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エピキュリアンさんのコメント: 更新順

★4卍(1964/日)表向きではない、内向きの京都言葉?(私は関東の人間なもんで正確にはわからない)が主人公なのではないか、と思うぐらい、その言葉のいやらしさが素晴らしいと思いました。関東弁じゃあぜったいに表現(説得)できない台詞がいっぱい。岸田を追い込んだのは、あの言葉に象徴される文化なのでは?とさえ思った。[投票(4)]
★4波止場(1954/米)牧師の存在が、なんか象徴的かつはらはらさせる要素として、鍵になってる気がした。あの牧師を主人公にした脚本も可能じゃないか、とさえ思えたし。波止場に突きだした掘っ建て小屋と、それをとりまく群衆劇が、舞台装置としてすごく効果的。M・ブランドは立ってるだけでも絵になる希有な役者。[投票]
★4祭りの準備(1975/日)西欧化された表層のせいで、、なんか後ろめたいというか、それは後退ないし堕落である、と感じている土着的な幸福感を、素直に喜んでいいのかもしれない、と思わせられました。そんな土着的なものが自分の中にも残っていたことさえ、忘れていた。自分がアジアの一員であることを、ちょっと喜びたい。[投票(2)]
★3ハイ・クライムズ(2002/米)軍人たちの一見正義であるかのような狡猾さや、どんなに卑劣な状況にさらされようが眉毛一本動かさない厚顔無知さを、ここまで正面から描いたのは、ものすごく評価したいと思います。でも、映画全体は、なんだかテレビドラマって感じ。要所要所がすこしずつご都合主義なんだよな、軍隊みたいに(笑)。[投票(1)]
★5愛を乞うひと(1998/日)40年近い時間の経過を、見る物に体験させてくれたことが、この映画のなによりの凄さだった気がする。昭和30年の東京の何気ない特撮も、原田美枝子の素晴らしい二役も、ほとんど説明的でないよく練られた台詞も、この時間の経過を「体験」させるために整えられたのでは?そして不変の「愛」とその不在。[投票(1)]
★5雁の寺(1962/日)黒く光る廊下。木の引き戸にベッド。雨戸に喘ぎ声。袈裟にネグリジェ。などなど、心の暗部を刺激する映像的な素材が、満載!!その極めつけが、僧侶と若尾文子なのではあるまいか?この二人を墓地に並べて立たせただけで、もう完璧にエロいに違いないもんね。[投票(3)]
★5レイン(2000/タイ)月影のデート、筆談の出会い、一度主観から見せる逃亡、水の工場、ストロボシンクの雨粒・・。映画お決まりのシーンに、ひとつひとつパン兄弟は、自分たちの答えを呈示してゆく。それにすべてのキャラの顔がいい。世界中の映画と繋がっているのに、そのどれとも本質的に似ていない。パン兄弟の体臭だ。[投票]
★5ノー・マンズ・ランド(2001/伊=英=ベルギー=仏=スロベニア)国民国家と民族が、各所連合やメディアとともに、現在、どのようなバランスになってるか。を、最小限の主要人物だけで、的確に象徴させた素晴らしい脚本だ!って思ったんだけど、でも、これ、象徴じゃなくて、そのままじゃん(汗)。メディアで見てる大仰さのウロコを、目から落としてくれる逸品。[投票(1)]
★3バイオハザード(2002/英=独=米)各シーンには、その先が見たくなるようなパワーと美しさがあるのに、全体としては、どうにもドキドキしない。怖くない。最後も、ガーン、と来ない。たぶん、あまりに勧善懲悪だからかも。人物キャラの設定に奥行きがないからつまらんのじゃないかな。でも、David Johnsonは、女を本当にキレイに撮るなー。だから+1点。[投票]
★4ハモンハモン(1992/スペイン)だって、オリーブオイルで、泥だらけの足を洗うんだもん。そういう国なんだもん。ひりひりしているのに、ぬるぬるした気持よさを味わえる恋なんだもん。ざらざらしてても、その匂いを楽しめる粘膜なんだもん。悲劇も喜劇もそういう夾雑物があってこそ美しいんだもん。だって、ハモンハモンだもん。[投票(1)]
