[コメント] スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐(2005/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
●以前はコミカルな部分が多かった。だから物語にメリハリがあったのだ。
それが最近のはシニカルシーンばっか。これでは起伏がつかない。ダースベイダーがダジャレですべって思わず苦笑した周りの帝国兵士を殺傷するとかそういう起伏が欲しい。
●聖なる力と邪悪な力の違いとはカラーコンタクトをしてるかしてないかだ
結局のところ最後まで善悪の区別はつかずだった。寺院に行って子供を殺すという演出によって無理やり「悪者」に仕立て上げた苦しさがあるわな。SW4の頃の娯楽映画は見た目で暗黙の了解があった。髪の長い白人青年は正義の味方(白い服が基本)。七三の髪型で堅物っぽい服なら悪者(当然黒い服)。それが30年近く経つとその暗黙の了解の裏を狙ったキャラが溢れてしまってもはやどういうのが悪者なのか、はたまた物語に悪者が必要なのかすらあやふやな時代になってきている。
その結果としてかどうか俺にはジェダイの騎士が正義の味方だとはどうしても見えない。見えるとすれば昔はこういう格好してれば正義の見方だったという思い込みだけだ。スターウォーズが始まった当時は世界の善悪が恐ろしく単純化された時代だった。自由のアメリカは善で全体主義のソ連は悪、という。それがこのシリーズにも色濃く表れていた。いたんだけど今、ソ連ないし。それに自由なアメリカがこれまた善なんかというと怪しいし。
●エンディングの足早さが残念だ
これでようやく3と4が繋がった。俺が思うに3のエンディングと4の冒頭部の間は立派に20年前後あるわけでこの期間「も」見たかった。ルークが8歳の時に宇宙イモリにかじられて大騒ぎとか12歳の時に隣村の娘に恋してラブレター書くのR2D2に頼んだんだけど文面硬くて失敗、とかほのぼのとした心温まるエピソードが欲しいのよ。それは姫の方にも言えて同時に二人の彼氏作っちゃって笑いが止まらない11歳の夏とか絵画コンクールでダース・ベイダーに集まるゴマすり政治家を描いて帝国教師委員会からひんしゅくを買う17歳の秋とかね。超低予算でいいからスターウォーズ3.5っての出してよ(6.5なら失敗してるが・・)。CGは太陽が2つあるぐらいでいいじゃないですか。結局いくら凄い映像でも人間の味が出ていないのが物足りない要因じゃないの?
●ハン・ソロが出てこねえ。
繋ぎの3なら是非ハン・ソロに出て欲しかったのだが・・・。多分出てないよね?思うにそりゃハリソンフォードが年食っちゃって若作りが無理ってのもあるだろうがそこはスターウォーズですから。「CGとは思えない15歳のハン・ソロ(明らかにハリソンフォード!)」を出して欲しかった。やはりSWと言えば他の作品では逆立ちしても出来ない映像の驚異が売りなんだからさ。ハン・ソロが4の時より更に若くて無垢な帝国仕官候補生時代を見たくなかったか?
で、結局ここまでを簡潔に要約するとSWなんだからとにかく映像で驚かせてくれ、と。なんだ、短くまとめられるもんだ。それって忘れてないかい?
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