★5 | 張込み(1957/日) | 先ずはタイトルロゴを出すタイミングが絶妙。汗が滴る九州の暑い夏・向かいの旅館での覗き、いや張込みか。決して派手な事は起こらないが、ずっと見入ってしまう魅力がある。刑事を中心とした周りの人々も丹念に描かれ、何か佐賀へ旅した気分にもさせてくれる。ミステリーと言うより、女性の本音と建前・一刑事の前向きな心情の変化を、地道な張込みを通して活写した人間ドラマ部分に比重が置かれている。これは気に入った。 | [投票(1)] |
★3 | 電送人間(1960/日) | 冒頭からして「さあさあスリラーハウスへいらっしゃい!」と言う位だから、シリーズ中スリラー度は随一だ。徹底して復讐のみに奔走する犯人や電送エフェクトの奇怪な雰囲気もなかなか。だが、ご都合的な部分がやけに多くツッコミ所も満載。特にラストのタイミングばっちりさは物凄い。 | [投票] |
★3 | 美女と液体人間(1958/日) | 中盤過ぎ迄は液体人間の核心に迫ろうとする捜査ものとして楽しめる。が、地下水道での殲滅作戦の何となくテキトーな描写、液体人間のイマイチ曖昧と言うかパッとしない正体・行動、そしてヒロインの存在意味の薄さ等、後半になって一気に不満点が出てきた。ラストのモノローグも今となっちゃやはり陳腐に聞こえる。 [review] | [投票(1)] |
★3 | さらば箱舟(1982/日) | 良くは分からないが、どうも達観しちゃった雰囲気が感じ取れて、観てる方としては猥雑なパワーをもっと受けたかった。見世物小屋や時計に纏わるエピソード、自分探しのトリップも焼き直しに留まった模様。個人的には一時ハマったオキナワの景色を楽しもうとも思ったが、それもイマイチ気持ちよくない。 | [投票] |
★4 | 狙撃(1968/日) | なんとなく007ぽい。「ゴールドフィンガー」の殺人ハットの用心棒を思わせる無口な敵殺し屋・トヨタ2000GT(前期型)は「二度死ぬ」だし、浅丘ルリ子もボンドガールっぽい美しさ、そして極力ド日本な風景を排した映像。全く不可解なニューギニアダンスも好む処だ。加山雄三の坊や顔も逆にいいと思ってしまう不思議な味の作品だった。 | [投票(3)] |
★3 | 金環蝕(1975/日) | ダム工事発注に於ける汚職事件を適度な見せ場を盛り込みつつ、金の魔力に寝返る人間の弱さ・欲深さを明快に描いている。まずまず観れるが、後半になると裏工作のオンパレードに「またか」といった感じで飽きてくる。でも「金環蝕」って題名はこの作品にピッタリだな。この題名は素晴らしい。 | [投票(1)] |
★2 | 地獄(1979/日) | 「地獄」っていう題名なのに「あの世」の地獄感が希薄。まあ「この世」も地獄と言いたいのだろうが、ある一定レベルの平和が「この世」にあってこそ「あの世」=「地獄」が輝くわけで、「この世」を地獄的にしか見せてない本作では「あの世の地獄」が萎れる。絵的な問題というよりバランスの問題だ。 | [投票] |
★2 | 鉄男 TETSUO(1989/日) | 中盤くらい迄はまあいいとして、終始同じトーンで進むので、まあ、飽きますわな。ストーリーを追いかける必要も無いし。ビジュアルセンスがいいのか悪いのかは良く分からないが、音楽だけは良かった。しかしこの出来には、石立鉄男氏もさぞ苦虫をかみつぶしたことだろう。 | [投票(1)] |
★4 | 白い巨塔(1966/日) | 医学界の話だけあって誰にも感情移入はできないが、二枚腰、三枚腰の吹き荒れるパワーゲームに150分間全く気を抜く暇なし。結局落ち着く所に落ち着いた感じだが、簡潔で分かり易い演出なので、娯楽サスペンスとしても存分に楽しめる。患者となる側からすれば、ラストショットは底冷えするような怖さもあった。 | [投票] |
