[コメント] アメリ(2001/仏)
この作品と、ルノワールの絵画は同じ方向を向いている→
質感のある裸婦を描く事をライフワークとしたルノワールは、こんなことを言っていたそうです。
「芸術が愛らしいものであってなぜいけないんだ? 世の中は不愉快なことだらけじゃないか」
つまり、この作品はルノワールの絵画と同じく、現代人が求めるささやかな幸せ、願いだけを詰め込んだ作品というわけです。
おいしそうなクリーム・ブリュレ。
センスの良いアメリのファッションと、お部屋のインテリア。
受動的であっても、私を受け入れてくれる優しい彼氏。
店員の愛想はとてもよく、洗練されたデザインのカフェ。
小さな親切が他人の幸せにつながる。
しかし、現実を言うと
クリーム・ブリュレは口に合わないかもしれないし、
センスの良いファッションはサイズが合わなくて着られず、
お部屋のインテリアは、ばっちりセットできず、
優しい彼氏はいつまで経っても迎えにこず、
近所のカフェは店員の愛想が悪く、しかも椅子がガタガタし、
小さな親切も、された人にとって大きなお世話になっちゃったりする。
そんな世知辛い現実は、この作品の中ではなし!! 幻想である映画の中ではみんなハッピー!!
ということを監督は表現したいんじゃないのかな。
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