[コメント] ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000/英=独=米=オランダ=デンマーク)
「この人はこういうふうにしか生きられないのか!」っていう嫌悪感とやりきれなさ。いままで自分が見捨ててきたタイプの人の心の闇を見せつけられたよう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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自分を責めるあまりとはいえ、あまりにも閉ざしすぎの心。他人のいうことを拒絶し一人自分を追い込んでいき、あげく「空想」の世界に逃げていく、その自己完結ぶりは「どうにかしてあげよう」という周囲の善意を踏みにじっていく。でも本人の子供に対する気持ち自体には偽りがない。こんな「救いようがない」人を、現実には何度か見てきたかも知れない。おそらく身内や知人でないから、黙殺して済んでいたんだろう。だからそんな人たちの煩悶も知ったこっちゃなかったが、この作品はそんな人のかかえる、他人を無力感に突き落とすほどの「心の闇」を見せてくれたような気がした。それは実態とは程遠い勘違いかもしれないが、自分としては切り捨てることでいままで簡単に処理してきた他人の感情の重さに始めて気づかされた。
余談だが、この作品のそもそもは「登場人物が突然唄ったり踊り出」したり「恐ろしいことは絶対起きない」ミュージカルのパロディをやろう、というのが発想の元だったりして。しまいには音が無くなり歌詞だけの歌になり、突然「宙ぶらりん」で終ってしまった舞台を見せたまま、一旦閉じて開くのが約束のはずの開きっぱなしの幕に至るまでいじわるに念が入っている。
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