[コメント] 家族ゲーム(1983/日)
20年後に再び観なおすと、今では理想の家族像に逆転してしまっていた。若造の優作にいったい何がわかるんだっ!
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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過保護な母親だっていいじゃないか。子供との向き合い方がわからない父親だって構わないじゃないか。
この親は子供の将来を心配している。父の伊丹十三はなけなしの貯金までつぎ込んで子供の成績を上げようとする。
20年前に「表面的」な「家族関係」を嘲笑した若い観客たちは20年後の今日、自分が嘲笑したはずの「家族ゲーム」を必死でなぞっている。いや、これを目標にしている家族すらあるだろう。
あの頃に理想とされた家族像は、その後もろくも崩れ去り、家庭内暴力の嵐が吹き荒れ、嘲笑したはずの「家族ゲーム」が実は親たちの必死の努力の結果だった事に気づいたのだ。
子供の視線からすれば、20年経とうが何ら変わってない事に気づくだろう。しかし、親の視線にたってこれを見れば、何とけなげにがんばる親なんだろうと感じる。
若造の優作にいったい何がわかるんだっ!最後にテーブルをひっくり返すべきは伊丹十三だったのではないか?
伊丹十三は最後に松田優作を殴り返して、家族に言い放つべきだったのだ。「俺も一生懸命にがんばってるんだっ!」と。
がんばれ!中年! 自信を持つんだ!
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