[コメント] 遠い空の向こうに(1999/米)
少年たちが切磋琢磨し誘導ミサイルを開発する。バグダッドやカブールの少年たちには遠い空の向こうのお話。父さん、俺はいったい・・・
父は料理店を営んでいた。包丁を握るその腕前は一流だったらしい。人気TVドラマで梅宮辰夫の腕から先の吹き替えまで経験していた。
私は朝から深夜まで働き続ける父の職業を嫌い、ネクタイを締め子供と一緒に夕食を囲むというサラリーマンに憧れた。
父に職業を継がないと話し合った記憶はない。互いに言葉に出さなくとも何となく、それは既定の事実となっていった。話を切り出す勇気さえなかった自分が恥ずかしい。父が一代限りで店を畳む決意をした時の事を想像すると胸が痛む。
周囲の期待に応えずに、「念願」のサラリーマンになった今、こんな映画を見せられると冷水を浴びせられたような感じがする。
父を傷つけてまで家を飛び出した私は、いったい何を成し得てきたのか?どんな足跡を残してきたのか?
何もない。ただの小市民に過ぎない。ただ父を傷つけただけだった・・・
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