[POV: a Point of View]
バイブル佐藤忠男著「世界映画一〇〇選」秋田書店・昭和49年刊
小6で買ったこの本は今でもチョクチョク読み返す。100本の映画を死ぬまでに全部映画館で見たいものだ。A〜Gは各1910年代〜1970年代を分別。極私的POV。
G | 死刑台のメロディ(1970/伊=仏) | アジ映画かも知れぬが、事実はどうであれ、反共のスケープゴートになった靴屋と魚屋が7年間の裁判を戦い抜いて自由主義の闘士の如き風貌をたたえる様は感動的で、主演2人は文句無く素晴らしい。 | 投票(1) | |
G | アンドレイ・ルブリョフ(1967/露) | 圧政と暴虐と戦禍の中世ロシアの混沌の中を通過していく画僧たち。その混迷と殺戮に塗れてルブリョフは心を折る。やがて1人の鐘職人の少年が現れて、という真説話的な展開。挿話は土着的リアリズムに根差しつつ壮大なハッタリとカオスに満ちた映画の本懐。 | 投票(2) | |
G | ラスト・ショー(1971/米) | 黄昏の田舎町でゆっくりと死んでいく人々。ベトナムは遠く少年達は少年らしく今を受容するだけ。アカデミーのジョンソンとリーチマンも良いが若干の生気を発するエレン・バーステインが救い。 | 投票(4) | |
G | ロイ・ビーン(1972/米) | 酒場の大殺戮から始まり街を破壊し尽くし粉塵に帰すで終わるフォークロア。序盤のトニ・パキの浄化や終盤のジャッキーの清廉とエヴァの大見得と役者陣も伝説味を帯同しメフィストキーチが中盤のダレ場を救う。幸運な磁場が映画を支配してる。 | 投票 | |
G | 叫びとささやき(1972/スウェーデン) | モノクロームの表現主義に傾倒してきた映像作家が虚飾を脱いで彩色世界で曝け出した女性観が血の色だというのが生々しくキツい。手法の変化という以上にベルイマンの内なるミソジニーが全開された転換点。だが先鋭的な神秘主義が後退したのが物足りない。 | 投票 | |
G | 惑星ソラリス(1972/露) | SFと言う意匠を纏ったからにはどうしてもそれなりのエフェクトを期待してしまうので、ステーションの厚みのないセット美術やソラリスの表層的な海面の造形が喪失を描きたいタルコフスキーの本懐を妨げる。地上の実景が内省を表象する前半こそが圧倒的。 | 投票 | |
G | スケアクロウ(1973/米) | 漫画のようにキメキメの寓話めいた出会いのシーンから始まる割には寒々しいリアリズムな世界で終始するのが少しバランスを欠いてるように感じた。役者は巧いが侠気はあるにしても我儘な男と利己主義なのに未練がましい2人は感情移入しにくい。 | 投票(2) | |
G | 時計じかけのオレンジ(1971/英) | 勿体ぶって終始虚仮威しをカマしてるが実はハッタリばっかりであったという脳内構成映画。舞踏めいた殺陣の胡散臭さと超広角レンズにコマ落としの映像幼児性はアナーキズムの敗北を戯画化するだけ。そこには、真に撃つべき対象への畏怖が欠落しているのだ。 | 投票(1) | |
G | WR:オルガニズムの神秘(1971/独=ユーゴスラビア) | |||
G | ジョニーは戦場へ行った(1971/米) | |||
G | ワーニャ伯父さん(1971/露) | |||
G | 黒い砂漠(1972/伊) |
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