[コメント] ベイブ(1995/豪)
映画を見終った人むけのレビューです。
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カントリー風の雑貨屋なんて、女子しか喜ばないだろう…と思ったら、劇場で前の席にいたカップルの男性が、ラストでベイブが立派に羊を誘導するシーンで「すげぇ…」と一人つぶやいていた。
あのシーン、あまりにも静まりかえってるから、急にワッ!とコンテストの客が歓声をあげるところで、まるで映画館の観客も歓声をあげたように感じた。日本の観客は静かだけど、もし欧米の観客も一緒に2人に歓声をあげてたなら、なんかいいですね。本当の牧羊犬コンテストに行ったみたいで。
それにしても現代とは思えないのどかさ。「その昔…」とせず、ちゃんと現代だったから良かった。ちょっと不思議に歪んだ建物は製作者ジョージ・ミラーの趣味?
TVの動物もの(特にテレ東)で、そんなこと言ってないだろ、というセリフをムリヤリ動物にあててるのが嫌いだけど、ベイブのセリフは人間のつぶらな瞳の男の子みたいで、ほんと可愛い。犬のお母さんも羊も「言ってそう〜」だし、子犬なんか「この子は今しゃべったでしょ、絶対!」ってシーンがあった。
これを観て「もう豚肉は食べません」という人がいたけど(まぁそれも判るけど)、本当のテーマは「自分はこうだから、これしか出来ない…と決めつけず、本当にやりたい事に挑戦しよう」なんですね。ベイブは運だけでなく向上心にも恵まれた子だった。そういう意味ではシニカルなメッセージでもあります。現状に甘んじる豚(=人)は食肉(=?)になるしかないという…。
うさんくさい大人が窮屈そうにかがんで子供に話しかける映画じゃなくて、背筋を伸ばした大人が子供と対等に話している、そんな印象の映画です。
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