[コメント] パッチギ!(2004/日)
いい映画だなあ。青春の息吹がみなぎっている。ラストに向かうまでのみんなの激しい鼓動。うごめく心。動きようのない閉塞性。そのとき青春していた私としてはまことに自分の私小説のような映画で緩やかなほほを伝わる涙が時代を超えた。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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主演者があまり知らない俳優であったのがまず新鮮だった。特にあのカップルはいい。沢尻エリカさんはここ10年では僕の好きな日本人女優さんのベスト。大物になりそうな気がする。こんな愛くるしい人はあまり見たことがない。
この映画で、あちこち散らばめられているギャグの一つ一つがまったくすぐスーッと入っている私はまさにその時代に生きていた人間なのだ。だから、普通の男の子が急にベトナムとかを意識し出して、学生運動に入っていった人間は何人も知っている。それはまさに映画の彼のようにだ。そんな感覚がこの映画にはよく出ていて秀逸だと思う。
イムジン河の歌声ですべて人の心が収束してゆくラストはすばらしい描き方で、この映画の強いところである。しかし、直前の友人の葬式の相容れない国へのわだかまり感情は避けて通れないものなのだ。それは現代もまったく同じではないかと思う。この場面が結構効いていたね。
あの、担任の教師の茶化したラストといい、この映画は粋だね。力作というより僕はあえて秀作と呼びたい。
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