★5テス(1979/英=仏)ナポレオンを諦めて撮った『バリー・リンドン』。シャロン・テートに捧げられた『テス』。そして途中で資金がなくなってしまった『天国の門』。なんだかこの三本は、映画というものの悲しさを表しているように思えます。こういう強度の映画が存在してそれを命がけで作る人間ってなんだろう、って思う。[投票(5)]
★4二十日鼠と人間(1992/米)原作が偉大であるにしろ、「人間というのはこういう動物である」というのを、わずか2時間によくまとめたもんだ、と思った。穀物の粉やほこりで鼻がむずむずしそうなアメリカの内陸の風土をすごくよくとらえたカメラも素晴らしい。この風土が排他的なナショナリズムの温床なのねー。[投票]
★5青春の殺人者(1976/日)すごい!エディプスから成田空港まで、あらゆる物がごった煮だけど、映画を押し進めるすごい自我ある。前半ちょっと丁寧すぎるけど撮影も素晴らしいし、なによりも原田美枝子の我と情が、すごい。それにしても、台詞をすべてアフレコにしたのはいいけど、ちょっと棒読みっぽくて、残念でした。[投票(2)]
★4髪結いの亭主(1990/仏)アラブの音楽と、ジャン・ロシュフォールの踊りがいい。このふたつが、エロ親爺をつづけるには、呑気な愛情と強靱な意志が必要なことを象徴している、と思った。おとぎ話のような愛情は、如何にして可能か、を思考実験したような作品。それを永遠にするには、あのラストしかないでしょう![投票(2)]
★5下宿人(1926/英)面白くて、びっくり。それぞれのキャラが、典型的になりきらず、中心のずれた円が回るように、意外性や善悪で割り切れないものなどで全体がいびつに展開するところが、素晴らしい。「見せない」というヒッチコックの戦略と美学が、すでに明白。慎み深いサスペンスを堪能しました。[投票(1)]
★4灰色の容疑者(1988/米)ゲイリー・オールドマン若いー!べートーベン歌いながらの殺人もいいけど、こういう何気ないキャラのなかにちょっと狂気がひかる弁護士のキャラもよかったー。ただ、ストーリーはあっさりし過ぎかも。しかしG・オールドマンほど、普通のラブシーンが似合わない役者も珍しい。いつも、なんか汗かいている感じだし・・。[投票(1)]
★5フル・モンティ(1997/英)よく、ふと感じるある感情。名前はついていないけど、日々のかなでよく起こるこの感情は、ふ、っと微かなこともあるし、心全部がその感情に支配されることもある。この映画全体は、その感情の象徴になってる!。あー、しかし、これいじょううまく言えないよー。意味不明のコメントだな、こりゃ(汗)。[投票]
★4仕立て屋の恋(1989/仏)撮影と編集はいつもながら上手。上手すぎてCMみたい。無口な返事の内側から出来事を見つめるストーリーのアイディアは凄く好き。変態とかオヤジとかいう一言で片づけられていた人々への愛情に満ちているから。ただこのストーリーなら、もっとたどたどしく語るべきなんじゃないかなー。そこがちぐはぐに感じちゃった。[投票]
★3トータル・フィアーズ(2002/米)なかなか考えてあるストーリーだなーと思いながら観ていて、しかしエンターテイメントとしては標準的だから、やっぱりビデオで十分だったなーと高を括っていたら、観終わってカセットを取り出した瞬間、NHKの中東で核兵器ビジネスを取材したドキュメンタリーの深夜番組が映った。頭が完全に混乱した(汗)。[投票]
★4リビング・イン・オブリビオン 悪夢の撮影日誌(1994/米)大好きなブシェミさんの素晴らしさが、もっとも良く堪能できる作品だとおもいました。執着と短気が、こんなにチャーミングな人は他にいないでしょう。しかし、撮影時のトラブル、めちゃくちゃにリアルで、はじめ笑っていたけど、だんだんこっちも胃が痛くなってきた(笑)。助監督役はとくにリアル。[投票]