい。その旗手たるアウンサン・スーチーは、反政府集会に集まった僧侶たちや民衆を前にこの国の未来を語った。だが民主化運動はもろくも軍部に蹂躙され、スーチーは自宅に軟禁された。ここに至り、在外ビルマ人組織「ビルマ民主の声」は、ビルマ内部に侵入するヴィデオジャーナリストたちの持ち帰った戦果を世界に提供、母国に自由を取り戻すべく戦い続ける。そのカメラは、軍の射撃により一命を落とした日本人ジャーナリスト、長井健司の最期をも捉えていた。〔85分/カラー/ブルーレイ〕 | [投票] |
★2 | パパラッツィ(1963/仏) | ジャン・リュック・ゴダールの作品『軽蔑』の撮影のため、他のスタッフや俳優達とともにブリジット・バルドーはロケ地のカプリ島へ渡った。だが、当時の彼女は常に世界の雑誌の表紙を飾り続けるセックス・シンボルであり、彼女の一挙手一投足をカメラに収めるべく、パパラッツィどもはあらゆる手段でカプリ島に侵入し、シャッターチャンスを狙う。本編は彼らに立ち向かい、撮影を無事に敢行させようとする映画スタッフとバルドーその人の姿を追う。〔20分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★2 | バルドー/ゴダール(1963/仏) | ジャン・リュック・ゴダール監督の作品『軽蔑』のメイキングフィルムシリーズとして、『パパラッツィ』とともに二部作を成すジャック・ロジエ作品のひとつ。作品としては撮影されてゆく『軽蔑』を通して、ブリジット・バルドーと監督とのよき関係が時にシャープに、時にユーモラスにフィルム上に焼きつけられてゆく内容である。〔10分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | ブルー・ジーンズ(1958/仏) | ジーンズを穿き、スクーターに跨ってカンヌの海岸通りにやって来たルネ(ルネ・フェロ)とダニー(フランシス・ド・ベレッティ)の目的は女の子漁りであった。さっそく見境なしに道行く女の子に声をかけまくるが、世の中は甘くはなく悉く振られる二人。それでもやっと誘いに応じたのは、ビキニ姿のバベット(エリザベット・クラール)とロール(ロール・コレッティ)だった。彼女らとドライヴに繰り出したのは良かったが、ガス欠になり金のない二人は、スクーター一台をスタンドに預けてゆかざるを得なかった。それでも息の合った四人は、砂浜で思う存分遊びまわる。ジャック・ロジエの出世作となった短編。〔23分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | オルエットの方へ(1969/仏) | 9月初めの海辺の街。ここにヴァカンスを楽しみにやってきたキャロリーヌ(キャロリーヌ・カルティエ)、ジョエル(ダニエル・クロワジ)、カリーン(フランソワーズ・ゲガン)の三人娘は、大はしゃぎで別荘と海で遊びまわる。皆とともに騒ぐジョエルの元に現れた上司ジルベール(ベルナール・メネス)は彼女の親切心を期待して別荘に乗り込むが、娘たちの団結はそれを許さず、彼は庭のテントに追いやられるのだった。そんなジョエルたちの前に現れた男パトリック(パトリック・ヴェルデ)に、ジョエルは心ときめくものの彼の目当てはカリーンだった。彼の存在が三人の間に不和を呼び、カリーンはパトリックとも喧嘩をする。〔161分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | メーヌ・オセアン(1985/仏) | 列車に乗っていたブラジル人ダンサー、デジャニラ(ロザ・マリア・ゴメス)は車掌のリュシアン(ルイス・レゴ)に切符のことで罰金を要求されるが、フランス語の話せない彼女はしどろもどろ状態。そこへやってきた女弁護士(リディア・フェルド)は、デジャニラとリュシアンの通訳に立つものの、次第に車掌を悪者扱いして攻撃し始める。混乱の中、列車はアンジェの町に到着、女弁護士は彼女の依頼人たる漁師プチガ(イヴ・アフォンソ)とともに降り立つ。そしてヴァカンスの季節、プチガの島に滞在していた弁護士とデジャニラは、車掌とその上司(ベルナール・ムネーズ)がやってくるのに出くわす。さっそく大騒動が始まった。〔135分/スコープ/カラー〕 | [投票] |