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disjunctiveさんのコメント: 投票数順

★4THE FIRST SLAM DUNK(2022/日)微細な日常芝居をやると、レタッチという名の人力シェーディングの質感がリアリズムのモーションと相容れなくなる。アニメ屋はリソースに不足してモーションに支配を及ぼせず、 [review][投票]
★4アンドレイ・ルブリョフ(1967/露)技術職の生来的な劣等感が社会的敗戦によって励起した。ストレスとは絶縁した意識のない動物たちとニコニコなタタールらがストレスを鋳造する鋳型となり、管理職の修羅場をエスカレーションさせる。 [review][投票]
★3太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男(2011/日)収容所と自在に内通する段階に至っては竹野内豊は目的を見失っている。当人に考えがないから米側は尻尾をつかめなくなる。異質の叙体を統合するディレクションの不在はこの失調の原因なのか結果なのか。 [review][投票]
★4明治天皇と日露大戦争(1957/日)英雄的な挙動しかできない人々から微細な感情を見出すために、距離感のある叙法がアラカンの巨顔を誇張しストレスの兆候を精査する。この肉体主義は田崎潤の頸部を胴体に陥没させる。 [review][投票]
★4ブレット・トレイン(2022/米)偶然の死に耐えられない男は因果律を仮構する。仕組まれた必然に報いるべく偶然はブラピに憑依して、人体と物体を浪費しながら己の事物化を図る。 [review][投票]
★3THE BATMAN ザ・バットマン(2022/米)貴族の自罰感情が、関与する人々の辛みを無効化する情念のブラックホールとなる。ペンギンのカーチェイスは意味をなくし、文弱をアピールする割には逞しい下顎部だけが確かな物証として残りキャットウーマンを骨抜きにする。 [review][投票]
★3戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023/日)ポストコロナの風に吹かれ自嘲する昭和のモラルは市川の運動神経に政治的に許容できるセクシャリティを見出し、どつき夫婦漫才がセックスのアイロニーとなる。 [review][投票]
★3RRR(2022/インド)最初から共通している利害が人を追い込む義理の仕込みを無効にしている。感情の裏打ちを失っている武力は、英国文官陣のサイズの合わない衣装のようにフワフワと滞空し、路上に撒かれる釘から始まって棘の鞭にエスカレートする無感情の暴力を滴らせる。 [review][投票]
★4一条さゆり 濡れた欲情(1972/日)感化を拒むのであれば批評は禁じられる。無意図を意図する他人事の仕草は間の悪さを構造化する。トランクケースの中で歌い出す批評精神は尿意の攻撃を受ける。その体液はトランクを自走させる揮発油となり、裸芸はステージではなく雑踏で本番を迎える。 [review][投票]
★4ヨーロッパ横断特急(1966/仏=ベルギー)固有の欲情がスクリプターの非情なダメ出しから逃れ続け、むしろダメ出しが性欲をフィルタリングして、素性を失ったトランティニャンの辛み顔がスケベの焦燥に読み解かれていく。天然の入った記録係に事態に気づく素振りはないが、 [review][投票]
★3ブラックハット(2015/米)性欲の霧に翻弄され恋の間合いを捕捉できないマイケル・マン節の好戦的な分解能は、オッサン大戦になれば一転して躍動する。性欲と刑務所ボケの不明瞭な境界に苛立ったのではなかった。性欲=ボケなのだ。 [review][投票]
★4マイアミ・バイス(2006/独=米)私情が仕事を侵犯する背徳感にコン・リーの視線は泳ぎ、ファレルの困り顔は超級公務員の皮に納まりきれなくなる。和歌山県警24時からカーセックスへ。安値を更新していく旅路は、しかし、寝取られた男たちの暗い情熱によって堂々たる昼メロに仕上がるのだ[投票]
★4ザ・クラッカー 真夜中のアウトロー(1981/米)男の手際は仕事にとどまらず、人生をも設計せずにはいられない。しかし夜な夜な交わされる人生談義は家族の予後を暗くするばかりだ。 [review][投票]
★4オフィサー・アンド・スパイ(2019/仏=伊)静物的なショットである限りベルエポック作家の室内画を引き写して構築された絵面は破綻しないが、筋が人のアクションを要求すれば時代感はたちまち崩れ、風俗の再現と事件の展開が背反する。 [review][投票]
★4ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023/米)公共に目覚めたといえば警戒を呼ぶ。選択肢の仕込みがどんなに巧妙であっても市民化を強いられた体裁には変わりない。正義の物証は酷使される肉体の悲愴にこそある。イーサンという極めて属人的な媒体によって何か確実なものがあると女は知った。 [review][投票]
★4ここは退屈迎えに来て(2018/日)成田凌が淡い失恋の重心となって構築される青春の仮構じみた追憶は、ロードサイドの閉塞と関連を持たないように見える。失意の体系に組み込むには嘘臭い橋本愛のかわゆさはロードサイドから浮いている。 [review][投票]
★4クラム(1994/米)崩れた肉体から知性が漏れ出るのではなく、強い性欲による管制であり汎化である。人々はマンガのような予測通りの行動しかできなくなり、アングラ思念体の鳥観図が俯瞰される。 [review][投票]
★4赤穂浪士(1961/日)下駄を預けて共犯関係に巻き込む思考様式において、千恵蔵の内蔵助がオリジナリティを発揮する。東下りや畳職人の中村嘉葎雄にあえて身バレして、決断の負担を相手に側に放りプレッシャーを与える。 [review][投票]
★4ありふれた愛に関する調査(1992/日)シネスイッチ銀座のロビーで世良公則の弁舌が場末の発効を愛の実証に帰して、不思議な事物性を成立させる。奥田も衝迫的に自室に事物を詰め込むが、場末感からは拒斥されつづける。 [review][投票]
★4レインディア・ゲーム(2000/米)旨すぎる話であるからセロンへの嫌疑は否定しようがないが、ベンアフの徳が嫌疑を不明瞭にする。予想されるのは女の邪悪と男の徳を包摂するオチであり、セロンがベンアフの徳の感化を受けミイラになる未来は容易に想像され、鼻腔がこの上なく広がる。 [review][投票]