★3 | Coo 遠い海から来たクー(1993/日) | 思ったより高レベルのアニメ画面が楽しめる。だが、内容はファミリー向けとしてはきな臭すぎるのではないか。岡本喜八のシナリオも、どちらかといえばお父さん向けの内容である。原作を曲げても、クーと洋助のふれあいにもう少し時間を割いても良かったように思われる。 | [投票] |
★3 | あかね空(2007/日) | 中谷美紀の町娘演技は思いのほか可愛らしかったのだが、いかんせん連れ合いの内野聖陽の軽い扱いに拍子抜け。永代橋の再現に手間をかけるより、もっと他にやるべきことはあろう。 [review] | [投票(1)] |
★4 | バッテリー(2007/日) | 豪少年(山田健太)の屈託のない笑顔、寺の息子(米谷真一)の豊かな表情の変化が忘れられない。トゲを振りたてて青春を歩んできた巧(林遣都)も、彼らには笑顔を許すのも肯ける、きわめて自然な少年の姿がそこにはあった。 [review] | [投票(4)] |
★3 | 眠狂四郎 悪女狩り(1969/日) | エロ・グロの極みを通り越してシュールの世界へ。伊賀者は鳥に姿を変え能面の女を抱けと迫り来る。もはや雷蔵最終作にして時代劇すら突き抜けてしまった観あり。 | [投票] |
★1 | 地下鉄〈メトロ〉に乗って(2006/日) | 都合の良すぎる時間遡行は、ファンタジーとして見ても正視に堪えない。SF的設定を、身の程を知らない人がさも得意げに操ってみせると、こんな無残な作品が生まれるという好例。子供だまし以外の何物でもない。 [review] | [投票(2)] |
★3 | 檸檬のころ(2007/日) | 岩田監督はまだ新進気鋭であるだけに頭ごなしにはけなせないが、学校周辺以外の奥行きある風景が、ラスト近くまでほとんど写されていないのが妙に気になった。これは写したい被写体…俳優のことばかり考えて、背景のことを忘れている新人らしい失態だろう。 [review] | [投票] |
★3 | WELTER ウェルター(1987/日) | 演出も脚本も稚拙の一語に尽きるが、半世紀前の少年漫画と思えば結構楽しめる。しかし、折角本物のボクサーを主人公に起用しておいて、極端すぎる八百長演技を強いるのは些か残酷に感じられた。 [review] | [投票] |
★2 | シュガー&スパイス 風味絶佳(2006/日) | モノローグに頼りすぎる状況描写、「イカニモ」な名文句気取りのセリフ。それらが折角の美点を台無しにしてゆくのは、きわめてテレビドラマ的に過ぎるこの映画の性格を反映している。 [review] | [投票(2)] |
★5 | リアル・フィクション(2000/韓国) | きわめてキム・ギドク作品の中ではストレートな作品である。「啓示」に導かれるように世間から迫害されてきた主人公は凶行を犯し続けるが、それが映画の中の出来事でしかないことをギドクは無慈悲に宣告する。 [review] | [投票(1)] |
★4 | ワイルド・アニマル(1997/韓国) | ともすれば通俗的な、きわめて判りやすい作品の印象に戸惑わされる「愛国心」の発露のカタチ。だがそこに在るモノが分断国家の国民の偽らざる心底の核感情なのだ。ふたつの国の象徴たる男たちの戦いは痛く、苦しい。 [review] | [投票(2)] |
★2 | 絶対の愛(2006/韓国=日) | 流石のギドク監督も、母国の流行批判を主題に取り上げるまでに安易な態度では、魅力的かつ後世にも評価され得る作品は創れない。この監督の映画では初めて、最初から最後まで乗れなかった。 [review] | [投票] |
★4 | アルゼンチンババア(2007/日) | 正直、堀北真希のフレッシュさ何するものぞ、である。鈴木京香の年増ならではの香り立つ色気、そして大地母神さながらの大らかさをどんな言葉で形容したらいいものだろう。 [review] | [投票(2)] |
★4 | 十七歳(2002/日) | それにしても、平凡な大人でいることはこの上なく簡単なことなのに、平凡な子供でいる事は、どうしてこんなにも困難なのだろう!ヒロインは芽を摘まれる前に、自ら教師の指を持てる棘で突き刺すことのできた薔薇だ。彼女になれなかった異端者の俺は、どうしようもない嫉妬とともに上目遣いにその姿を眺めるのみだ。 [review] | [投票] |
★1 | コーラス(2004/仏=スイス=独) | 単なる不良学校を舞台にした、勧善懲悪にもなりきれない俗で類型的な作品。校長の行動も末路も、不良少年の復讐も、総ては「よくできた映画」のワク内で観客を裏切らず展開される。人物造形も全く意外性がなく、こんなもので一人前の大人の観客の目を誤魔化すことはできない。 | [投票] |
★3 | 眠狂四郎無頼控 魔性の肌(1967/日) | 可憐な鰐淵晴子以外はすべて外道という筋書きは、むしろ狂四郎ワールドらしくて小気味良いというものだ。どこがキリスト教の傍流なのか判らない黒指党など、徹底して神仏を否定する狂四郎の敵としてはベストマッチ。渡辺岳夫のB級らしい音楽も聴きもの。 | [投票(1)] |
★3 | 眠狂四郎 女地獄(1968/日) | これだけ露骨なトラップがひっきりなしに襲ってくると、スタッフが真面目に演出しているだけにむしろ笑えてしまう。女地獄と言うより女テーマパークだ。狂四郎も狂四郎で、「俺に近づいた女はひとり残らず不幸になる」などと真顔で言ってのけるのだから、今更ながら正常な神経の持ち主ではない。あんた、こまわり君かい(笑) | [投票(1)] |
★3 | 新・平家物語(1955/日) | タイトルの期待を裏切り、物語は清盛の雌伏時代であえなくチョン。僧兵の軍勢が集結し、さぞや血の滾るスペクタクルが観られるかと思いきや、清盛の弓矢ニ、三本で…。溝口監督がいかに名匠でも、この肩透かしはほとんど犯罪的だ。雷蔵の清盛というキャスティングはミスキャストを飛び越えて愉快でさえあっただけに、なおさら。 | [投票(3)] |
★3 | 赤線地帯(1956/日) | 末期を迎え死に絶えようとしている往年の吉原を描くため、いかにも陰気なイベントばかりが羅列され、気が滅入る。やはり作為的描写ではあっても京マチ子の陽性は必要だったのだな、と痛感。若尾の狡猾さだけでは転げ落ちる女たちの末路描写の寒々しさはカバーしかねるだろう。ましてラストはあざと過ぎる。 | [投票(3)] |
★2 | 浪華悲歌(1936/日) | 未熟な照明技術とカメラのためか、画面上にある人物が誰で、何をしているかの判断が困難なのは仕方がないにせよ、ここぞとばかりに放たれる「名台詞」の不発に繋がっているようでは致命的。大阪弁で会話を律したのは当時としては画期的なのだろうが、それが作品の唯一の取り柄ではおよそ成功作とは言い難い、凡庸なトラジディ。 | [投票(1)] |
★1 | だからワタシを座らせて。 通勤電車で座る技術!(2006/日) | なんだか学校や会社で見せられる教育用映画みたいな作品。恋愛シーンは唐突で、いきなり踊り出す田村英里子には開いた口がふさがらなかった。その上ウンチクはというと満員電車経験のある人なら誰でも理解しているような薄い知識。満員電車で座るテクだけの人生なんて、ちょっと空しくないか? | [投票] |