オーソン・ウェルズの映画ファンのコメント
寒山拾得のコメント |
ストレンジャー(1946/米) | 単品ではらしからぬ大人しさだが、「平和と民主主義は鳩時計しか生まなかった」という『第三の男』(49)の名科白と重ね合わせると、古時計マニアの味わい深い物語になる。一番の見所は冒頭の美人スパイ。 | [投票] | |
恐怖への旅(1942/米) | 短尺で喰い足りないスリラーだが、部分的に優れた見処があるのもウェルズらしい。 [review] | [投票] | |
ジェーン・エア(1944/米) | 長編ダイジェストで後半になるほど気忙しく巻きが入り支離滅裂になる。結局序盤のペギー・アン・ガーナーとともになされる寄宿学校批判が一番いい。 [review] | [投票] | |
マクベス(1948/米) | らしい大胆な構図による劇場中継の趣。秀作『オセロ』より明らかに劣り、薄味でマクベスとしての面白味に欠ける。ベストショットは亡霊を指差す壁の影。 | [投票] | |
黒い罠(1958/米) | 粋な撮影と雑な筋による平均点のノアール。クネクネするクレーン撮影は魅力だが後半なくなるし、冒頭の長回しも車の爆発でカットを割るのは退屈だ。 [review] | [投票] | |
わが命つきるとも(1966/英=米) | 頑固一徹は結構なのだが遵守している法がどうにも大したものに思えず、頓珍漢な印象が拭えぬ。66年に悪法も法と主張する輩などゴリゴリの保守と相場は決まっている。 [review] | [投票] | |
キャッチ22(1971/米) | 「それでこそアメリカ人だ。ユーモアを忘れちゃいけない」 [review] | [投票(2)] | |
上海から来た女(1947/米) | ヴァイオラ・ローレンス、社命とはいえ史上最悪の編集。オーソン・ウェルズの指示に従わず、映像はおろか物語まで無茶苦茶にしており、我々は傑作の残骸を確認するばかり。失われたものは余りにも大きい。歯ぎしりしたい気分。 | [投票] | |
オーソン・ウェルズのオセロ(1952/米=仏=伊=モロッコ) | ディープフォーカスの華麗な構図が、ソ連のサイレント映画のような性急な呼吸で数珠つなぎにされる贅沢。地下水道を小走りに行く子犬を、タルコフスキーは引用したのだろうか。シュールな冒頭の葬儀もトルコ風呂の暗殺も忘れ難い。 | [投票(3)] |