★3 | アデュー・フィリピーヌ(1962/仏=伊) | アルジェリア戦争の続く1960年。TVマンであるミシェル(ジャン・クロード・エミニ)の元にもついに召集令状が届いた…。その前にTV局の前にたむろしていた、モデルのリリアーヌ(イヴリーヌ・セリ)とジュリエット(ステファニア・サバティーニ)をミシェルは誘い、CM監督のパシャラ(ヴィットリオ・カプリオリ)に撮らせたものの、パシャラはギャラも払わず遁走してしまった。TV局の上司をコケにし、早めのヴァカンスを取るために仕事を辞めたミシェルは、リリアーヌたちとコルシカ島へ向かい休暇を満喫しようとするが、偶然パシャラがここに来ているのを知り、追跡を始める。〔110分/モノクロ/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 死んだ時間(1964/仏) | 人間とは何者か?…人間は戦争を起こす。人間は狩りをする。人間は虐殺する。そして、人間は人間を処刑する…。哀愁を帯びたアラン・ゴラゲールの旋律に乗って、殺戮に明け暮れる人間の姿が乾いたローラン・トポールのペンで画面上に描かれる。死者たちの風景、葬送の行進、愛と殺戮をつかさどる女神のような美女。地球は人間たちに相応しい住処なのか。〔10分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | 猿の歯(1960/仏) | 青白い肌のある青年…彼は虫歯に悩み、歯科医院へ向かった。だが、ここの歯医者が酷い男だった。麻酔をかけた青年から、歯を全部引っこ抜き、自分のコレクションに加えてしまったのだ。夢うつつで家族を失ったような悲しみにくれる青年を、医者は町外れに捨ててしまう。ところがこの顛末を全て見ていたものがいた。何を隠そう、それは自転車に乗った正義の味方の猿だったのだ!!自転車のベルを軽快に鳴らし、いま猿は復讐に向かう!!……という筋のこの物語ですが、決してギャグではないのです、念のため。〔11分/カラー/スタンダード〕 | [投票] |
★4 | ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い(2009/伊=スペイン) | ヴェネツィアで育った青年神父ロレンツォ(ロレンツォ・バルドゥッチ)は、カサノヴァ(トビアス・モレッティ)の薫陶を受けて詩の才能を見い出されるが、奔放な女性関係を理由に国を追われ、ウィーンへ渡った。彼は紹介状を手に宮廷音楽家サリエリ(エンニオ・ファンタスティキーニ)を訪ねるが、サリエリからは新進気鋭の作曲家モーツァルト(リノ・グワンチャーレ)への作詞提供を薦められた。モーツァルトに、ロレンツォはカサノヴァにかつて見せられた『ドン・ジョヴァンニ』の再歌劇化を提案する。それにはヴェネツィアで彼が巡り会った運命の女性、アンネッタ(エミリア・ヴェルジネッリ)への想いが込められていた。〔127分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★2 | ケンタとジュンとカヨちゃんの国(2010/日) | 幼女誘拐事件で捕まった兄を持つケンタ(松田翔太)は、兄の借金を返済するために先輩の罵言にもめげず仕事に勤しんでいた。だが、彼はある日、兄弟のように育った相棒のジュン(高良健吾)に誘いをかけ、会社の事務所と先輩の車を滅茶苦茶に破壊すると、町で引っ掛けたブスな女の子・カヨちゃん(安藤サクラ)と連れ立って自動車で北に旅立った。目的地は網走、ケンタの兄が収監されている刑務所である。道すがら、誰とでもセックスするカヨちゃんを放り出したふたりは、工事現場から持ってきた部品を売り払うと、まるで冒険行のような高揚感に身を任せるのだった。『ゲルマニウムの夜』に続き、大森立嗣が世に問う第二作。〔131分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 劇場版“文学少女”(2010/日) | 類稀な文才を持つ高校生、井上(入野自由)は、ひょんなことから本を愛するがあまり食べてしまう、筋金入りの「文学少女」遠子(花澤香菜)の文藝部に入部させられ、彼女のために毎日作品を提供していた。