コメンテータ
ランキング
HELP

エピキュリアンさんのコメント: 更新順

★5サルバドル 遥かなる日々(1986/米)これを見たら『キリング・フィールド』がつくりものに思えてしまった。理想を具現化したのが政治で、それはまったく理想とは別のルールで動くものなんだ、という事実を一滴の甘さもなく見せつけられる映画。それを見つめるジャーナリストの弱点も容赦なく描かれて素晴らしい。ジェームズ・ウッズすごい![投票(1)]
★5若者のすべて(1960/仏=伊)労働者を描こうとしながらも、やっぱ、人間の本質というか、善悪の境界というかを見つめちゃうビスコンティですね。これは、無垢、とか、寛容、ということについての映画かな。想像を絶する悲劇に対して人はよりよく生きようと振る舞える可能性があるかという設問。この映画はすごい体験でした。アルファロメオが全面協力。[投票]
★3JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ(2001/独)クラクストンは素晴らしいし、演奏も素晴らしいわけだけど、でも、このドキュメントは何を言いたくて作られたんだろう。こういう写真家がいましたよ、ということは分かるんだけど・・・。撮影をみると制作者は写真に興味はあるように思えるけど、ジャズにはあまり興味ないんだろうなー。でもインタビュは貴重![投票]
★410億分の1の男(2001/スペイン)原題は「無傷で」みたいな意味なのかな?不条理劇はやっぱり、美しい映像と存在感ある配役によってその象徴性がリアルに光る気がする。むかしイギリスのテレビドラマ・シリーズで『プリズナーNo.6』ってのがあってすごく好きだったんだけど、それを思い出した。カフカ→マグハーン→リンチ→ファン・カルロス?[投票]
★2イザベルの誘惑(1985/仏=スイス)すっごい退屈だった。自己嫌悪に限りなく近いナルシズムのために、自分は愛されるはずがない、と思いこんでいる男を愛するとどうなるか、という設定をものすごく観念的に描かれてもなー。すべてシーンが説明のためにある、って感じ。[投票]
★3最後のアドレス(1969/仏)「よし、フィルムノワールをつくろう」って意図して黒っぽい映画をつくったって感じ。たぶん、フィルムノワールは結果としてそうなったときが一番カッコいいんじゃないかな。ストーリーも、ほぼ予想通りの意外性(笑)なのねー。でも憎めないのは、たぶんヒロインの危なっかしさのせいかも。[投票]
★4ブラッド・ワーク(2002/米)うまいなー。イーストウッドの演出って、ほんとうにストーリーに観客を集中させるすごい力をもってると思う。すべてがさりげなくて、技巧がまったく気にならないもんね。しかも、配役を使うイーストウッドの個人的な動機と物語上の動機がぴったりなのね。少数民族としてのメキシカンのための映画でもありますね。[投票(1)]
★3フォーン・ブース(2002/米)ほとんど同じような設定の『スナイパー』よりは、配役、撮影、編集と、良かったとは思います。でも・・・でも・・・この物足りなさは、なに?恐怖というよりは「どうやってオチをつけるんだろう」ってスリルなんだよな・・。最初と最後の通信衛星って要る?あー、なんだか夢中になれなかったぞー。[投票]
★5夏の嵐(1954/伊)ネオリアリスモと貴族的な退廃を、見事にひとつのフイルムにしっちゃったなー、と、終わってからもしばしボーゼンでした。幻想的な夜のベニスの街での甘い毒、壮大な城で明らかになる野卑な魂、うらぶれた部屋で徹底的に傷つけられ罰せられる傲慢。場所と人と状況のドラマがすざまじく面白い。[投票(2)]
★4テンペスト(1982/米)悲劇と喜劇の境界そのものがエンタテイメントになってて、面白かった。後半のギリシャの島の入り江の、素晴らしく映画的なこと!ここを見つけたから、この映画が可能だ、ってつくったんじゃないの?って思ってしまった。それにしても、ジーナ・ローランズ、相変わらず最高っす。[投票]