★4 | 仁義なき戦い(1973/日) | 何だかんだ言いながら皆それぞれ言うことに一理ある。だから一見メチャクチャな抗争も固唾を呑んで観ることが出来るんだな。やっぱ梅宮辰夫演じる若杉が一番好き。観たことない人でもテーマ曲だけは知っているというヤクザ映画の金字塔。 [review] | [投票] |
★4 | フリーズ・ミー(2000/日) | それぞれ訪問してくる三人のブチ切れ演技がギリギリのところでリアリティを保っている。井上晴美もオッパイ丸出しの体当たりフリーザー女を好演。徐々に氷のように凍てついた狂気へと移る様に一種異様なカタルシスを感じた。一番の見所は、「死ね」を連発し異常なまでにTVゲームに熱中する竹中直人。笑える。 | [投票] |
★2 | 妖星ゴラス(1962/日) | 世界各国手を合わせ、人間一人一人も手を合わせ、問題に一丸となる。理想だ。だが今現在本作を観ると(初見だが)、あまりにもフラットで恐れを知らない人物描写に違和感を受ける。本作は地球という物質の危機を見せているだけで、人類の危機はこれっぽっちも見せてない。終末SFを期待した俺には甘々。 | [投票(1)] |
★3 | 病院坂の首縊りの家(1979/日) | 人間関係が複雑な割りにオドロオドロしい情念の奥行きを今回はあまり感じない。草刈正雄の飄々とした似非探偵ぶりは良かったし、涼をとるには生首風鈴がおすすめだというのはよくわかった。このシリーズは個人的に謎解きよりもキャストや舞台が魅力的。 | [投票] |
★3 | ショーン・オブ・ザ・デッド(2004/英) | ユニバーサルのロゴに「ゾンビ」の音楽(ゴブリンではない)が重なるオープニングにワクワク。しかし・・・ [review] | [投票(3)] |
★4 | ボクサー(1977/日) | ボクシング映画としては予定調和に収まりながらも、ドス声菅原文太と手負いの黒豹のような清水健太郎の二人三脚男気物語に素直にシビレた。港付近での延々と続く練習風景は「女入るべからず」なハードさが漂い、何処へ離散していく周囲の人々(犬も)が、よりリングの二人を際立たせた。 | [投票(1)] |
★3 | ある殺し屋(1967/日) | 律儀でマイペースな殺し屋・塩沢を象徴する様なテーマ曲に始まり、曲者3人の三つ巴を時間軸を巧みに交錯してタルみ無く一気に見せる。ただ、見せ場でもあるパーティー会場での殺しは、中村主水的セコさで思わず苦笑い。もう少し逸脱した展開でもよかったかな。 | [投票(1)] |
★4 | 遊びの時間は終らない(1991/日) | 冷静にツっこめばいくらでもツっこめるが、現実味を無視して警察組織の不甲斐なさをブラックな笑いで浮かび上がらせる。ノれない人はとことんノれない可能性もあるが、俺はニヤニヤしっ放し。特に、本部長の死に様?は最高だ。極端に言えば、一滴の血も流さない凶悪犯罪映画とも。 | [投票(1)] |
★5 | ガス人間第一号(1960/日) | リアル路線の犯罪捜査ものに日本舞踊の家元を絡ませ格式を上げ、中盤からは俄然SF色を濃厚にし全く無駄のないプロットで突っ走る。そして突っ走った先には涙ながらの幸せ(と俺は思いたい)が待っていた。特撮・効果音、登場人物といい、こりゃ完璧だわ。 | [投票(3)] |
★4 | 書を捨てよ町へ出よう(1971/日) | 「今時周りの人間を気遣う奴がいるか。皆、自分の事ばっか考えている」というセリフがあるが、都会では30年以上前でも人間関係の希薄さは既に蔓延していたことに驚き、そして妙な安堵感を覚えた。いつの時代も人は孤独とは切っても切れない関係にあるんだろう。 | [投票] |
★2 | 殺しの烙印(1967/日) | 常に素っ裸で発情している妻と、何度も挿入される歌が脳裏に焼きつく。ただ、No.1の「これが俺のやり方だ」って言う殺しは回りくどいだけで、観ていて「さっさとしてくれないか」感倍増。ん〜、どうもピンとこなかった。 | [投票(1)] |