だが井上には秘密があり、幼時より彼の愛情を独占しようとしてきた病身の美羽(平野綾)が彼を絡め取っていたのだった。井上に心を寄せる少女ななせ(水樹奈々)や親友の芥川(小野大輔)にも美羽は敵意を向け、井上を我が物にしようとする。美羽の傷ついた心を癒せるのは自分だけだと知った井上は、彼女のそばにいると約束し、遠子に退部届けを出すに到った。〔103分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 屋根の上の赤い女(2007/日) | バイト採用になった護摩(山中崇)は会社に初日から遅刻して電話で道を尋ねるが、電話を受けた女子社員・西山(神農幸)の返事が今ひとつ理解できず、案内してもらって会社に辿り着く。早速仕事をやらされる護摩は、西山のアンニュイな雰囲気に惹かれ、不器用なモーションをかけるものの、徹夜仕事でその日は会社に泊まることとなる。翌日西山と自分の朝食を買いにコンビニに出た護摩をよそに、散らばった商品をきっかけに課長(高城ツヨシ)と社員達の間で取っ組み合いの喧嘩が始まる。その原因を作った西山は、帰って来た護摩と一緒に屋根の上に逃げるのだった。〔30分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | BOX 袴田事件 命とは(2010/日) | ボクサーを夢み上京するも、限界から帰郷、静岡の味噌工場で働いていた袴田巌(新井浩文)は、上司の家から金を盗み、その家族全員を刺殺し家宅に放火した容疑で逮捕された。エリートコースを進み若くして裁判官の地位を揺るがぬものにした筈の熊本典道(萩原聖人)は、袴田の事件を任されたことで、今犯行を否認する彼が取調べ中不自然な犯行動機を自白していることに疑問を持つ。しかし警察の仕事の杜撰さ、判事達の頑迷な思い込みにより袴田は死刑確定となる。熊本は自ら判決文に異論を唱える「付言」を書き加えて裁判官を辞し、民間の立場から袴田事件の虚偽を暴いてゆく。高橋伴明監督の社会暗部にスポットを当てる野心作。〔117分/パートカラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | パーマネント野ばら(2010/日) | 港町にある、まさ子(夏木マリ)が切り盛りする美容室「野ばら」は男運の悪い女たちの溜まり場になっていた。一人娘のもも(畠山紬)を抱えて手伝いをするバツイチ女・なおこ(菅野美穂)は、そこで小母さんたちや旧友の恋愛話の聞き役に廻っていた。パブのママであるみっちゃん(小池栄子)は店の女の子に手を出すヒモの様な男・ヒサシ(加藤虎ノ介)に腹を立て、轢き殺そうとまでした。薄幸な友人ともちゃん(池脇千鶴)は相手にする男総てがダメ男で、最後の亭主ユウジ(山本浩司)もギャンブルと薬で身を滅ぼした…そんな話を聴くなおこも教師カシマ(江口洋介)と交際をしていたが、その裏には秘密があった。〔100分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 関八州勢揃い(1954/日) | 上州は悪政に揺れていた。悪代官山岡(安部徹)の腰巾着となり農民から年貢をむさぼる白銀屋銀次郎(上田吉二郎)は、年貢を納められない家からは娘を連れてゆき、身を売らせていた。そんな一人であるお花(井波静子)の恋人新助(沼田曜一)は、白銀屋の世話になって彼の悪事が見えなくなっていた。一方そんな上州に、十年ぶりに天下の大親分、大前田栄五郎(大河内伝次郎)が、子分入りしようとする国定忠治(舟橋元)を連れて帰って来た。栄五郎は旅先で喧嘩を仲裁した八州取締役(岡譲司)に面会した後、白雲和尚(左卜全)の寺でかつて殺した喧嘩相手に詫びる。そこへ銀次郎の意を汲んだ新助が斬りかかってきた。〔84分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★3 | ユキとニナ(2009/仏=日) | ユキ(ノエ・サンピ)とニナ(アリエル・ムーテル)は大の仲良し。