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エピキュリアンさんのコメント: 更新順

★5愛しのローズマリー(2001/独=米)すでに自分では思考済みだと思っていたテーマが、じつは、ちゃんと考えてなかったんだ、という目から鱗の快感を頂きました。良くできているなー。隣の子が変化しないのに惹かれないという運びも、予定調和でなくていいし。劣等感を強さと明るさで克服した設定のグイネスの微妙な表情の反応はすばらしい演技だとおもいました。[投票(3)]
★3ザ・ファーム 法律事務所(1993/米)米国の中西部の社会にただよう閉鎖性、排他性が、やっぱコワーイって感じで、楽しめるんだけど、だんだん、じつはそれって合衆国って国の本質なんじゃないか、って思えてきて、さらに寒くなった。大統領の気質の中心はこういう田舎の湿度なんだろーなー、といろいろ感じられて面白かったです。[投票]
★3未来は今(1994/英=独=米)いろんな映画のデジャヴで出来てるような感じ。いや、悪い意味じゃないんだけど・・・。体温の低いギャグが、ぎりぎり映画を進行させてゆく。こういうナンセンスな笑いは好きなんだけど・・・。ティム・ロビンスの背が高いところが、個人的には、どうしても納得がいきませんでした。[投票]
★4ウディ・アレンの重罪と軽罪(1990/米)悲劇と喜劇の差って?芸術と商業の境界は?本気と浮気はどこが違う?俗物と本物の違いは?純愛と玉の輿の見極めは?純粋なら最後に俗に勝ってる?世間を動かす物語と対抗できる?などなど、一般に信じ込まれているさまざまな対立概念が、じつは曖昧なことを暴き出す存在論的ゲーム。重層性に1点。[投票(5)]
★4ビューティフル・マインド(2001/米)世の中の役に立ちたい=自分は価値がある、という渇望に苦しむ人は、自分に価値がない、と思っているからなんだよね。天才でも、そうなのかー・・。ところで『インサイダー』で唇噛む癖だったのが、今度は親指で額を擦る癖に。こういうさりげないけど明確な演技が、ラッセル・クロウの真骨頂![投票(1)]
★3フロム・ヘル(2001/米=チェコ)ビクトリア朝の慇懃で淫猥な雰囲気を映像化するというチャレンジは買うけど、ストーリーと予定調和しずぎ。どなたかも触れてたけど『ロスト・チルドレン』には及ばなかった。でも、イアン・ホルムズは『エイリアン』以来の不気味さでちょっと好き。黒いコンタクトって、すげー表情かわるなー。[投票]
★3エネミー・ライン(2001/米)おもしろつまんなかった。最近流行の超リアル高解像度のフィルム・ルックなのに、どうしてカメラが人物の周りを超アンリアルにぐるぐる(しかもへたくそなステディカム)回るの?しかも何度も何度も。しかも今時、こんな勧善懲悪って、無神経すぎない?編集とかいいところも同じぐらいあったけど・・。[投票(2)]
★4熟れた果実(1998/米)っていうか英文タイトルのポイントって(邦題は問題外の外だけど)、ちょっと違わない?愛されたことがないので人が愛せないビッチと、自分自身の問題ゆえに寛容である男と、あとはその中間にいる人々って感じ。このタイトルじゃなかったらもっと早く見てたな(特に邦題!)。いつも怒ってるリッチもいいな。[投票]
★3青い夢の女(2000/独=仏)雪のパリ、厳しくてきれい。撮影、原色の配置がやっぱベネックス。音、繊細でエロい。心理を謎のままにする慎みはさすが。氷のように冷たい喜劇は気持ちいい・・でも・・・なんか・・・ポランスキーを思い出してしょうがないんですが・・・『赤い航路』とか『テナント』とか。どこへ行こうとしてるのだろう・・・。[投票]
★4オーシャンズ11(2001/米)この冷たい温度は、なに?豪華キャストで、単純金庫破り物で、しかもベガスなにの。リメイクだから?ちがう気がする。この冷たいカメラと編集は、もうほとんど自主制作映画みたい。ハリウッド級の要素をもちながら、作家性が強いのって、私は、ちょっとすき。嫌いな人は嫌いだろーけど、私は大好き。[投票(2)]
