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煽尼采さんのコメント: 点数順

★3チェイサー(2008/韓国)警察のどこか抜けた振る舞いは、韓国警察の怠慢と無能を弾劾する!という社会派な熱さよりは、暴力のグロテスクさと表裏のブラックユーモアとして活かされている印象。舞台の「狭さ」が、紙一重で出遭いまた行き違うドラマのスレスレ感を演出。 [review][投票(2)]
★3ペイルライダー(1985/米)西部劇のヒーローに最も不似合いな格好をした主人公。血湧き肉躍るアクションではなく、そのイメージの残像としての西部劇。 [review][投票(2)]
★3デュエリスト 決闘者(1977/英)相手を探し出し、抹殺すること。この点、続く『エイリアン』や『ブレードランナー』と同一主題の作品とも言える。プロットは単純極まるが、無駄なくきびきびした時間処理や、絵画のように美麗な画面、刃の立てる重い音など、全篇に満ちた緊迫感が堪らない。 [review][投票(2)]
★3その土曜日、7時58分(2007/米=英)異なる視点、時系列を交錯させた構成は、ミステリーとして旨みを出す為ではなく、男たちの陰鬱さが互いに重なり合うことで悲惨さが少しずつ上乗せされていく効果が狙われていたのだろう。 [review][投票(2)]
★3トゥルー・クライム(1999/米)「True Crime」とは何か。刑事事件の真相としての「真実の犯罪」は表面にすぎない。 [review][投票(2)]
★3休暇(2007/日)ワンカットに漲る無言の緊張感。カットの繋ぎ方にもそれが感じられる。それだけに、その中に綻びのようにして、徹底さを欠いた部分が見られるのが惜しい。だが、死刑制度を他人事として捉えている観客を撃つ厳粛さと、生の一種の残酷さの描写には唸らされる。 [review][投票(2)]
★3ファニーゲーム U.S.A.(2007/米=仏=英=オーストリア=独=伊)手袋越しの握手。レンズ越しの暴力。その、清潔さの醜悪さ。 [review][投票(2)]
★3ターミナル(2004/米)alien(異邦人・異星人)をどう迎えるかという物語であり、『E.T.』や『未知との遭遇』と同系列と言えなくもない。ガラスで隔てられた空間としての空港。手が届きそうに近くに見えるものに触れられないもどかしさを、セットが空間的に演出している。 [review][投票(2)]
★3イージー・ライダー(1969/米)アメリカの縁、メキシコ国境から始まる、アメリカの「自由」のボーダーラインを巡る映画。地上では為し得ない境界越えとしての、宗教的なるもの。天から射し込む強烈な日光による六角形のレンズフレアは、その暗喩だ。 [review][投票(2)]
★3もののけ姫(1997/日)アニメ的演技を排した石田ゆり子田中裕子の慎ましすぎる演技はむしろ、アニメの平面性に肉付けするどころか逆効果。ナウシカにあった「哀しみ」という前提が希薄な、暴力の解放は、アニメの運動性に寄与する半面、劇的抑揚に欠ける。 [review][投票(2)]
★3男たちの大和 YAMATO(2005/日)女達の、彼女らの為に死ぬ覚悟の男達に「死ぬな」と追い縋る演技は真に迫って感動的だが、感傷過多な音楽が乗っかってくるのが鬱陶しい。男達の人物像が一本調子なせいで、血の噴水広場と化す大和の甲板シーンも悲惨さより視覚的な派手さの印象が強い。 [review][投票(2)]
★3どろろ(2007/日)肉体と名を持たないという事――アイデンティティーの分裂と分割。「血」の映画。原作を巧みに換骨奪胎した脚本と、無理のある役柄をねじ伏せた柴咲コウの健闘は見事。邦画らしく、CGはペラペラだが。 [review][投票(2)]
★3仄暗い水の底から(2001/日)やりすぎとも思えるほどに老朽化したアパート。管理人まで老朽化している。この、崩壊寸前のような朽ちたシチュエーションと、母娘という主題との接合。「孤立」という恐怖と哀しみ。 [review][投票(2)]
★3スピード・レーサー(2008/米)重量感皆無のマシンが飛んだり跳ねたりするペラペラの画面を眺めるうちに、詰まらなさを通り越して哀しささえ覚えてしまうが、それでもウォシャウスキーの「好きでしょうがないから、作っちゃったよ!」というバカ兄弟ぶり、罪のない稚気はやはり微笑ましい。 [review][投票(2)]
★3クラッシュ(2005/米=独)他者が自分に向ける偏見を先取りしてしまう偏見。差別の解消を図った結果としての逆差別。同じ人種の人間の行為が生むイメージが自分に影響する屈辱。大雑把に見た印象で違う人種と一緒くたにされる事。異なる文脈で反復される、「車から降りろ」。 [review][投票(2)]
★3プレデター(1987/米)中身は無いが、画のケレン味は良い。プレデター自体が何なのかよく知らないままに観たせいか意外と楽しめたが、何か騙されたような気分も無くもない。 [review][投票(2)]
★3ミスト(2007/米)霧が疑心暗鬼の暗喩なのは観る前から察しがつくが、充分に活かされているとは言えない。監督はこれをモノクロで撮りたかったそうだが、確かにその方が演出的には賢明だったろう。 [review][投票(2)]
★3最後のブルース・リー ドラゴンへの道(1972/香港)ニャンコ先生なのだ! [review][投票(2)]
★3ラストキング・オブ・スコットランド(2006/英)「黒いジャイアン」とも呼ぶべき強引さと人懐っこさを兼ね備えたアミンの魅力爆発。フォレスト・ウィティカーの演技をもっともっと観ていたいと思える。主人公がお調子者の白人のボンボンという、まるで共感を呼ばない人物だというのもあるが。 [review][投票(2)]
★3炎のランナー(1981/英)様々な宗教や民族の意地が絡むオリンピック競技を、政治的にではなく、飽く迄も個々の選手の意志の闘いとして描いている点が好感触。競技の勝敗そのものよりも、断固とした意志をもってスタートを切るまでの過程に焦点を合わせた映画だと言えるだろう。 [review][投票(2)]