★3 | 金閣寺(1976/日) | 青年の「唾棄すべき現世」というモノが本作では見えてこない(描き切れていない)。故に「生=性」としか捉えぬ三島由紀夫の偏った一面ばかりが強調される。これではアノ怖ろしい市川崑の『炎上』に及ぶべくも無い。安心して鑑賞出来てしまう。 | [投票] |
★3 | 雲霧仁左衛門(1978/日) | 池波正太郎の原作はきっとこんな筈じゃないんだろうなと思わせる。2時間40分の長尺にも関わらず旨みがこぼれ落ちているのが分かる。そんな旨みを拾い集めて連続TVドラマにすべき(その程度の)作品であった。 | [投票(1)] |
★3 | 音楽(1972/日) | 増村保造+三島由紀夫という香り高き高尚な作品なのだろうが、ロマンポルノを演劇かぶれの青年たちが演るとこんな作品になっちゃうんだろうなっていう感想。憂鬱です。それ以下でもそれ以上でもない。 | [投票] |
★4 | ヒトラー 最期の12日間(2004/独=伊=オーストリア) | 同盟国日本では到底これからも制作企画すら出来ない作品。 [review] | [投票(6)] |
★3 | 聖職の碑(1978/日) | 前半部の冗長さと違和感、それらがラストで収束する様は小気味良ささえ感じる構造である。だが、ミスキャストは否めない。鶴田叔父貴と志麻姐の夢の共演ならば任侠の世界に想いが馳せてしまう。 | [投票] |
★4 | 破戒(1962/日) | 原作の主人公・丑松の名をとり「丑松思想」という言葉まで暗躍する世界。本作に本気でコメントするなら社会的に抹殺される覚悟まで必要なのか?・・・・最近の京都市役所に絡む問題も風化させるのだろうか・・ [review] | [投票(1)] |
★4 | 傷だらけの人生(1971/日) | いつもの定番通りの一作ではある。が、それでも心震わせられるのは「日本人のDNA」の成せる業なのだろうか。邦画の歴史において鶴田浩二がスクリーンに映っている瞬間は引締まった時間と言っていい。幸福だった時間である。 [review] | [投票] |
★2 | ステルス(2005/米) | 北朝鮮人民軍兵士たちが哀れだ。ロシア軍パイロットたちが不憫だ。ふたりの愛は無数の屍の上にある。それに気づかない無邪気な映画。本当に怖い映画だった。 [review] | [投票(1)] |
★4 | 未知への飛行(1964/米) | 誰も止める事が出来ない爆撃機の編隊が突き進む。コミュニケーションすら出来ぬ状況で刻一刻と危機に向かって飛行する様を「世論」に置き換えて見よ。あの爆撃機隊は今も世界のどこかを彷徨っているのかも知れない。 | [投票(1)] |
★5 | クラッシュ(2005/米=独) | 構成・編集の見事さ、各エピソードの設定の奥深さ。あまりにも多くのテーマを内包しつつもそれを確実に一つずつ仕留めていく技量に何もかも忘れて称賛したい。人種問題については、今でしか作れない「アメリカの怯え」を感じた。 [review] | [投票(7)] |
★3 | ブロークバック・マウンテン(2005/米) | ふたりの男を丹念に描く技量とそれを演じた役者は素晴らしかった。だが、設定をノーマルな男と女の関係に置き換えたとしたら、この程度の脚本・このストーリーでこれだけの賞を獲れたのかは疑問だ。少なくとも私には満足できる内容ではなかった。 | [投票(4)] |
★4 | カーズ(2006/米) | 「アニメの実写化」という言葉は本作の公開で死語になってしまったと思う。実写としか思えぬ背景を背に動くキャラクター。この違和感の無い世界を作り上げた事は称賛しつくせぬ功績だ。また映画は新しい次元に進んだのか。 | [投票(1)] |
★2 | ナイルの宝石(1985/米) | 「米人による誤解だらけの先入観で撮られた日本の画」を鑑賞する時の苛立たしさに似た感覚を覚えた。私がエジプト人に対し謝っても意味ないが、そうでもしないとやり切れない辛さが作品に充満している。 | [投票(1)] |
★3 | イラク―ヤシの影で(2005/豪) | 「私たち」は開かれた先進国で、自由な情報で、すべてを熟知していたはずだった。「私たち」は彼等の故郷にいったい何をしてしまったのだろう。 [review] | [投票] |
★4 | トラック野郎・望郷一番星(1976/日) | どうせB級映画・・のつもりのはずが、中盤からあれよあれよと昇華していく変貌振りに、そしてその上感動までしてしまっている自分に一番驚く。 [review] | [投票(2)] |
★3 | Death Note デスノート 前編(2006/日) | 並み居る名作・大作を押しのけて、3,600円という2本分もの鑑賞料金を設定するからにはさぞかし凄い作品なのだろう。映画ファンに対する挑発なのだとしたら、こちらも覚悟して鑑賞させてもらう。コメントは後編を見てからだよなぁ・・
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★2 | Death Note デスノート the Last name(2006/日) | 原作のファンならともかく、この程度の作品が本当に前・後編という超大作ばりの公開をされ、連日マスコミで騒ぎたてられる状況はどうなんだろうか?TVドラマの域を一歩も出ない内容に「邦画」は壊されていくべきではない。 | [投票] |
★2 | アラモ(2004/米) | 誰が主役なのか定まらない苛立ちすら次第に眠気に取って代わる。声高に「愛国」を叫ぶのが格好悪い現代だからか、妙な言い訳ばかりがちらちら散見できる鬱陶しさ。こういう題材はJ・ウェインのようにお馬鹿映画に徹した方が良いのです。 | [投票] |
★4 | THE 有頂天ホテル(2005/日) | 精巧な時計の内部を見るように、いくつもの歯車が様々な動きをしている。だが、それらは皆、時を刻むというたったひとつの行為に集約される。計算されつくした複雑な歯車を設計・指揮するこの才能を認めざるを得ない(悔しいけど・・) | [投票(1)] |
★4 | 吸血鬼ゴケミドロ(1968/日) | 何という秀逸な設定か。B級臭漂う中、人間ドラマあり、果てはベトナム戦争批判まで内包する混沌がリメイク願望をたぎらせる。ただのB級をことさら祀り上げる気はないが、これはただのB級として忘れられる存在ではない。血が騒ぐ映画だ。 | [投票] |