コメンテータ
ランキング
HELP

三ツ松けいこの映画ファンのコメント

奇跡(2011/日) 終わった人(2018/日) 夢売るふたり(2012/日) 十二単衣を着た悪魔(2019/日) 蟹工船(2009/日) 海よりもまだ深く(2016/日) 海街diary(2015/日) そして父になる(2013/日) 歩いても 歩いても(2007/日) ディア・ドクター(2009/日) 怪物(2023/日) どこまでもいこう(1999/日) 誰も知らない(2004/日) 家路(2014/日) ゆれる(2006/日) 携帯彼氏(2009/日) 銀の匙 Silver Spoon(2013/日) 天間荘の三姉妹(2021/日) 万引き家族(2018/日) ルノワール(2025/日=仏=シンガポール=フィリピン=インドネシア) ホットギミック ガールミーツボーイ(2019/日) こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話(2018/日) 東南角部屋二階の女(2008/日) 溺れるナイフ(2016/日) 永い言い訳(2016/日)が好きな人ファンを表示する

ぽんしゅうのコメント************

★5奇跡(2011/日)大人から見てささいな、あるいは非現実的なことであったとしても、奇跡を起こしてでもかなえたいという願いを抱いている子供の将来は、無限の可能性に満ちているのだ。何故なら奇跡に向かって無心で情熱を注げる子供の純度は、必ずや彼らの未来を担保するからだ。 [review][投票(3)]
★2夢売るふたり(2012/日)満たされていたはずの「既婚女」が自我崩壊の危機にさいし、満たされない「未婚女」たちの自意識をもてあそぶことで、既婚の意義を維持するという極めてエキサイティングな女をめぐる話のはずが、ただの「それでも私は生きていく」的生ぬるい成長譚に見えてしまう。 [review][投票(9)]
★3海よりもまだ深く(2016/日)過去に執着し、未来に嫉妬する、ちゃんと勝負できない男。そんな駄目男の居場所のなさを、団地の狭い部屋や事務所のソファ、アパートの自室で居心地悪そうに大きな図体を持て余す阿部寛が体現している。今回の良多は見てくれが可笑しくも哀しく実に映画的。 [review][投票(8)]
★5海街diary(2015/日)父性の記憶。母性の痕跡。それは、懐かしさと煩わしさとして常につきまとう。良きにつけ悪しきにつけ、その呪縛こそが人が生きている証しなのだ。ときに、人はその記憶や痕跡を安らぎの寄る辺として希求し、一方で、自力では解凍できないその束縛にあがき悩む。 [review][投票(4)]
★3そして父になる(2013/日)物語の「とりあえずの結末」が提示する「漠然とした次」をみると、血か時間かという問題は現代の価値の不確かさの暗喩であり、是枝裕和の念頭にある命題は「信じていたもの」の揺らぎと、その後に待っている「さすらい」とどう向き合うかということなのだろう。 [review][投票(4)]
★5歩いても 歩いても(2007/日)「そんな小さなことで・・・」。何度か交わされる言葉だ。人は心の底にある大きな不安や不満など、簡単に口に出したりしない。それは、たいていカタチを変えて些細な不満として現れる。何故なら、そこには相手を傷つけまいとする無意識の思いやりがあるからだ。 [review][投票(3)]
★5ディア・ドクター(2009/日)精緻に組み立てられた脚本と、力みや強引さを感じさせない滑らかな語り口。観客に何を見せれば、カメラに写らないものまでもが伝わるかという取捨選択の巧みさ。愛嬌があって、どこか悲しげな中年男笑福亭鶴瓶の実存感もまた、この真摯な虚構話しを補強する。 [review][投票(4)]
★3怪物(2023/日)人のために良かれと思いつつ、人は自分が見たいものを見たいように見てしまうという素直さの罠。プライド。愛情。嫉妬。防御。個人にしろ組織にしろ、人は守ろうとするものがあるから嘘をつくという優しさと紙一重の弱さ。登場人物ほぼ全員が誤解をし、嘘をついている。 [review][投票(5)]
★4どこまでもいこう(1999/日)博物館の展示物のような戦車のプラモデルより、手作りの爆竹飛行機や花火銃をカッコ良いと思うこと。近づくことの出来ない少女や、離れて行く友を前にどうすることも出来ない自分を知ること。それは何時の時代においても、子供が子供であることの証しなのだ。 [review][投票(2)]
★5誰も知らない(2004/日)子供のような大人が少なからず存在するという事実には、昨今の事件を見ていればもう驚かないが、その子供達がいくら健気に、あるいは逞しく、あたかも大人のようにふるまったとしても、彼らは「愛情の奴隷」でしかないという点において非力なのである。 [review][投票(24)]
★5ゆれる(2006/日)状況を揺るがす簡潔で鋭利なセリフと、香川照之オダギリジョーの切迫感に満ちた演技が、善意と悪意、寛容と狡猾、憧れと妬みという人間が併せ持つ感情の垣根を揺さぶり続ける。幻想やサイコ全盛の中、久々に真正面から心の闇をえぐる力作サスペンスだ。 [review][投票(9)]
★4万引き家族(2018/日)この一家を語るのに絆という言葉は使わないと決めた。絆という漠然とした概念は、法律という明文の対極にありながら、どちらも人が平穏でいるために無理やり作った安心装置にすぎない。この集団は常人の安全装置の外にいるから恐ろしくもあり、愛おしくもある。 [review][投票(4)]
★5ルノワール(2025/日=仏=シンガポール=フィリピン=インドネシア)11歳の少女(鈴木唯)が小さな「?」を積み重ねながら夢想、空想、妄想を推進力に、ひと夏の現実時間を軽やかに闊歩する。誰もが子供時代に経験した自我をとりまく“何か(家族や社会、そして死)”との回路を開き始めるときのもどかしさを見事に可視化した傑作。 [review][投票]
★4ホットギミック ガールミーツボーイ(2019/日)幾何学的なロケーションが生む人工的な低温と、流暢な長回しと短いカッティングによるテクニカルな時間制御が、漫画的なデフォルメを担保された悩める女子(堀未央奈)と、迷える男子たちの図式的な“お約束関係”を現実のような幻想として成立させてしまう。 [review][投票(1)]
★3東南角部屋二階の女(2008/日)お行儀の良い人畜無害な映画だ。「今どきの若者は・・・」な話しを、先人の文法で、今どきの若者がなぞってみても意味はない。香川、高橋世代に今更「何か」を見つけるなどという発想が、脚本、演出デビューコンビの選択としては貧困で、手垢にまみれてうそ臭い。[投票]
★3溺れるナイフ(2016/日)原作のファンは多いそうだ。きっと山戸結希もそのひとりなのだろう。乙女たちの共感の核となる“乙女チック”さへの敬意を共有しつつ、映画(=オリジナル)に昇華しようと炸裂する山戸の溢れんばかりのパッションに、危うく“乙女チック”さは崩壊寸前となる。 [review][投票(1)]
★4永い言い訳(2016/日)世間的には“好い奴(竹原ピストル)”が感情に素直であるように、人として“嫌な奴(本木雅弘)”もまた自意識に正直な男なのだ。グズグズと、懐疑的で、自信がなく、空威張りで、攻撃的であることで自分の弱さを誤魔化すこの“嫌な奴”が、私は好きだ。 [review][投票(6)]