[コメント] アザーズ(2001/米=仏=スペイン)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
■「知らなければ良かった」・・・それは、二コール・キッドマン演じるグレースとその子供たち二人が、「自分たちは地縛霊だ」ということを「知る」と言う意味ではない。何故なら「知る」ことによってグレースは安堵の表情を見せるからだ。
では何かというと、映画を観る自分自身が、どんでん返しや謎解き映画としての”結論”があること自体を「知らなければ良かった」のである。
結局のところ、これは「当人達が死人」という可能性を僅かでも感じたら、
「な〜んだ、あの映画と同じじゃん」※1
となってしまうから、先読みが出来てしまう不幸な作品とも言える(映画化が後出になったと言うこと)。
ホラーとしての出来は秀逸だけど、やっぱり衝撃度が弱かった分、4点止まり。
CG、グロテスク、血がドロドロを用いるのがホラー映画の怖さか? いやいや、病んでポン監督の『ホーンティング』の大コケからも解るように、ダメなんだ、それじゃあ。
天井の節目・シミ、階段を登る時の足元や暗闇を背にしたときのゾクゾク感。こういった子供の頃から恐れていた、目に見えない存在への恐怖、潜在意識下に眠る恐怖感に刺激してくる演出。
屋敷の中はせいぜい蝋燭程度の光と陰鬱な空気、そして生唾を呑み込んで音を立てることも許されない緊迫感。こういった恐怖を五感で深層心理に叩き込んでくるテクニックこそ、サスペンス・ホラー映画の醍醐味。
ウェルメイドとはこういう映画を指して言うんですね。
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※1 本作の他コメンテータ様のレビューの中には、「あの作品」の実名が出ています。「あの作品」を未見な方への配慮と言うことで、憎まれ覚悟で「あの作品」のネタバレ対象として、ネタバレ投票させていただきます。
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■霊界にはインターネットは無いだろうから、シネスケにこうして参加している私は、まさか幽霊じゃないと思うけど、念のため・・・「貴方も自分の存在に疑いを持ちましょう!」
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