★2突入せよ! 「あさま山荘」事件(2002/日)なぜ日本の組織は合目的的に機敏に動けないか、をテーマにしながら、映画という集団作業もその例外ではない、ということを照明しまった映画。あるは興味深い映画でした。リアルを起こそうとする監督と、それを演技しようとする俳優、人間のいないカメラの動き・・。人質の生存がわかるシーンでの早すぎる音楽のタイミングは、最悪。[投票]
★2われに撃つ用意あり READY TO SHOOT(1990/日)喜劇として見ると、許せるんだけど、妙にシリアスっぽくなるところがあって、見ていて落ち着かない。そのスナックでかつての闘志たちの現在が揶揄されるけど、それも、ギャグっぽいのに、へんに哀愁を持たせようとしているようで見ていて恥ずかしい。原田と桃井の応酬だけが映画から浮いて、血が通っていたよ。[投票(1)]
★4鬼龍院花子の生涯(1981/日)汗くさく隔離された二階の様子、任侠とチンピラの間をゆれる屋敷の明かりと陰。、河の土手に揺れる電球を縦につかった見事な死闘。その舞台セティングのすばらしさと、それをあまりアップを使わず冷淡に眺めるカメラがすごいと思いました。それはまた、仲代のオーバーな演技をうまく中和していたと思う。[投票(2)]
★4白夜(1957/伊=仏)明らかに映画的な表現を探求したくて作った、って感じ。霧にとけた曖昧な街と、ゆれるな彼女の気持ち。くっきりと霧がはれると、そこは真っ白なでも冷たい世界で、現実に目覚めるしかない男の孤独がそこにある。物語と映像のテーマ的な共鳴をやってみたかったんじゃないかな。やっぱイタリアの映画美術ってすごいと思った。[投票(1)]
★3タイムリセット 運命からの逃走(1997/タイ)レイン』が良かったので、見たんだけど・・。映像で出来事を語ることを、自分なりの試行錯誤している、って感じの習作。各シーンそれぞれはかなり凝りまくっていていい感じだけど、全体としてのスピード感がちょっと失われているのと、時間の構造の転換が明快でないので、納得性(=説得力かも)が低いかなー。でも好感が持てました。[投票]
★521グラム(2003/米)素晴らしい編集!。後悔も絶望も信仰も、当人の心の中ではそれぞれ「してしまった事」や「起きてしまった事」など過去の反芻や回想やフラッシュバックだったりする。それをこの編集は見事に再現していて、観客に追体験させる。「取り返しがつかない出来事」と人生の関係を『アモーレス・ペロス』では理念的に描き、この作品では体験として描いてくれた。[投票(6)]
★4カルロス・サウラの セビジャーナス(1992/スペイン)名作『フラメンコ』(撮影ビットリオ・ストラーロ)のパイロット盤のような1時間ほどの作品だけど、もしかしたら、パフォーマンスは、こちらのほうが、熱いかも。あまり計算していない現場のエネルギーがすごく伝わってくる。鏡を巧みにつかった撮影はストラーロのアイディアかともっていたらこの作品でもやってるから、C・サウラのアイディアなのかな。[投票]
★3キング・オブ・ポルノ(2000/米)兄弟の愛憎劇というのは、神話以来のテーマなんでしょうねえ。見ている内に、兄弟とは親とは家族とは、それに介入してくる他者とは、と、とても思考が刺激されて面白かったです。でも、観ながらそれだけ考えられた、ということは、あんまり映画に夢中になってなかった、ってことかな・・・。シーンもエステベスも。いい演技をみせてくれているのですが・・・。[投票]
★4シティ・オブ・ゴッド(2002/ブラジル=仏=米)描いている内容は、実話ベースだしとても興味深いものだったけど・・・。前半の夜のサスペンスが、後半の昼のシーンなると、なにか違った映画になってしまっていて残念。サスペンスが持続しなかった感じ。でも、凄惨なシーンやそういう予感に満ちたシーンに、サンバを当てた音楽使いには、哀愁が深くて打たれた。[投票]
★3ターミネーター3(2003/米)クレーンをつかったアクションのアイディアにはちょっと拍手でした。でも、全体の緊張感が、テレビドラマのレベルで、ゆるすぎ。なので、どこも怖くないのね。去年観たのに、この前まで観たこと自体を忘れていたっけ。でも、あの年でこのシリーズに挑戦するシュワちゃんは、選挙資金が欲しかったとしても、ちょっと好き。[投票]