この夏休みにも一緒に旅行しようと計画を立てていた。ところがユキの母(ツユ)が父(イポリット・ジラルド)と仲違いし、離婚して故郷の日本にユキとともに帰ると言い出す。その理由が判らないユキは、ニナとともに愛の妖精を名乗って仲直りを促す手紙を母親に渡すが、それは母の悲しみを募らせるだけだった。ある日、ユキはニナに誘われて家出し、ニナの母親の故郷の別荘に旅立つが、近隣の女性に気配を察知され、森の奥深くへ逃げ延びざるを得なかった。だが、どこまでも深いその森は、いつしかユキひとりを別の知らない世界へといざなって行くのだった。〔93分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | 何か面白いことないか(1963/日) | 「何か面白いことない?」と常日頃思い続けている典子(浅丘ルリ子)は、ある日論ずるよりは行動に出る男・早坂(石原裕次郎)に出会う。典子の持っているセスナを400万で買おうという彼は、それを月賦にする担保に生命保険を当てようというのだ。典子の恋人・小池(川地民夫)はこれを面白く思い、記者をやっている雑誌で現代のドン・キホーテと揶揄する。これに対し行動で応えようとした早坂に嫉妬に似た感情を抱いた典子は、セスナのエンジンを壊してしまう。マスコミは早坂のでっち上げられた自殺宣言に湧いた。『憎いあンちくしょう』に続くルリ子と蔵原惟繕監督の「典子三部作」第二弾。〔116分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★4 | やさしい嘘と贈り物(2008/米) | スーパー務めの老人・ロバート(マーティン・ランドー)は若いオーナー・マイク(アダム・スコット)の下で働きつつ、孤独な日々を送っていた。クリスマスも間近いある日、ロバートは家に入り込んでいた老婦人、メアリー(エレン・バーステイン)に気づき追い出そうとするも、彼女の邪気の無さと溢れる親切心に時ならず心ときめくのを感じる。一目惚れ状態のロバートは、向かいに住むという彼女とまた逢う約束を交わし、デートを繰り返す。彼女の娘であるというアレックス(エリザベス・バンクス)も二人の恋を応援してくれている。そして夢の様な日々は続くが、ある日メアリーをパーティにエスコートしていった時小さな疑問は目覚める。〔92分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★4 | 殴られた石松(1951/日) | 斬り捨てられた男の死体を見つけた森の石松(田崎潤)は、男の弟である幼馴染み、常吉(尾上菊太郎)にそれを報せに行くが、下手人とされる平七(村田宏寿)への仇討ちに応じない彼と喧嘩になる。常吉は兄を殺し、目撃者平七に罪を擦りつけた下手人の正体を知っていたのだ。彼の恋人、お沢(花柳小菊)は、石松に真実を知らせ助太刀を頼んでは、と助言する。親分の次郎長(黒川弥太郎)の元に帰った石松は、常吉の言葉で総てを飲み込み、次郎長によってふたりで悪人を捜すよう勧められる。動き出した石松は、ふとしたことから旅の男、沓掛時次郎(片岡千恵蔵)と喧嘩をすることになる。〔66分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |
★2 | アリス・イン・ワンダーランド(2010/米) | 不思議の国での体験を遥かな昔に忘れ去ってしまった19歳のアリス(ミア・ワシコウスカ)は、貴族の御曹司にプロポーズされ困惑していたところを、かつて目にした服を着た白兎に目を取られて追いかけ、再びあの世界へと飛ばされることとなった。そこで出会うずんぐりした双生児、芋虫といった連中は彼女を「アリスのようでアリスでない」存在と呼び彼女を悩ませるが、ただ一人「イカレ帽子屋」(ジョニー・デップ)はアリスがもとの変らない存在と認め、この世界の変化を物語る。世界は白の女王(アン・ハサウェイ)からその姉である我儘な赤の女王(ヘレナ・ボナム・カーター)へその主を変え、恐怖政治が行なわれていたのだった。