★5マルホランド・ドライブ(2001/米=仏)さらさらの透明な粘液のような時間が、行ったり来たり。その流動性にいつまでも身を任せてしまいたい、と思うほど、それは麻薬的に気持ちいい。とりあず、しばらく考えるのをやめて、リンチの粘液のなかをたゆたっていたいです。語るより観るほうが楽しいなんて、ほんとに至福な映画だと思う。[投票(4)]
★5エンドレス・ワルツ(1995/日)広田玲央名と町田町蔵が、すばらしい。こまかなこと置いておいて、すばらしい、と言いたい。ふたりとも、ほとんど、その役を生きているよね。身体で理解してる、って感じ。それが伝わってきて、高速度で生きたい、と感じることの痛みをしっかりフィルムに残せていると思う。玲央名さんの顔、やまだないとがサンプリングしたのかな?美し悲しエロい。[投票(4)]
★3トレーニング・デイ(2001/米)正義のためなら人を殺してもいいんだ、っていう警察や権力サイドがもつ倫理を、身体でもういちど考えさせられるストーリー(それが狙いだろう)。もしアロンゾが正しければ俺もそこまでやるかも、と自分の倫理が試される。だからいい人の烙印が押された悪役が必要だったのね。でも、それだけなんだよね。あまりに予定調和。[投票]
★3バニラ・スカイ(2001/米)はっきり言って私にはオリジナルの『オープン・ユア・アイズ』の方が、語らない慎み深さとスリルがあって、よかった。『バニラスカイ』は、わかり易すぎ。劇中の映画や音楽のディティールも、物語と関係なくて寒い(キャメロン・クロウ悪のり?)。でもジョン・トールの撮影が白昼夢のようにクリアで美しいから3点。[投票(1)]
★3夢の涯てまでも(1991/日=豪=独=米=仏)映画は夢である、ということに真っ正面から身を許したら、どうなるか、という実験作品って感じ。なんといっても身を許してしまったのだし、夢なのだから、どこでどう飛ぼうが、意味が途切れようがかまわないんだけど・・。たぶん問題は、ヴェンダース氏がアタマが良すぎて、夢に陶酔しきれなかったとこかも。どこか理性的なんだよね。[投票(3)]
★2ザ・ビーチ(2000/米)東南アジアの喧噪とそれとコントラストをなす極楽のようなビーチ。さすがダリウス・コンディの撮影なんだけど・・・。この対比のなかで、西欧人たちの個と、集団、ヒロイズムとエゴなどが考察されてゆくんだけど・・・。観念の結晶を組み合わせてはいるけど、全体の物語が動き出さない。って感じ。作品として悲惨。[投票(1)]
★5地獄の逃避行(1973/米)淡々と狂気が明らかになる抑えた演出、センスのいい編集、望遠気味開放気味の視写界深度の浅い撮影(フジモトさんだ!)、そして自然と動物や昆虫の美しいインサート。マリック氏の中では、もっともスリリングな一作。当時J・ディーン気取りの若者がたくさんいたんだろーな、って所も怖い。[投票(1)]
★4モ’・ベター・ブルース(1990/米)成功したブルースなんて、四角い輪というか、目の覚めるような睡眠薬というか、そんな野暮な物語をスパイク・リーがつくるはずがない、と思ってたらやっぱりちゃーんと締めくくってくれた。いいブルースは悪魔に魂を売らなくちゃいけないもんね。でも親バカは永遠なり。ていうかソロは次の12小節へ、かな?[投票]
★3エビータ(1996/米)どアタマの二つの葬式シーンとフラッシュバックで、あ、展開上に何か問題があったんだな、って感じた。で、その通りだった。でも、大好きなダリウス・コンディの撮影が堪能できて、あたしゃ満足。『セブン』みたいなedgedなルックだけじゃなくて、古典的な絵もしっかり自分のものにしたコンディに拍手。[投票]
★4シザーハンズ(1990/米)きれいで清潔だけど個性がまったくない住宅街と、汚くてぼろぼろだけど血が通った感じの城。その中で、個性=才能=アーティストに対する、大衆の気まぐれで自分勝手な歓迎と嫌悪、選民意識が図式的に描かれる。図式的でご都合主義も散見するけど、でもこの作品が心に響くのは、すべてがシャイだからだと思う。[投票(11)]