★2 | SURVIVE STYLE5+(2004/日) | 意味を感じない。もちろん意味のない映画があってもかまわないが、作者たち自身が映画を作ることに意味を見出していないのが悲しい。大きなお世話かもしれないが多田琢も関口現も別に映画が好きではないのだろう。映画好きには、すぐ分かる。 | [投票(3)] |
★4 | ジョゼと虎と魚たち(2003/日) | もしジョゼの足が不自由でなければ物語の結末は違っていたのだろうか。そうとは言い切れない。愛情より同情が先行する恋愛だってある。嫉妬で他人の痛みに鈍感になることだってある。しょうがない、壊れものではない人間なんていないのだから。 [review] | [投票(17)] |
★2 | バーバー吉野(2003/日) | 伝統と革新やら、母と息子の絆やら、男の子の性やら、いろいろ言いたいことは有るようですが、詰め込んだものが消化しきれず全て中途半端。登場人物も全て魅力ゼロ。新人監督には多少破綻があっても、一点突破的な傲慢さと独自のスタイルの貫徹を期待します。 | [投票(6)] |
★4 | 69 sixty nine(2004/日) | 今在るものを変えたい、壊したいという思いで行動を起こす時、そのバックボーンに何らかの理由や思想がある場合と、単純に生理的衝動だけで突き進む場合では、実は後者の方が強い。何故なら前者はその動機を失敗の言い訳に擦りかえられるから。 [review] | [投票(3)] |
★5 | アカルイミライ(2002/日) | かつて明るい未来に導かれた幸せな時代があった。が、結果をみれば現実という名の状況が今はあるだけ。元来、未来など明るくも暗くもないのだが、確かに若者が幻想を見ることのできない世の中は誰にとっても生きにくい時代である。黒沢清の覚悟を感じる。 | [投票(4)] |
★4 | キツツキと雨(2011/日) | かつて私も、生意気なだけで本当は何も知らず、ちょっとしたことで悩み迷い、すぐに自信をなくしてしまう若造たっだことをすっかり忘れてしまい、今では世の中の不甲斐ない若者をみると不満を募らせている、ということが鏡に映る自分を見るようによく分るのだ。 [review] | [投票(3)] |
★4 | インスタント沼(2009/日) | 神話を信じられるようになった見栄っはりな主人公と同様、三木聡自身も映画が信じられるようになったかのように、ギャグと物語のこなれ具合に新境地が見える。意地、見栄、ウソなど、さっぱり洗い流して呪縛から自由になること、好いではないですか。支持します。 [review] | [投票(2)] |
★3 | 鮫肌男と桃尻女(1998/日) | キャラクターの強弱、話しのテンポと展開、アクションつなぎ。どれをとっても、アレを見せたいコレもしたいで未整理のままのテンコ盛り状態。ただ、それが不快でないのは石井克人の映画的野心より素直な好奇心が先にたっているからだろう。森と緑が印象的。 | [投票(1)] |
★3 | Cloud クラウド(2024/日) | 金を稼ぐことに没頭する奴がいる。没頭は視野狭窄的であり見えないにしろ見ないにしろ、稼げない奴は存在を否定されたと思い込む。現実社会ではそんな奴がときおり一人で自爆するのだが試しに集団にしてみるとエンタメ化する。で、それを外から見てる奴がいる。
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★4 | トイレのピエタ(2015/日) | この物語には「難病もの」にありがちな過剰さがいっさいない。身近に死がせまっときに、頭だけで物事を考えるという行為の無力さを作者が素直に受け入れているからだ。走り、泳ぎ、自転車を駆り、真衣(杉咲花)は死の誘惑に対して肉体を駆使して無意識に抗う。
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★3 | 渇水(2022/日) | 日照りの「深刻さ」も、執行人(生田斗真)の個人的な心の不全による「非情さ」も、社会に取り残された姉妹(山崎七海/柚穂)の「過酷さ」も描き方が中途半端で話の軸が定まらず言いたいことがよく分からない、が高橋正弥監督が優しい人なのは分る。
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★4 | ハッピーフライト(2008/日) | 女子高生のようなCAたち。威厳なき軽薄副操縦士。5時までOL風グランドスタッフ。まさか、こんな奴いないだろうと、いや実はコレが本音かもしれない、の微妙なさじ加減が心地よい笑いを生む。小気味良いジャブを繰り出しながら、軽やかに舞う軽量級パニック映画。 [review] | [投票(2)] |
★5 | 赤目四十八瀧心中未遂(2003/日) | 堕ちることが使命であるかのように負の方向に向かう大西滝次郎の強い目の光。黄泉との境界を越えまいとふらふらと揺れる寺島しのぶの身のこなし。大楠道代が、内田裕也が、新井浩文が、人が人として存在する重さと悲しみを体現する。 [review] | [投票(2)] |
★3 | 図鑑に載ってない虫(2007/日) | 三谷昇、志賀勝、嶋田久作が登場すると弛緩していた画面が俄然引き締まる。『イン・ザ・プール』のときにも感じたが、三木聡はせっかく才能があるのだから、松尾スズキら仲間うちの個性に頼るだけの安易で単調な映画づくりはもうやめた方がよい。 | [投票(2)] |
★3 | PARTY7(2000/日) | 確認をくり返しながらしか会話できない不安感や、古い世代の家業を継ぐように説得される戸惑い、兄弟のように育ちながら信頼関係を築けない愛情の欠如。今を生きる困難さを笑いに昇華させようとする姿勢に好感が持てる。 | [投票] |
★2 | 俺俺(2012/日) | 〈俺〉の数ではなく、3人の俺を含めた〈俺〉たちの質の問題をもっと突き詰めて描かくべきでは。〈俺〉が増幅する快感と不快の落差が感じられず不条理サスペンスとしての緊張感が皆無。削除を賭けた対決にも消滅の恐怖感がなく、ただのドタバタ劇にしか見えない。 [review] | [投票(2)] |
★4 | 亀は意外と速く泳ぐ(2005/日) | フツーでイイじゃん賛歌。たとえばプロ野球選手やJリーガーにも、その世界で平凡と呼ばれる選手は五万といる。だから結局、99.9%の人間は平凡なのだ。平凡という最も退屈なテーマをクスクスと笑わせながらバカバカしくもドラマチックに見せきるセンスは凄い。 [review] | [投票(9)] |
★3 | スクラップ・ヘブン(2005/日) | まだら模様の復讐心。つかの間の連帯しか持ち得ないその反抗心の温度差こそが、討つべき敵が世間というバリアの向うに散在し、面として捉えらえきれず、己の内なる苦悩として個的に抱え込まざるを得ない現代の若者たちの痛みなのだ。 [review] | [投票(6)] |