〔109分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★3 | タイタンの戦い(2010/米) | 古代ギリシャ。神と人間の子として生まれたペルセウスは、母親のなきがらとともに漁師に救われ、海の男として育てられた。成長したペルセウス(サム・ワーシントン)は、奢る神々に反逆の狼煙を上げたアルゴス国に下った冥府の神ハデス(レイフ・ファインズ)の制裁に巻き込まれ、家族を失ったままアルゴス宮廷に保護される。そこに再び出現、神々に軽蔑の言葉を吐いた国王夫婦を罰したハデスは、ペルセウスが大神ゼウス(リーアム・ニーソン)の息子であること、そして王女アンドロメダ(アレクサ・ダヴァロス)を生け贄として捧げねば国を滅ぼすと告げて去る。ペルセウスは神々への復讐を誓い、同志たちと戦いの旅路に赴く。〔106分/カラー/スコープ〕 | [投票] |
★5 | 息もできない(2008/韓国) | キム・サンフン(ヤン・イクチュン)は誰をも「糞野郎」と見下し暴力を揮いつつ、上司マンシク(チョン・マンシク)の指示でチンピラたちを連れて借金の取立てに廻る毎日を送っていた。彼が優しい顔を見せるのは甥のヒョンイン(キム・ヒス)を迎えて遊んでやるときだけだ。そんなサンフンが、ある日些細なことから少女ヨニ(キム・コッピ)との口論のあげく奇妙な恋情を抱く。サンフンはヨニに酒を奢り、彼女もサンフンの姉やヒョンインと友情を結ぶのだった。そんな毎日の中、ヨニの弟ヨンジェ(イ・ファン)がマンシクのもとに仕事を求めてやって来る…ヤン・イクチュンの各国で絶賛された衝撃的監督デヴュー作。〔130分/カラー/ヴィスタ〕 | [投票] |
★1 | 牛の鈴音(2008/韓国) | 韓国のある小さな農村。ここに住む足を痛めた老人チェ・ウォンギュンは、数十年一緒に作業をしながらもじっとついてきてくれる、一頭の牛と今日も田畑に出かける。爺さんと連れ添ってきた老婆イ・サムスンは、牛のことばかり考えて自分の苦労を省みようとしない彼に愚痴をこぼし続ける毎日だ。農薬を使えば雑草は覿面に退けられるのに、牛の口に毒だからと使わせない爺さん。稲刈りや脱穀も機械を使ったほうがずっと効率的なのに、無駄が多いと手作業を続ける爺さん…。だが流石に牛も自由が利かなくなってきたのを見て、売るしかないと理解した爺さんだった。しかし…。韓国で驚異的ヒットを記録したドキュメンタリー。〔78分/カラー/HD〕 | [投票] |
★4 | 哀しみのベラドンナ(1973/日) | 中世フランス。ジャン(伊藤孝雄)とジャンヌ(長山藍子)は幸福な恋人同士として結ばれたが、邪悪な領主(高橋昌也)によって重税の代わりにジャンヌは慰み者として犯されてしまう。夫との関係も冷え、絶望のどん底に落ちたジャンヌは悪魔(仲代達矢)に出会い、ジャンの幸福と引き換えに肉体を差し出し、一時の平穏を得る。だがそれは悪魔の遠大な罠であり、ジャンヌは総てを剥ぎ取られ、失って悪魔に魂を売り、魔女へと変貌するのであった。「悪いことがしたい…悪いことなら何でも」…イラストレーター深井国の耽美的な画風を全面に押し出した、虫プロの「アニメラマ」シリーズ最終作。〔89分/カラー/スタンダード〕 | [投票] |
★4 | 剣侠江戸紫(1954/日) | 本庄助太夫の仇として若武者・白井権八(大谷友右衛門)を付け狙う息子達に、彼は武士の面体を傷つけた父親への報いと申し立てた。その場を切り抜けた権八は、夜の街道で盗賊団に襲われるも、町奴を束ねる幡随院長兵衛(大河内伝次郎)に救われ、彼の家に匿ってもらう。その頃本田家の槍行列を前に、旗本・水野十郎左衛門(嵐寛寿郎)は跨った馬で奴達を蹴散らし、侍達の溜飲を下げていた。本田家に恩がある長兵衛は、奴達が喧嘩を買おうとするのを固く戒め続けた。彼は江戸の秩序を奴と旗本の混戦で乱したくなかったのだ。一方権八は、花魁・小紫(山根寿子)を見初め、彼女と深い仲になってゆく。〔113分/モノクロ/スタンダード〕 | [投票] |