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遠い明日(1979/日) | 画面の奥と手前という構図、その空間。奥には常に北九州の風景が控え、手前では人間達が蠢き回る。そういう空間の演出だけでも、昨今の映画には全然ないことだと思う。三浦友和独特の「つかず離れず」の若者像。それ取り巻く群像達もまた、個性的で魅力的。 | [投票] | |
かぶりつき人生(1968/日) | モノクロのシネスコ、そして画面の手前と奥、その広がり。その広がりの間にドラマは生起する。そして時にじっとりと張りつくような接近した画面。自分は、その自在さに「空間」を感じて、この映画はまぎれもなく「映画」だと感じさせられる。(べつに大したことじゃないんだろうけど。) | [投票] | |
機械じかけのピアノのための未完成の戯曲(1977/露) | 光の映画。窓枠を通じて床に映じる光。暗きに灯されるランプの光。一瞬あたりを明るく照らしてはまた暗きに沈む花火の光。チェーホフは知らないが、人間の在り来たりと言えば在り来たりな卑小な苦悩がロシアの大地の風光の中に溶ける。それは決して「癒し」ではないだろうけれど、やさしいことはやさしい。 | [投票] | |
アサルトガールズ(2009/日) | カタツムリという「細部」。 [review] | [投票] | |
老人と海(1999/日=カナダ=露) | 映画の、物語の限界を超えてアニメーション故の具象の可塑性を存分に発揮出来そうな技法でありながら、しかしその実際は、映画に、物語に従属する表現をしか展開出来ていない。 [review] | [投票] | |
シッコ(2007/米) | 「愛国者」マイケル・ムーアの独壇場。国を愛するとは既存の体制を支持することではなくして、在るべき理想の国をこそ追求することだという意味での「愛国者」。アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人の為の映画を観て日本人の自分が何故か泣いてしまうのは、そんな希望を信じたい心自体は普遍的なものだからだ。 | [投票] | |
GSワンダーランド(2008/日) | 個人的には栗山千明萌え…だけで十分観賞に堪えるのだが(個人的にはケバい女装もカワイい男装もどっちもOK!)、それでなくともテンポよく進む展開で程よく楽しめる。この監督さんには、それなりの才はある(と、思う)。 | [投票] | |
楳図かずお恐怖劇場 蟲たちの家(2005/日) | …緒川たまきの横顔が美しい。 [review] | [投票] | |
二十歳の原点(1973/日) | 自由自在に自意識のツンデレを演じて見せたあの魅惑の言葉達にくらべて、この映像はあまりに俗悪、愚劣で正直見るに堪えない。彼女の生と死を俗悪、愚劣な推察に任せたのは痛恨の失敗だったのではないか。 [review] | [投票] | |
猿人ジョー・ヤング(1949/米) | 淀みのないストーリーテリングと見せ場の連続で押すクライマックス、そしてほんとは気は優しくて力持ちなジョー・ヤング! 見終って清々しい、まことに清々しい気持ちになる特撮娯楽映画の秀作。ただ惜しむらくは、それが『キング・コング』の二番煎じでしかないというところだろう…。〔3.5〕 | [投票] | |
ジェラシー(1970/伊) | 常に蝿がまとわりついてるマストロヤンニとか3P志願のビッティとか、やけにゴミがたくさん出てくる画面とか、コメディであるにしても妙なところでそのセンスを発揮しているヘンな映画。煩くもちいられるアルマンド・トロヴァヨーリの音楽が印象にやきついてしまう…。 | [投票] | |
折り梅(2001/日) | 老人介護の一つの理想形。でも本当のことを言えば、本当に必要なのは、家族が如何に頑張れるかではなく、頑張れる環境を社会が如何につくってやれるか、だと思う。 [review] | [投票] | |
ワンダー・アンダー・ウォーター 原色の海(2002/独) | 形象と色彩の過剰、それらの織り成す綾。つまりは美。 [review] | [投票] | |
小さな中国のお針子(2002/仏=中国) | 一言で言えばオリエンタリズムの映画。此岸(現在・西洋)から彼岸(過去・東洋)を眺めやる視線の映画。そこには願望の投影された美しさはあっても、勿論のこと、切実な希望や絶望の呻きはない。 [review] | [投票] | |
ソリチュード:孤独のかけら(2007/スペイン) | 定点観測。2分割の時間と空間。 [review] | [投票] | |
シネマニア(2002/米=独) | ニューヨークで映画を観まくることに人生を捧げている映画マニア達を追ったドキュメンタリー。映画は人生に似て非なるもの。それでも映画はともかくもそこにある。どうして映画を観るかって? そこに映画があるからさ。映画に人生を吸い取られる悲哀と悦楽。その悲劇的かつ喜劇的難問。 [review] | [投票] | |
チート(1915/米) | 映画が夢で、夢が無意識を暴く精神の装置だとするならば、映画は無意識を暴くものでもある(…と言えないこともない)。してみればこの映画は、当時の女性観客の差別的心性と抑圧されたマゾヒズムを暗に暴き立てたが故に受け容れられたのではあるまいか。 | [投票] | |
ミラクル・マスクマン 恋の大変身(1995/香港) | 『マスク』に想を得たのかもしれないが、アイデアの奇想天外さではこちらの方が上。ギャグマンガでやることをそのまま実写でやっているところがスゴい。 | [投票] | |
末は博士か大臣か(1963/日) | フランキー堺の菊池寛は風貌からして本人を思わせる。若き日の人情話に観ていてつい「ええ話や〜」などとほだされてしまう。ちなみに芥川龍之介も登場していたが、劇中のあの人が「朱儒の言葉」とか書いているようにはとても見えなくて…(笑)。 | [投票] | |
さゞなみ(2002/日) | 無意識の暗がりとその向こう側。 [review] | [投票] |