[POV: a Point of View]
ゲンダイ外国語辞典-副読本ラテン語源編
普段良く目にして記憶に残りやすい映画タイトルは、外国語の語彙を増やすのに最適。というわけで第二弾。主にスペイン語などラテン語起源の原題を取り上げて、なるべく学習者人口の多い英語にも結びつくよう、ちょっとした語彙の解説をします。知らない言語も知っているものと結びつくと面白いので、楽しんで頂きたいです。邦題が付いている場合も多いので作品ページで原題を確認してね。
A | 天国の口、終りの楽園。(2001/米=メキシコ) | "Y tu mama tambien"=君のお母さんも。セリフ(見てのお楽しみ)でもあるが、何か生の痛みを象徴するよう… | ||
A | ミラクル・ぺティント(1998/スペイン) | milagro=<英>miracle。LとRが逆ですが、スペ語ではよくある。実際違いを聞き取るのも日本人には大変。 | [comment] | |
A | アモーレス・ペロス(2000/メキシコ) | Perroは巻き舌で発音。猥雑さ・欲望・孤独を象徴する「犬」。劇中の犬のことだけを言っているのではない… | [comment] | |
A | オール・アバウト・マイ・マザー(1999/仏=スペイン) | 何故か邦題は英語ですが、原題トド・ソブレ・ミ・マドレ(と読む)は英語の通り。ちなみにfather=padre。 | ||
A | 海を飛ぶ夢(2004/スペイン) | Mar=海、adentro=中、内面の(へ・に)。英題「シー・インサイド」を使われなかっただけでも満足です…。 | ||
A | オープン・ユア・アイズ(1997/仏=スペイン) | 邦題に英語を使うのはもう常套手段。原題「アブレ・ロス・オホス」の直訳。abrir=ひらく、ojos=目。 | ||
A | エビータ(1996/米) | 人名ですが、スペイン語圏ではよく-itaをつけて愛称で呼ぶ、ということで。本名はEva。男性は-itoです。 | [comment] | |
A | アタメ 私をしばって!(1990/スペイン) | 広がる話はないんですがなんか加えたかったので。atar(縛る)+meでまさしく「私をしばって!」。「!」ね。 | ||
A | 10億分の1の男(2001/スペイン) | 邦題と違ってシンプル。Intacto=手を触れられていなかったり、無傷であること。 | ||
A | アミスタッド(1997/米) | 劇中のスペインの船であるamistad号から。amistad=友情。amigo=友達 はご存知のとおり。 | ||
A | 蝶の舌(1999/スペイン) | Lengua=舌/言語。英語ではlanguage(言語)が同語源ですが、「舌」の意も持つのはゲルマン語源のtongueの方。 | ||
A | エル・スール −南−(1983/スペイン=仏) | el sur=南。北norte、東este、西oeste。ゲルマン語源の<英>south, north, east, westも繋がりは明らか。 | ||
A | 死んでしまったら私のことなんか誰も話さない(1995/スペイン) | 長いので一語を。muerto=dead, death。morir=死ぬ。<英>mortal(致命的な),mortician(葬儀屋)も同語源。 | ||
A | バスを待ちながら(2000/独=仏=スペイン=キューバ=メキシコ) | リスタ・デ・エスペラ=waiting list。esperar=待つ,期待する。<英>expect(予期する)と同語源? | ||
A | どつかれてアンダルシア(仮)(1999/スペイン) | muerto=死。risa=笑い。つまり「笑いの死」。含蓄ある(?)。<英>risible=笑い性、滑稽という語がある。 | ||
A | 赤い薔薇ソースの伝説(1992/メキシコ) | 原題como agua para chocolate(チョコに水を混ぜたみたいに)とははらわたが煮えくり返っている、の意。 | ||
A | ハモンハモン(1992/スペイン) | Jamon=ハム。会話の中にも登場するのですが、下品な言い方で「おいしそうな」男・女という意味も。 | ||
A | アマロ神父の罪(2002/メキシコ) | Crimen=罪、padre=(神)父。El crimen de〜は、"〜"が犯した罪とは限らず"〜"に対し行われたものも含む | ||
A | バッド・エデュケーション(2004/スペイン) | Mal(a)=悪い、educacion=教育、振る舞い、行儀。いい加減英語で邦題つけるのやめてほすぃ。 | ||
B | ライフ・イズ・ビューティフル(1997/伊) | vita(西語はvida。生活・生命)はあちこちに見られ、<英>vital(生命の、死活の)やvitaminの語源も同じ。 | [comment] |
A:スペイン語、B:イタリア語、C:フランス語の原題。まだ増えるかも。アルシュ様のPOV「タイトルの意味を知る喜びと歓び、そして悦び 」あり。
この映画が好きな人達このPOVを気に入った人達 (8 人) | AKINDO Yasu tat ゼロゼロUFO ゆーこ and One thing セネダ アルシュ KADAGIO |