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[POV: a Point of View]
バイブル
佐藤忠男著「世界映画一〇〇選」秋田書店・昭和49年刊

小6で買ったこの本は今でもチョクチョク読み返す。100本の映画を死ぬまでに全部映画館で見たいものだ。A〜Gは各1910年代〜1970年代を分別。極私的POV。
C★3吸血鬼(1932/独=仏)即物的で感情移入の余地がない会話が世界を孤絶させその異郷感は禍々しさ一歩手前なのだが突き抜け切れない。ジャンルムービーの予断がそうさせるから。棺桶視線による仰角移動の街並みの陳腐や杭打ちの哀れ白骨標本化のトホホや悪漢医師の粉塗れの刑の冗長。投票(1)
C★0女だけの都(1935/仏)
C★0にんじん(1932/仏)
C★0三文オペラ(1931/独)
C★0未完成交響楽(1933/独=オーストリア)
C★0大地(1930/露)
C★0オペラハット(1936/米)
D★5市民ケーン(1941/米)ヒッチ的マクガフィンと等価の「バラのつぼみ」。ケーンはウェルズに本気で語られる対象ではなく、己の内の圧倒的表現渇望を吐露する方便でしかない。真の天才とキャリア終焉期の老獪な撮影者との邂逅。パンフォーカスに留まらぬ超絶技巧の釣瓶打ち。投票(1)
D★5怒りの葡萄(1940/米)現実に貧乏な時代に作られたからこそのリアリティと現実に家族が固い絆で結ばれていた時代だからこその感銘が抜きん出ている40年代フォードの貧乏アメリカ3部作の初作にして最高作。トーランドの撮影も特筆もの。投票(4)
D★4生きるべきか死ぬべきか(1942/米)練り込まれた脚本は完膚無きまでの隙の無さで文句のつけようもない。天才の秀でた個人芸に依らずシチュエーションのグラインドのみで時代の変遷に拮抗できるのは時流に阿っていないからだ。それが品格なのだろうが古典落語より下世話な漫才が俺は好きなのだ。投票
D★4チャップリンの 独裁者(1940/米)独裁者パートは時間に追われる設定がスピード感を煽りギャグ積載量も豊富で澱むところ無くチャップリンの潜在悪意が垣間見える際どさ。その分そう悪くもない床屋パートが凡庸に見えてしまうが、恒久平和をベタベタに謳いバランスをとる。食えない野郎だ。投票
D★4天井桟敷の人々(1945/仏)占領下故に仏活動屋の気骨が凝縮された大通俗絵巻のスケールと緩み無さだが、大衆文学的人物配置のなか、役者や無頼詩人のキャラ造形の安定的強度に比し、ギャランスもバチストも今いち生半可で牽引力を持ち得ない。その浪漫主義こそがフランスなのだろうが。投票(2)
D★4揺れる大地 海の挿話(1948/伊)煎じ詰めれば家族一族の話で、この流れは『若者のすべて』経由で『山猫』で結実する。資本家に搾取される労働者よ立ち上がれの威勢は凄まじいが流転した挙句に没落身上のヴィスコンティの本質が表出。アルド撮影が神懸かり的で早朝の海は神話的だ。投票(1)
D★3無防備都市(1945/伊)作り込んだと思しきドラマトゥルギーはアンナ・マニヤーニのシーンを除くと実は発露にさえ至っていない。解放直後のエモーションとリアルな風景と制約から生じた既存文法の破壊。それらは戦略的に付与されたものではなかったのだと思う。投票(2)
D★0心の旅路(1942/米)
D★0黄色いリボン(1949/米)
D★0自転車泥棒(1948/伊)
D★0女相続人(1949/米)
D★0戦火のかなた(1946/伊)
D★0靴みがき(1946/伊)
未登録作品:『生恋死恋』『人生の関所』『過去からの呼び声』『君の同時代人』『ルシア』『エミタイ』『義士安重根』又『黄色いリボン』と『大地のうた』は三部作として挙げられたものを代替した。
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このPOVを気に入った人達 (8 人)HW Santa Monica トシ ぽんしゅう 寒山拾得 町田 くたー